心配事の9割は起こらないは虚言 | GLORIOUS MEMORY

心配事の9割は起こらないは虚言


アメリカにある大学の研究によると、心配事の79%は実際には起こらず、残りの21%のうち16%の出来事は、事前に準備をしていれば対処が可能である。結果、心配事が現実化するのはたった5%程度であり、95%は実際には起こらないという結果を導き出したという。

「心配事の9割は起こらない」

こう言われると、誰もが「1割は起こるけれど9割は起こらない」と解釈するでしょう。しかし、それは虚言です。その理由を真理(宇宙の道理)に基づき、私が分かりやすくご説明致しましょう。

量子力学的に、人間の「思考(想像力)」「言葉」「行動」が一致すれば、物事は現実化(具現化)します。その「引き寄せの法則」の本質を実際に身体で理解(実感体得)している人は、95%の潜在意識によって見抜き的中してしまう。つまり、本質的には本人の潜在意識によって「起きる」か「起きないか」のどちらかであって、「起こる起こらないの割合」など存在しないのです。

例えば、俳優が舞台本番に立つまでの負に働く緊張を取り上げましょう。この現象は、あらゆる心配事(不安要素)があるから緊張に支配される訳です。私は、プロ志望の生徒に厳しくこう指導しています。

・業(ごう)と欲に執着しない
・他人と己を比較しない(他人の時計を見るのではなく自分の時計を見る)
・情報の過剰摂取をしない

物事が起きる全ては、必然(神の領域)であり、原因があるから結果がある。負に働く原因の源は、正に働く「想像」ではなく、上記を先取りした「妄想」によって全て己自身が創造したものである。

「想像」と「妄想」は全く異なります。前者は、「五感」の刺激によって過去に実体験した実感(知覚)をもとに思い描く行為です。後者は、勝手に全くの未体験をまるで起きたかのように信じ込む行為です。
想像は、正の感情によって心を豊かにするが、妄想は負の感情によって心を貧しくする。しかし、何事も全て「表裏一体」ですから、決してそれらを切り離すことはできません。両方のバランスが大切なのです。

「呼吸法に始まり呼吸法に終わる」

あらゆる心配事(不安要素)の要因は、己自身です。妄想という呪いに縛られないためには、常に「気づきの呼吸」と言って、呼吸法に集中することです。何かに執着する心の乱れ=呼吸の乱れだと早く気が付き、邪魔な執着心は潔く捨てることです。

人間は、真理(宇宙の道理)ではなく常識(情報の過剰摂取による洗脳)に捉われた社会の中、「思い込み」と「錯覚」で生きています。それらは皆、人間の「業(ごう)」と「欲」の塊です。人は、そればかりに執着するから煩悩に振り回され、「今この時(現在)」を見失ってしまう。
過去も未来も頭の中の「幻想」でしかなく、今この時(現在)への集中の積み重ね(努力と修練)だけが、過去と未来の自分を創造するのです。
それを実現するためには、自分の弱さとしっかり向き合い、全てを受け入れ認めることで精神力を強くする必要があります。つまり、自我を忘れず自己超越する=自我意識(自意識)を確立させることです。ヨーガ哲学、即ち古典ヨーガの根本経典『ヨーガ・スートラ』です。結局は、そこに行き着くのです。

島倉 学