読売新聞に掲載していただきました「親切な対応 背中を押す」 | NPO法人四万十市への移住を支援する会のブログ

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「とりあえず来てください。仕事は何とかしますから」。

 

2024.02.22. 読売新聞オンラインより

 

約5年前、大阪から四万十市下田に移住した森山直樹さん(58)は、

NPO法人「四万十市への移住を支援する会」副理事長のあの時の

言葉を忘れない。

 

下田地区は母親の里で、「いずれは住みたい」と思い続けてきた。

夏休みなどに海や川で遊び、大人になってもよく訪れた。

 

大阪で生まれ育ち、建築関係の仕事も順調だったが、独り身で

老後のことも考え、移住を決意した。

 

 同会に相談すると住居を紹介してくれた。だが、当てにしていた

団体職員の仕事は不採用だった。

「やはり無理か」と弱気になりながら、今後について同会副理事長

の山崎文久さん(48)と電話で話した時、「とりあえず来て」と

いうあの言葉が返ってきた。

 

 山崎さんは「森山さんの移住への熱意を感じて言った言葉だと思う。

誰にでも言うわけではない」と振り返る。

 

 54歳で初めて無職になった森山さん。ある日、現地で「いずれ

スパイスカレーの店を開きたい」と同会幹部に仕事の相談をした時、

「ふざけたことを言うな」と叱られた。

「やったこともないのに。もっと地に足が着いた仕事を探せ」。

きつい物言いだったが、前職と似た建築関係の営業職を探してきてくれた。

 

 「1人の移住者のために、親身になって励ましたり、厳しく接したりしてくれた。

おかげで人生の新たな一歩を踏み出せた」。森山さんは感謝を胸に刻んでいる。

 

 

 同会は1995年頃に地元の有志がボランティアで移住者を受け入れたのが始まり。

 

2014年にNPO法人になり、現在は専任スタッフ4人と地元事業者ら約20人の

理事会員が、住居や仕事、子育てなどの相談に応じる。

 

 同会のホームページなどで「移住支援登録」した人には、現地まで来てもらい面談し、

思い違いがないか確認する。

 その後、希望をもとに市の空き家バンクに登録する物件を案内。

引っ越し後に区長にあいさつする時には、スタッフが同行するなど

不安なく生活を始められるようサポートする。

 

 相談件数は年間200件ほど。うち年に25~30組、50~60人が移住してくる。

交流イベントなどの開催にも積極的で、今年1月の新年会には移住者約25人が参加した。

 

 「移住という人生の分岐点に関わることに意義や責任を感じる。だからこそ、

その人に合う移住ができるよう手助けしたい」と山崎さんは語る。

 

 

 森山さんが移住して4年余りがたった。仕事はスーツ姿から作業服に代わり、

収入は減ったが、やりがいを感じている。

自宅のすぐ前は四万十川の河口と太平洋が交わる。

休日は釣りなどを楽しみ、地区の行事や清掃活動には必ず参加する。

 

 「恩送り」という言葉を最近よく考える。会の人や地元の人からお世話に

なった恩を、新しく来る人たちに伝えてお返ししなければと思い、

会にも加わっている。

 

「ここではまだまだ新入りなので『お世話になります』とみんなに頭を

下げるよう心がけている。楽しく暮らし、永住したいから」