タイトル・・・20世紀少年
作者・・・浦沢直樹
いや~実に面白いマンガなんだなこれが!7~8年前に初めて読んで、今回また久しぶりに読み返してみたが、やっぱり面白かった。自分も昭和に生まれ平成を生き抜いているが、自分の子供のころをやっぱり思い出してしまい、自分もある意味、『20世紀少年』だったと思う。昭和・・・良くも悪くも日本という時間が一番動乱に動いた時期ではなかったのではなかろうかと思う。勿論自分は戦後のずーっと後の時代に生まれたが、それでも昭和レトロの時代を生きていた。だからこそケンヂたちに感情移入するのだろうと思う。ケンヂたちが原っぱで秘密基地を作ったり、駄菓子屋でお菓子を買ったりと自分の子供のころとシンクロしているシーンがたくさんあって、平成生まれの『21世紀少年』たちにはわからんだろな~。と、いうか、当時は携帯もテレビゲームなくアナログな遊びしかなかったのである。しかしそれはそれで楽しい時間で、今でも、昭和はいい時代だったと思う。何度でもいうようであるが、自分もまた『20世紀少年』だったのである。
で、物語であるが、主人公・遠藤ケンヂは、子供のころ(70‘年代)、仲間たちと原っぱで秘密基地を作り、多感に遊んでいた。そして『よげんのしょ』を描きタイムカプセルを仲間とともに埋める。99年、大人になったケンヂはコンビニ経営をしていた。その背中には姪のカンナをおんぶして仕事をしていた。そんな時、かつての遊び仲間だったひとりが、[ともだち]という謎の存在になり、『よげんのしょ』通りに世界を破滅しようとしていたの知り、それを止めようとする。しかし結果的に、世界中に破壊活動がおこり、ケンヂと、その仲間たちはテロリストの汚名を着せられ姿を消す。2015年、ケンヂの姪・カンナは、[ともだち]を倒すべく、かつてのケンヂ仲間たちと、再び立ち上がっていく・・・
と、相変わらず大雑把に書いてしまったが、本は全部で24巻(ラスト2巻は、『21世紀少年』)と、大河的なドラマで、早大稀有なクロニクルなマンガといっても過言ではない。このマンガは1970年、1999年、2015年と三つの時代を描いてあり、なかなか面白い設定で、昭和時代の人間には、『これ、あるある!』の世界が描いてあるし、平成生まれの人間にも充分面白く感じれる内容になっている。そう、正にエンターティメントな物語で、これぞ日本が生んだマンガ!って感じもする。
浦沢先生のマンガは、アニメ化ドラマ化されているものが多いが、この『20世紀少年』も映画化されている。しかも三部作構成で製作費60億円で、ケンヂの役には唐沢 寿明、カンナ役には平 愛梨が起用され、他の俳優たちもなかなかの配役だったと思う。ただ原作の広大複雑な世界観は完全に表現されてはいなく、原作ファンとしては映画の方はややチープに感じた。ただカンナ役の平 愛梨は自分個人的に大好きで本当に当たり役だったと思う。愛梨ちゃん・・・かわいいっ!♡
このマンガの面白いところは実際の人物をモデルにしたり、結構遊び心がちりばめられていたり、他にもマンガやドラマのオマージュが結構見て取られマンガ好きアニメ好きにはたまらないシーンが多々あり、わかる人間にはわかるパロディがあるのが浦沢マジックとでも言える。勿論、浦沢先生だけでなく、原案協力者の人の博識があるのも事実だが、これをマンガ的に、結果的描かれている浦沢先生のセンスが実にうかがえる。ただ少し残念なのは、浦沢マンガは、線がシャープ過ぎて、尚且つコマワリがやや大きすぎて、するする読めてしまい、引っかかりが今一つないのも事実である。これがいいのか悪いのかは、結局は読者にゆだねられるのであるが、自分としては浦沢マンガの悪い一面ととらえている。浦沢先生すみません。だけど、それを凌駕して面白いのが浦沢マンガでもあることを、念のために一言。
『20世紀少年』は、友情のマンガでもある。ケンヂとその仲間たちが、悪に立ち向かう・・・簡単に言えばそれまでなのだが、それがかっこつけづにやっているところがこのマンガをヒューマン的な見方で、ドラマを奥深くしている。物語を70年から2015年までの長いスパイラルで描いていて、子供が立派なおじさんおばさんにになっていき、少女は大人になっていく。彼らは、時に武装して戦い、時にレジスタンス活動で独自の戦いをしていく。そう、人間戦わなきゃならん時は、何らかの形で戦うものなのである。そのことの重要性をこのマンガはわかりやすく教えてくれるマンガもあるのだー!
このマンガ読んでいて、恋愛シーンやエロシーンが全くないのを改めて感じた。せいぜいカンナのパンティ姿があるだけで、エロとか恋愛とかなくても物語は成立するものだ。でも、自分的には、ケンヂとユキジを結び付けてやりたかったし、カンナも恋愛の一つがあってもよかったのではなかろうかと個人的には思ったものだ。ここら辺のシーンがあるかないかで、また違った物語の広がり方があったのではなかろうかとフト思ってしまった。まあ歴史にもしは無しなので、これはこれでよかったのかもしれない。でも、おじさんおばさんになっても未来の展望はあるからね!
『20世紀少年』から 『21世紀少年』になっても、未来は続く。それどころか『22世紀少年』『23世紀少年』になっても、世界は続いていく。そしてそこには、いつもケンヂがいて仲間がいて、友情の戦いがあることを自分は信じている。
