《これまでのお話》

ヒプノセラピー:井上内親王再登場①

ヒプノセラピー:井上内親王再登場②

 

指を骨折した晩、主に高野新笠に関することが様々思い浮かびましたが、根拠を求めたく

なりました。そして、軽く調べてはみましたが、これといった情報は出てきませんでした。

歴史書の類にも記載はなさそうでした。唯一、深く触れていたのは、以下のコミックでした。

 

   ほん怖コミックス 闇の考証―永久保異聞
   永久保 貴一 (著)/朝日新聞出版 (2011/6/17)

 

著者と編集者が、霊能者と霊感のある若い女性を連れて取材に行き、それに基づいて

書かれた作品です。

 

この作品と私の頭に思い浮かんだことの間には、いくつかの共通点はありました。

まず、高野新笠と井上内親王は、サイキッカーとして描かれています。そして、皇統が

天武系から天智系に変わったのには見えない力が働いていたことが描かれています。

 

作品では、さらに踏み込んだ霊視をしており、それがすでに亡くなっていた天智天皇の

意志だったことにも触れています。また、天智天皇の時代、白村江の戦いで朝鮮半島に

大量の援軍を送ったことや、その後、百済からの亡命者を受け入れたため、渡来人の

人たちが天智天皇に恩義を感じていたことも書かれていました。

 

この作品では、史実の検証もしています。ですが、井上内親王と高野新笠および周辺の

人々の決定的な事柄については、霊能者や霊感のある若い女性の霊視によるところが

大きいので、これだと私の頭に浮かんだのとあまり変わらないかもしれないと思いました。

 

余談ですが、この作品は、どちらかというと、高野新笠に対して好意的に書かれています。

そのため、高野新笠の絵は可愛く描かれているのに、井上内親王が不細工で怖いのです。

それを見た私は、井上内親王を、もう少し美人に描いてほしかったな。美人には描けない

なら、せめてもう少し可愛く描いてほしかったな。そう不満に思ったのでした。

 

それから時が流れ、こころ講座も受講して、随分軽くなり、現実も動き始めていた頃、突然、

奈良の商工会議所への出張が決まりました。ここは、ならまちの御霊神社のすぐ近くです。

子どもを保育園に預けてすぐに向かえば、1時間とちょっとは時間ができそうだったので、

御霊神社に行ってみることにしました。

 

京都駅に着いたら、雨が降り始めました。奈良に向かう電車の中も雨は止みませんでした。

近鉄奈良駅から、ひがしむき商店街、もちいどのセンター街を足早に通り過ぎ、ならまちの

御霊神社に向かいました。

 

着く頃に、雨がひどくなりました。雨の中、お参りをして、本殿を見ました。なんと、ヒプノで

井上内親王が二度目に出てきたときに、自分(井上内親王)が立っていたのは、ここの本殿

でした。奥にあった鏡と思ってた丸いものは、太鼓でした。あまりにも同じだったので、

ちょっと驚きましたが、今日もここにいらっしゃるのかな、と思いました。

 

 

空から涙が溢れるように、すべてを洗い流すかのように、雨が降っていました。悲しいとか、

悔しいとか、無念とか、そういった思いは感じられませんでした。ただただ、涙がとめどなく

溢れてくる感じでした。

 

神社を後にして、仕事の前にお昼ご飯を食べようと思いました。唐突に、柿の葉寿司と、

茶粥が食べたい! という考えが浮かんできました。どうも私ではなく、井上内親王が

食べたかったようです。平宗に行けば、それ食べられそうだけど、もう時間がないの・・・。

心の中で謝って、ひがしむき商店街のうどん屋さんに入りました。注文する前から、

「これじゃない・・・。欲しくない・・・」と強烈なメッセージが伝わってきました。内心、なんで

さっき神社では何も言ってくれなかったのに、食べる段になって、こんなに語り掛けるんだ、

と驚きました。そして、うどんが運ばれてきて食べ始めたら、全然おいしくないのです。

うどんに問題はなかったと思います。でも、ゴムのような歯ごたえで、何も味がしない気が

しました。そのうどんを食べているうちに、私もだんだん悲しくなってきました。

 

仕事を終えて外に出たら、さっきの雨がうそのようなきれいな空でした。駅で柿の葉寿司を

買って、新幹線に乗りました。そして、柿の葉寿司を食べてから、マリア先生に、ならまちの

御霊神社に行ってきたことを伝えました。マリア先生は、夕方眠くなって寝たときに誰かを

送ったような気がしていたけれど、井上内親王さんだったのね、感覚がなんか不思議

だったけれど、行かれたのはわかりました、と仰っていました。

 

感覚が不思議だったのか・・・。私が希望を聞かずに、うどんを食べたからかな? やっぱり

お参りは、時間のあるときに行かないといけないのかも。それは言いませんでしたが、

心の中で思いました。そして、今度、奈良に行ったら、「平宗」でお食事しましょう。それとも、

興福寺の「塔の茶屋」に行きましょうか? 心の中で井上内親王に話しかけてみましたが、

お返事はありませんでした。

 

- ヒプノセラピー:井上内親王再登場 終わり -