中国では子どもの誘拐が大きな社会問題となっている。
年間20万人の子どもの行方がわからなくなるとも
言われるが、中には、誘拐されて、農村部などに
売られるケースが数多くあると指摘されている。
労働の担い手や跡継ぎとして売買するための子ども
の誘拐が後を絶たないのだ。
小学校の下校時間。
校門の前には、子どもを迎えに来た親たちが詰めかけている。
最近、全国どこの小学校でも見られる光景だ。
母親たちに聞くと「いまは悪い人が多いから心配」
「最近、子どもが誘拐されるニュースが多いので1人で帰らせるわけにはいかない」という答えが返ってきた。
中国では、警察などが、子どもの誘拐に関わった犯罪組織の大規模な摘発をたびたび行っている。
なぜ誘拐がなくならないのか?
子どもたちの誘拐について調査している専門家は、人々の意識に問題があると語る。
「中国の多くの農村の人たちが、年老いたときに自分を
養ってくれる男の子を必要としている。
だから子供を買い求める市場は非常に巨大化し、
利潤を生んでいる」
伍興虎さんは、6年あまり前、1歳の息子が誘拐された。
1人息子の嘉誠ちゃんは、深夜、伍さんの自宅に侵入した何者かにさらわれたのだ。
伍さん夫婦は、睡眠薬で眠らされ、その隙に嘉誠ちゃんが連れ去られたという。
「気がついたら息子がいなくなっていました。
何が起きたかわからず外に飛び出て、大声で叫びました」。
警察に捜索を要請したものの取り合ってもらえず、自力でわが子を捜し続けている。
1日、伍さんは、子どもを誘拐された親などを集め
街頭に立った。
親たちは、行方がわからなくなった我が子の写真
を掲げ、少しでも手がかりを得ようと、必死に情報
の提供を呼びかけた。
息子が5歳の時に誘拐されたという女性は「一目で
いいから会わせてほしい。
あまりにも残酷。17年も探しているんです」。
中には、幼い頃、自分自身が誘拐され、農家に
売り渡されたという男性もいた。
実の母親を探しているのだという。
「おかあさんを探し出して一緒に暮らしたい。
一目でいいから会いたい」。
伍さんは「私たちが活動することで、多くの人がこの
問題を知り、関心を持ってくれれば息子が戻ってくる
かもしれない」と話す。
一方、子どもを奪われ苦しむ親の気持ちを踏みにじるようなことも起きている。
子どもを見つけてくれた人に報奨金を支払うと呼びかけたところ、金目当てに接触してくる人があとを絶たないというのだ。
「連絡を受けて兄と一緒に東北部に行ったことが
あります。
指定された口座にお金を振り込みましたがその後
連絡が取れなくなり、だまされたのだと分かりました」。
伍さんは男の子を働き手として求める傾向が強い農村部をできるだけ訪問するようにしている。
「誘拐された子どもたちです。見てください」
「こんなにたくさんいるのか」「どうか皆さんに伝えて下さい」
しかし、こうした声もある。
「農村部なら子どもがいない家庭は、誘拐された子ども
でも少しお金を出せば戸籍に登録することができる」
「農村は畑仕事で肉体労働なんだから。
私は違うけど、年寄りは皆そういう考え方よ。
そう簡単に変わらないよ」
こうした考え方を変えていくのは容易ではない。
しかし伍さんは、お金で子どもを買ってはいけないと
訴えていくことが、いずれは、息子との再会につなが
ると信じている。
「同じ苦しみを味わう人を二度と出したくない。
皆がこの問題を自分のこととして考えてくれれば、
私の息子の居場所も明らかになるはずです」。
専門家も人々の意識自体を変えることの大切さを
強調する。
「子どもを金で買う人がいなくなれば こんなつらい
思いをしなくて済むのです。
人身売買をなくすには、買う側にも厳しい罰則を
設け意識を変えることが必要です」
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言葉がありませんね。
中国社会は、こんな恥部があるんですね。
国家は、一体何をしているんでしょうか?
こんな国が、世界第2の大国?ですって。
日本の常識は世界の非常識なんですね。
金のためには何でもアリの世界!
ただ、呆れるばかりの国ですね。
しみじみと気の毒な国だと、中国人に同情の念を
禁じえません。
完