日報・シマコ

日報・シマコ

演劇のある豊かな暮らし

中嶋悠紀子(ナカシマユキコ)
関西で演劇創作をしています。
「プラズマみかん」主宰・劇作・演出・俳優
特定非営利活動法人ワークショップデザイナー推進機構認定ワークショップデザイナー
C.T.T.大阪事務局局員、劇作ユニット野菜派


【今後の活動】
◎作・演出・出演
2020年10月9日~11日
プラズマみかん第11回演劇公演
「ワーニャのパンツと洗えない」
伊丹アイホール

照れ2021年の活動チュー

 

【1月】

・ビッグ・アイオープンカレッジ演劇クラス 講師

・DANCE DRAMA「Breakthrough Journey」アシスタント

・高校特別非常勤講師(以下省略)

・高校演劇部コーチ(以下省略)

 

【2月】

・なし

 

【3月】

・K-EN神戸高校演劇舞台技術講習会 舞台・制作講師

・アイホール高校クラス劇アウトリーチ 講師

・高校演劇大阪F地区持ち寄り企画「409」コーチ

・(メンタルヘルス・マネジメントⅢ種・Ⅱ種 合格した!)

 

【4月】

・アイホール高校クラス劇アウトリーチ 講師

 

【5月】

・バグ男子おしゃべリ―ディング「ユッカ」執筆・稽古

・アイホール高校クラス劇アウトリーチ 講師



 

【6月】

・プラズマみかんの演劇上映会「ワーニャのパンツと洗えない」@劇団アジト

 

【7月】

・プラズマみかんの演劇上映会「ワーニャのパンツと洗えない」@鈴蘭台LEGATO

・「バグ男子おしゃべリーディング〜テーマは歯みがき!フレッシュミントの香りを添えて〜」(配信)@Cafe&Bar PLACEBO

・HPF講評委員



 

【8月】

・アイホール高校生のための戯曲講座2021 講師

・「#アイホールと私」のラジオ収録

 

【9月】

・ビッグ・アイオープンカレッジ表現のクラス「羊とあの空の向こう」アシスタント

・アイホールの存続を望む会

 

【10月】

・ビッグ・アイオープンカレッジ表現のクラス「羊とあの空の向こう」アシスタント

・アイホールの存続を望む会

・大阪府「ともいき 第17回ともに生きる障がい者展」稽古

 

【11月】

・ビッグ・アイオープンカレッジ表現のクラス「羊とあの空の向こう」(配信)アシスタント・出演

・アイホールの存続を望む会

・大阪府「ともいき 第17回ともに生きる障がい者展」(配信)出演

・高校演劇コンクール地区大会 「キャンディーデス。」コーチ

・ビッグ・アイオープンカレッジ演劇クラス 講師



 

【12月】

・ビッグ・アイオープンカレッジ演劇クラス 講師(ダンスクラスアシスタント)

・プラズマみかんの次回公演に向けての打ち合わせなど


 

 

今年は妊活の1年にするつもりで、大きな公演はせず、負荷の少ないもだけを選んでの活動になりました。最初は短期間でなんとかなるだろうと踏んでいた妊活はあれよあれよと不妊治療へとステップアップして長期戦に。

 

特に悩みが多かったのが仕事のやりくりで。通院回数が多いとか、排卵スケジュールに合わせて動かなければならないとか、決められた時間の投薬や自己注射がたくさんあったり。代わりのきかない仕事は受けられないし、周囲に迷惑を掛けてしまうという引け目で相談出来なかったり。医療費10割負担で高額治療となると働かない訳にもいかず、苦労している割に結果が伴わないので落ち込んだり…でもクリニックに行くと、待合室でパソコンとスマホを持ってバリバリ仕事をしている人がたくさんいる。みんな何かに堪えながらここにいるのだ、と、いつもと違う世界線で生活をしていたように思います。

 

良かったことは、夫がとても協力的で、色んな話をするようになったことでしょうか。在宅勤務で家にいる時間が増えたこともかなりプラスになったと思います。この先のことは分からないけれど、このプロセスを経るのと経ないのとでは、夫婦の関係が全然違っていたものになっているんじゃないかと。それは前向きに、良かった。

 

