倦怠感 | 島川はり灸院(院長ブログ)

島川はり灸院(院長ブログ)

堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。
今日は倦怠感についてです。
現在、私の治療院でも倦怠感(身体がダルい、しんどい)を訴えて来院され

ている患者さんが2人おられます。

そして、2人共に共通しているのが「湿邪」が原因している倦怠感であります。

さて、この「湿邪」ですが体内に蓄積してしまうと気血の産生を行っている脾

胃の働きに障害が生じてきます。

結果、「食欲低下」「倦怠感」「関節の病」などが出現いたします。

ここで、「倦怠感」になる原因を紹介いたします。

 

1、体質的に於血(体内に滞っている血液)体質の人。

1、体質的に胃腸の働きが弱く食べた物が正常に消化吸収されず栄養の運

  搬がスムースに行われていない人。

 

2、自分の能力以上の事をする人(頑張り過ぎ)。

2、七情の乱れ(精神や感情の乱れ、ストレス)。

 

上記の1に当てはまる人の多くは生まれつき体力がありません。

消化吸収や栄養素を産生する脾胃が弱っているからです。

漢方診断では血虚湿(陽虚)に属する人です。

 

一方、上記2に当てはまる人は筋肉や精神の疲労が重なり血液を消耗し過

ぎてしまう場合です。 肝の陰血虚湿に属します。

結果、「倦怠感」の他に睡眠障害や眼の疾患、筋肉の疾患などの随伴症状

があります。

つまり、上記1の人は体質的に「倦怠感」を患いやすいと言えます。

ですので普段からバランスの取れた食事(五味)を心がける事が肝要です。

特に苦味の食材(ピーマン、青汁、ラッキョウ)を少し多めに摂取して血流を

増やし脾胃に湿が滞らないようにしておくべきでしょう。

上記2の人の場合は何事も無理をしないことです。

体質的に陰血を消耗しやすいので苦味の食材を気持ち多めに摂り肝の陰

気を蓄えておくべきでしょう。

以上が私がこれまで診てきた「倦怠感」の原因、病理になります。

鍼灸で「倦怠感」が改善し元気になられる人もいればそうでない人もいます。

改善される人の多くは上記1と2の病理状態であり「倦怠感」だけではなく「眼

の疾患や睡眠障害、筋痛、消化器の病(便秘や食欲低下)を必ずお持ち

です。 

前述したことに当てはまる人の「倦怠感」は鍼灸の適応症だと言えます。

おしまい。

 

 

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