クリントイーストウッド主演の西部劇、荒野の用心棒。それにかこつけて日本の配給会社が勝手に名付けたのが「続・荒野の用心棒」。両作品の間にはなんの関連もない。


この「続」、原題を「Django」という。ジャンゴはその特異なキャラクターゆえにか商業的にヒットしたせいか、派生キャラクターがいくつも作られた。日本でも「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」という冗談みたいなインスパイア作品がある。ちなみに日本人が演じる日本映画でありながら台詞はすべて英語。そして主題歌は北島三郎が歌っている。


主人公であるジャンゴは乾いた砂漠ではなく泥濘路を棺桶を引きずって歩く。誰が入っているのかと聞かれたら「友達だ」と答える。その実態はベルトリンク給弾の機関銃。赤頭巾を被ったエキストラを薙ぎ倒し、いろいろあって沼に捕まりリンチされ、最後は墓地の十字架を縦に6連発のコルトシングルアクションアーミーで7連射し悪代官を倒して去っていく。

機関銃は水冷のバレルジャケット風の筒にいくつも銃口が開いた謎のスタイルで、銃身の過熱を防ぐという意味ではありかもしれないが構造的にはあり得ない。しかも手持ちで撃っている。フランコ・ネロは常人の体型で火力を落としたミニガンを手持ちで撃つシュワルツェネッガーとはかなり違う。


しかしこの映画の見どころはそこにはない。日本語吹替版にこそ真髄がある。

途中までは無敵のガンマンは小林清志。日本人の拳銃遣いで彼の右に出る者はいない。最後に彼を追い詰める悪役に大平透。あのねっとりした声が泥まみれの背景にめちゃくちゃ合う。この二人はガンマンと大統領補佐官として映画ルパン三世でも対峙している。

下品なヒロイン?に来宮良子。これがまた顔にぴったり合っている。メキシコ人は江戸弁を話し、裏切り者の神父は耳を切り取られて口に押し込まれる。

あっちこっちのテンプレートが散りばめられ、昭和の名優が命を吹き込む。これぞご都合主義。

エンディングテーマは英語版でなくイタリア語版で聴くことをお勧めします。




ほんとねえ、ひどい男なんだよジャンゴ。

カネに目が眩んで裏切って制裁受けたら愛に目覚めるの。白人様はさすがだわ。

勝つか死ぬかだ、と言って悪代官にやられちゃう江戸弁喋るメキシコ人の将軍の方がよほど潔い。


謎に感動するけどね。

ラストの7連射はマジこれどうしてくれんの、って感じ。みんな真面目に演じて見てる方も引き込まれてんのにどうしてそこで7連射?弾が切れない自動拳銃ならまだ気がつかないふりができても、ファニングで7連射はちょっと好きなら嫌でも気づく。


名作です。

わたし確か幕張のどこかのワゴンセールでDVD買いました。フランコネロはどうでもよくて小林清志と大平透で買ったw