友人に、長期戦になる場合はあまり色んなことを我慢しすぎるのは精神的に持たなくなるので、なるべく普段通りの生活をした方が良いと言われたので、来年は劇団の活動を再開しようと思います。もちろん出来ること出来ないこと、制限は結構あるのですが、どんなライフイベントがあっても演劇を諦めなくていいようにと、数年前から準備をしてきました。長い演劇生活、色々あるし、こんなこともあっていいのだと思います。

 

ここにきて、劇を作る欲求、というものに改めて立ち返っています。この欲求、というものは、自分の内側からふつふつと沸き起こってくるもので、必ずしも周囲の人の「ため」には向かっていません。自身でコントロール出来るものではないと思っています。

 

アイホールの問題で、私も存続を望む者として、幾つかの取り組みに関わりました。会を終えた今、思うことは、この劇を作る(表現への)欲求を、一人の人間として尊重してもらえなかったから、私は納得がいかなかったし、悲しかったのだろうな、と。

 

市民説明会の中で「市民への還元出来ていないことは、演劇界の課題である」という旨の発言が伊丹市側からありました。私はこの発言にとてもモヤモヤしていて、そのことをずっと反芻しています。

 

例えば私の(表現への)欲求は、周囲の誰かの「ため」にあるのではありません。ただ、上手く繋げて活用することは出来るかもしれません。そのためには、表現をする人と、市民の「ため」になるように活用する人と、それを受け取る人と、三者が手を取り合う必要があると考えます。しかし、「演劇界の課題」と言われてしまった。一方的な課題とされてしまったこともそうですが、そもそも演劇界って何だろう??「演劇界」(劇団や表現を仕事にしている人)と括られてしまうことで、表現に対して欲求を持つ一人の人間が、議論の土俵から弾き出されてしまったような、そんな疎外感を感じてしまいました。

 

市民に向けて何が出来たか?出来るのか?という話はこの数ヶ月活発に行われたけど、一方で、人間の、根源的な、誰もが持つ「表現への欲求」にまで触れて議論をするところまで至りきらなかったし、自分も目の前に突きつけられた課題に精一杯だった。これはコロナ渦の文化芸術活動についても同じことかもしれない。なので、ここからは、根源的なところに、もう少し根を下ろしていきたい、というのが、正直な今の気持ちです。誰のためでもない、自分の欲求がまず根本にある。それがあるから枝葉が広がるのだと。

 

改めて、根本を作っている劇団というものは自分にとって大切な場所であるか。居場所となる劇場が大切な場所であるか。小さいし、商業的なものとは切り離されているけれど、劇団がある意味を噛み締めながら、2022年があると良いなと思っています。

 

一年間、ありがとうございました。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。




前回書いた、「#アイホールと私」の話。

周囲のやっちゃいなよ!という後押しもあって、ラジオを作ってみることにしました。

 

Twitterで集めた「#アイホールと私」の投稿を全部チェックして、ざっくり5つのカテゴリーに分類。演劇人だけでなく市民の方の声も聞いてみたい、というのは自分の強い拘りで、急遽企画書書いて、構成台本作って、オリジナル音楽もオファーして、周囲の協力も頂きながらゲストにお声掛け。

 

8/20の署名の締切に向けて、8/13に決定、8/15に5本分収録してそのまま第1回を公開するという、とにかく勢いで走りました。

 

収録は東大阪にあるプラズマみかんの劇団アジト。ゲストの皆さんとはZOOMで繋いで収録しました。編集は全てプラズマみかんのせせらぎよし子。アジトが大通りに面していて騒音が入ってしまうことや、ZOOMの接続環境などで若干聞きづらい部分もありますが、スピード優先ということで大目に見てもらえると嬉しいです。慣れない喋りや進行含め、素人っぽさ満載の完成度も気に入っています。

 

 

 

📻「#アイホールと私」の、ラジオ

おしゃべりする人:中嶋悠紀子・せせらぎよし子(プラズマみかん)

 

【第1回】〜アイホールってどんなホール?演劇専門ホールの魅力に迫る!〜

概要:アイホールの演劇ホールとしての専門性を語る回。いわゆる客席があって、プロセニアムアーチがある空間では無い、空間が持つ創造性について語ります。

 

 

 

【第2回】〜アイホールと高校演劇〜

ゲスト:前田さん(県立伊丹高校演劇部OG)

概要:高校演劇の話を中心に語る会。アイホールは中高演劇部に向けた演技や舞台技術のワークショップや戯曲講座などを多数開催している。中でも「アイフェス」という演劇上映会は、中高生にとって特に思い入れのある企画で、他地域の憧れでもある。学校の垣根を超えて、真剣に舞台で遊ぶ大人と関わることで得られたものとは??

