アニメ映画「ルックバック」を観てきました。
絵や漫画を描く人には「刺さる」と言われている本作品。
いろんな漫画家やクリエイターの方がこの作品が漫画で発表された時にXなどで反応していたとのことで、趣味絵描きである私も気にはなっていました。
絵を描く友人は2回、3回と観に行っていると言っていて「そんなに良いのか〜」と思って興味を持ったので行きました。
観終わった感想としては、心に刺さる人はすごく刺さると思うし私も学生時代や20代の頃に観ていたらものすごく感銘を受けたんじゃないかなと思いました。
話がそこまで刺さらなくても絵がすごく綺麗で、最近のアニメって本当にクオリティがスゴイ。
線や色や動きも音楽も、綺麗で、これが今風なのだなあ…と思わせられた。
昔の、全部手でセル画を描いていた時代のアニメも大好きですけども。
最近は歳のせいか、素晴らしい作品を見ると「このようなスーパースペシャルクオリティのものを作っている人たちにちゃんと利益は還元されているのだろうか」ということをよく考えてしまうようになり、アニメーションの製作者にたくさん還元されていてほしいと思うばかりです。
昔はアニメーターはバイトを掛け持ちしないと生計が成り立たないという話をよく聞いたので、もし今でもそんな状態なら業界が衰退するだけですから。
ここからはストーリーについての感想です。
藤野が京本を連れ出したから結果としてあんな事件に巻き込まれることになった、って藤野は言うけど、それはそうなのかもしれないけど、京本を連れ出さなかったら藤野は漫画家にならない人生を送っていただろうし、藤野本人の人生も藤野が言う「面白くない人生」になってたんじゃないかな。
京本にとっては藤野は自分の人生を導いてくれた光のような存在で、藤野は京本がいなくても生きていける人だろうけど京本がいないと人生の色づきが違うんだろうな。
自分が京本を外に連れ出さなかったら、京本が美大に行くのを止めていたら、って藤野はずっと思い続けていくのかなあ。
物語はなかなかの急展開で端的に言うなら「救われない悲劇の話」だと思うけど、観終わった後に二人の関係性について甘酸っぱく美しく、感傷的な気持ちになるのは映像と見せ方と音楽が繊細で綺麗だったからかなあ、と思いました。