 

 

 

【第3回】〜伊丹の暮らしとアイホール〜

ゲスト:元木孝紀さん(伊丹市在住・会社員)

概要:子どもに演劇を学ばせたいとふらっとアイホールに入ったら、自分が観劇にハマってしまってしまい、そのまま戯曲講座に通って作品を上演するまで至ってしまった元木さんのエピソードを軸に、伊丹の暮らしと子育て、アイホールとの関わりについてお喋りします。

 

 

 

【第4回】〜伊丹っ子サーモン計画〜

ゲスト:津久間泉さん(伊丹市在住・県立伊丹高校演劇部OG)

概要:伊丹で演劇を学んだ高校生たちが、その後どうなっていったのか?について語る回。津久間さんの伊丹愛が止まらない!劇場がすぐ近くにあることも、伊丹を愛する魅力になっている!?その他、演劇で身につけたものを暮らしの中でどう活かしていくか?演劇で防災を考えたいお話など。

 

 

【第5回】【最終回】〜舞台と客席の間で何が起きているのか?〜

ゲスト:中村ケンシさん(伊丹市出身・劇作家・演出家・空の駅舎)

概要:演劇は観るものではなく、「体験」するもの。この「体験」の正体は何か?この回は「演劇」が他のものと置き換えることの出来ない特性や、なぜ「演劇」でなければならないのか?という理由を探っていきます。

 

 

 

この一ヶ月、最初は演劇人だけで大騒ぎをしていたのが、少しずつ、市民に知ってもらうことやこれまでの取り組みを改めて市民のみなさまと共に振り返る、という動きになってきていて、その中で私が最初に出来ることとして取り組んでみたことがこのラジオでした。公開から少し時間が経ちましたが、これをきっかけにまた色んな方と話をするきっかけにもなっているので、やって本当に良かったなと思っています。

 

私も毎日色んな人の言葉を聞いて、気持ちがグラグラしたり、考えがブレたり変化したりを繰り返しています。きっとこれは当分続くのだろうなと思います。だけど、知ってもらって、話をするからこういうことが起きる。それは知らないで進むより、議論せずに結論を急ぐより良い傾向だと思っています。私たちだってただ存続を訴えている訳ではなく、どうすれば良いのかを考えたいと思っています。早急な対案が必要じゃないか?と感じた時期もあります。でも結局それも「演劇人だけが自分たちのことだけで騒いでいる」になってしまう。ここも市民の皆さまと共に、である必要がある。しかしそれには時間が必要です。もう少し議論の時間が欲しい。考える「時間」が欲しいという訴えをしています。

 

今は市民の会やOB・OG会も出来て、少しずつみんなで考えようという「うねり」が出来ています。僅か一ヶ月半でここまで繋がることが出来たことに大きな手応えを感じていますし、この繋がりに未来の大きな可能性を感じています。微力ながらも参加して良かったと感じています。今はとても前向きな気持ちです。

 

 

 

 

松本謙一郎さんの呼びかけで始まった「アイホール作戦会議」

 

こちらに参加する中で、アイホールに関する思い出やエピソードを自由に語ってもらう場を作ってみるのはどうか?という意見が出たので、有志で始めてみることにしました。

 

アイホールのことを色んな人に知ってもらうと共に、自分たちにとってアイホールがどんな場所であったのかを改めて振り返ってみる場にしたいなと。ゆるーく、たのしーく参加出来る場があってもいいんじゃないかと。空の駅舎の河本久和さんも水面下でめっちゃ動いてくださっています〜。

 

始めて一週間、本当にたくさんの方が呟いてくださって感謝の気持ちでいっぱいです。

深夜ラジオの投稿のようで、昔ハガキ職人をしていた自分としては、興奮が止まりません。

ラジオ出来ないかなぁ…。

 

せっかくなので、Googleフォーマットからも投稿できるようにしました。

Twitterをやっていなくても、自分のアカウントで発信しなくても、140字で収まらなくてもOKです。

 

◎「#アイホールと私」投稿フォーム

 

 

アイホールのご近所「クロスロードカフェ」では寄せ書きノートを用意して頂きました!

(イラストは私が描きました〜)

 

 

アイホール作戦会議の有志のみなさま、クロスロードカフェ、アイホール存続を望む会の協力で、頂いたメッセージは展示やインターネットでの公開を予定しています。(ラシオも捨てがたい…)

 

人とわいわいやっていると楽しくなってくるもので。(ケーキもあるからご機嫌だ!)

問題そのものは簡単ではありませんが、せっかくならば楽しみながら考える機会が持てればいいなと思っています。

 

よろしくおねがいします〜!!

 

◎クロスロードカフェ

 

 

〒664-0851 兵庫県伊丹市中央3-2-4

072-777-1369

 

 

 

 昨年10月に私たちが「ワーニャのパンツと洗えない」を上演した伊丹アイホールが今、存続の危機を迎えています。

 

いま、兵庫県伊丹市は、伊丹市立演劇ホール「アイホール」の演劇やダンスだけでない使い道を探るため、民間企業からのアイデアを調査しています。演劇以外のアイデアが選定されると、演劇専用ホールとしてのアイホールは事実上閉館となってしまいます。既に民間企業からクライミング施設にするという提案もあり、2021年9月の議会で検討され、新たな事業募集が始まればもう後戻りは出来ません。

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【参考】

①アイホール存続を望む会

https://aisonzoku.com/

 

②伊丹アイホールをめぐる議論(小松原織香さん)

https://blogos.com/article/550930/

 

③考える手(松本謙一郎さんブログ)

https://thinkinghand.blogspot.com/p/blog-page_25.html

 

④関西の小劇場拠点アイホール、伊丹市が用途転換検討 存続へ署名活動(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20210720/k00/00m/200/106000c?fbclid=IwAR2tL5yPoD4gX9yAukemmJjHRSfY0gEacfakPiswH7H837GxkB5PbaSFulk%E3%80%80

 

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 私たちは今、アイホールの存続を望む者の一人として、署名の呼びかけや、話し合いの場を持つための取り組みに関わっています。

 

 アイホールの演劇専門ホールとしての機能の素晴らしさや、例えば小中学校へのアウトリーチや市民参加型の講座やワークショップ、演劇鑑賞機会の提供など、地域に向けた数々の事業とその成果は、全国の文化芸術関係者が羨むほどです。関西でこれほどの機能を備えている劇専門ホールは少なく、ここが失われてしまうと、関西ではもう質の高い演劇作品に触れる機会は無くなってしまうと言っても過言ではありません。また、これほどまでの取り組みをしている公共施設を、採算の問題ひとつで廃止してしまう事例が出来てしまうと、今後、全国の公共施設も同じ道を辿ってしまう可能性が高まってしまいます。劇場に限らず、博物館や図書館、児童館やプラネタリウムだって例外ではありません。

 

 私たちは学生の頃に劇場で演劇に出会い、演劇に居場所を見出し、劇場に育てて貰って今があるので、演劇で劇場に恩返しをしたいという思いがあります。しかし、今後も演劇を続けていくためには、演劇のことだけを考えていれば良いのではなく、演劇をやっていない人たちのことも共に考えていく必要があります。

 

 今回の件に関わることで、実際に伊丹の住民の方とお話をする機会が増えました。文化芸術は伊丹にとって大切なものだから無くなったら困るね。協力するね。と応援してくださる方もたくさんいらっしゃる一方で、私たちが思っている以上に、アイホールの置かれている状況はおろか、これらの成果に対して関心を持たれていないことが分かります。演劇と関わったことがある人と、そうで無い人に対しては、アイホールの見え方が全く違うということを思い知らされます。

 

 演劇と関わったことの無い多くの人は、「お金にならないものは無くしたらええやん」「演劇なんかやっても役に立たんやん」「アイホールって何やってるか知らんし」と思っている人が多いようです。しかしそれは、議論や検討を重ねた上の意見ではなく、「知らないから」ということが大きいように思います。

 

 突然ですが私は東大阪に住んでいます。東大阪には花園ラグビー場があり、「ラグビーのまち」として街づくりを計画していますが、私はラグビーをやらないし、ラグビー場にも行ったこともありません。ラグビーで何か恩恵を受けたことも思い浮かびません。もし、儲からないラグビー場を潰して大型ショッピングセンターを建てる、という話が出れば、賛成したくなるかもしれません。しかし、ラグビーは東大阪の観光資源になっていることや、そこで多くの子どもたちがラグビーを楽しんでいること、選手と市民の交流があることを知れば、応援するかもしれません。実際に私たちは花園ラグビー(の近くの弁当工場)を舞台にした演劇をに市民演劇祭で上演したことがあり、調べていく中でラグビーでの街づくりを応援したいと思うようになりました。自分と生活の範囲が違う人と出会い、知る、ということはまちをイメージする上で非常に大切なことなのだと実感しています。

 

 多くの人が喜ぶものや、お金になるものを優先して建てよう、ということであれば、大型ショッピングセンターと家電量販店ばかりを優先的に建てれば良い、という話になってしまいます。果たしてそれで良いのでしょうか?大阪のミナミは、外国人観光客から儲けることを最優先して、ドラッグストアと家電量販店ばかりの街になりました。精華小劇場を潰して建ったエディオンの周りにはビッグカメラとジョーシン、ヤマダ電気が立ち並んで既に飽和状態になっており、でんでんタウンの個人商店はほとんどなくなっていました。これは本当にミナミで暮らす人が望んだ姿だったのでしょうか?今でも考える時があります。

 

 私たちは、自分たちが暮らすまちがどうあるべきなのか、よく考える必要があります。

そして自分の見えているものの範囲で考えるだけでは不十分で、様々な立場の人が集まって、よく話し合う必要があります。

 

 今回の伊丹の件で言うと、伊丹市民と、伊丹市政、アイホールを運営する財団と、アイホールを利用している演劇人が、よく話し合ってこなければならなかったのです。しかし、そこが上手くいかず、結果市政が市民に説明をせずに進めてしまう体質が出来上がってしまった。それぞれに課題があったと、自分も当事者の一人として考えなければならないと思っています。

 

 だから仕方ないね。アイホールのことは諦めよう…ではなく、むしろこれをチャンスにしたい。

 

 今回の件をきっかけに、アイホールの存続を望む会や、存続を望む伊丹市民の会、高校のOB・OG会など、様々な市民団体が発足し、対話をする場が出来ました。これをきっかけに継続的な対話の場を作り、市政が独断で進める体質から、市民の声が反映される体質へ変化して欲しい。もしかしたらアイホールも、想像もしなかったとんでもないアイデアで盛り返すことが出来るかもしれないし、逆にやっぱりいらない、という結果もあるかもしれません。対話と議論の末に出された結果だとしたら、私たちも受け止めて次の方法を模索するしかありません。しかし今はあまりにも説明が無く、廃止ありきで話が進み過ぎている。それは利用者にとっても、市民にとっても、健全な体質であるとは言えません。まずは知り、意見を交わし、検討する機会を設けて欲しい。アイホール存続、◯or✕の前に、まずはそれを、市民のみなさんと共に要求していきたい。そのための署名運動を進めています。

 

現在の私の考えを素直に書きました。サウンディングの結果が出るのは9月。時間がありません。まずは検討の時間を求めるために、署名をお願い出来ませんか。

 

◎署名のページ(8月20日まで)

 

https://aisonzoku.com/

 

◎望む会活動への寄付などもお願いしています。

https://aisonzoku.com/%e5%af%84%e4%bb%98%e3%81%ae%e3%81%8a%e9%a1%98%e3%81%84

 

 私は伊丹市民ではありませんが、劇団の公演だけでなく、アイホールの事業に多数関わらせて頂いています。私は将来的に子どもを持つことを望んでおり、時期尚早かもしれませんが、将来どこで子育てをするのか?東大阪で良いのか?という話もよく議題になります。もし、伊丹のまちが小さき声にも耳を傾け、切り捨てずに過ごせる可能性を示してくれるのであれば、伊丹も居住の候補になるかもしれません。もしくは、そのモデルを、東大阪にも応用して欲しいと求めるかもしれません。芸術家が上から目線で支援しろ、と言っているのではなく、市民の一人として、自分のことも大切に扱ってもらえると嬉しい。単純に、そういうことを求めています。

 

直近の公演が無いということで、大学時代の教材や恩師の本を読み返している。

 

私は大学の4年間で、学んだことを自分のものに出来なかった、という後悔がある。

 

私の通った大学は何かひとつの演劇メソッドを4年かけて学ぶ、というものではなく、様々な出自の先生と、様々な方法で4年間、芝居づくりを試みる。

授業によっては4年間ほぼ同じ先生に当たることもあるけれど、ほとんどの作品実習は1年毎に教員が変わる。私の場合は1年で小劇場系、2年で新劇、3・4年はルコックの先生に当たった。そもそも日本の芸術系の大学ではひとつのメソッドを徹底して教え込むものはなく、どこの大学も実績のある俳優や劇作家や演出家を置いて、それぞれが独自の方法で授業を進めている、という感じだ。良く言えば偏り無く幅広く色んな演劇を学べる。恐らく学部の狙いはそこにあると思う。しかし、悪く言うと、全てがつまみ食いで終わる。4年間をどう過ごすかは自分にかかっている。(…というのは恐らくどこの大学でもどんな学部学科でもそうなんじゃないかって思うけれども!)

 

私について言えば、朝9時から18時くらいまで授業を受けて、時にはマクドナルドとスナックでアルバイトをし、夜は10時まで稽古をする。合間の時間は図書館で寝るか、レポートを書くか、裏方の作業。座学は決して興味が無かった訳ではないけれど、よく力尽きて寝ていた…。

 

演劇もダンスも、作品づくりもスタッフワークも、並行して始めた劇団活動も、どれも自分なりに全力投球していたのに、そこで得たものが自分の中で繋がっていかない。もちろんかけがえのない青春時代を過ごすことは出来たけれども、新しいことを知れば知るほど、私はどんどん自信を無くしていった。最後の戯曲創作法の授業で、恩師に言われた言葉が忘れられない。

 

「中嶋さんはこの4年間、新しいことを自分の中に取り入れようとした結果、全部中途半端で消化不良起こしたでしょう。正直、入学して最初に研究室に台本持って来た時が一番面白かった。」

 

 

でも、返す言葉が無いくらい、私の4年間は、とても中途半端に終わってしまったと思う。

 

かといって就職する用意も出来ず、ただただ不安を抱えたまんま、20代。学生じゃない人と芝居を作ると、また新たな頭の混乱が訪れる。昭和体育会系の考え方と、共生社会の間で、パワハラやセクハラに悩んだりする。今思えば、学生時代を不安いっぱいで終わっているから、自分は駄目なんだ!厳しい環境に身を置かなければ!と、自分からハラスメントに遭う現場や状況を無意識に選んでたんじゃないか?って思う…。変態スパイラル。

 

ぎりぎりなんとか踏みとどまって、30代。失うものは失って、やれることしかやれないと悟り、色々削ぎ落とされてやっと、「演劇楽しいな」が戻ってくる。大学卒業して10年。幸い、この当たりから、「学生と演劇をする」機会に恵まれて、授業とか講義があって、「なんとなく」は使えなくなって、何が分かっていて、何が分かっていないのか?っていう頭の整理をする必要が出てくる。

 

で、今。消化不良を起こしていたことを、改めて。

十数年分の経験も積み重なって、学生の頃よりは色んなことが理解できるし、理解できないこともわかる。正解はひとつでは無く、層のように存在している。今、どの層の話をしているのか。俳優はギアを都度切り替えて対応していく必要があるんだろう。恩師の言っていたことが少しずつ紐解かれていく。

 

今思えば、私はあまり学校で上手くやれないタイプだったんだろう。同じ条件で人が集められて比べられる環境が苦痛で、先が不安だから色んなことをやって安心したい。(興味を持って意欲的に取り組みたい気持ちも本当)で、忙しくなる。忙しくなると効率良くやろうとするし、ショートカットしたくなるし、正解を探したくなる。遊び心がなくなるし、自分で問いかけなくなるし、その場限りになる。知識入れなくなる。人に評価されることばかり考える。嗅覚鈍る。クリエイティブじゃなくなる。どんどん狭まっていく。不安になる。の、繰り返し。

 

学生時代の上手くいかなさって、結局これだったんだろうなって思う。

 

長いこと落ち込んでいたけれど、でも意外にそういう人は多いかもしれないし。結局、あの時もっと勉強しておけばよかったな…なんてのは、大人になれば多くの人が思うんだろう。みんながみんな、学生時代で完結出来ないよね。足りないと思った時に、学び直しの機会が持てるといい。学ぶ→経験する→学び直すのサンドイッチが出来れば絶対に深まる。今はオンライン化が加速して、何かを学び直したり、始めたりするハードルは下がっているし、選択肢も増えている。

 

不都合はたくさんあるし、今が良いなんて絶対に無いけれど、公演が無いからといって、少なくとも、自分の時間は止まっていないぞと。若かりし頃の自分にエールを送る。