私なりに今思う 地方創生 | 公務員 島田正樹 〜仕事と私事と志事と〜

公務員 島田正樹 〜仕事と私事と志事と〜

仕事も家族・友人との私事も楽しみながら、魂を燃やして挑む“志事”で社会を変えていきたい! 地方公務員として働きながら、NPO活動、講演、執筆、ワークショップデザイナーなどに取り組む“公務員ポートフォリオワーカー”として活動しています。

たまには仕事に関連する話題も。
(あれ?でも、よく考えたら
 昨日の記事も職場の話ですね・汗)


昨日の記事は、仕事の内容というよりは
所属する組織のお話でしたが、
今日の記事は組織のミッションである“地方創生”の話。



福井県大野市の地方創生の事業に
大野へかえろうプロジェクト
というプロジェクトがあります。


このプロジェクトは
大野市の地方版総合戦略にも定められ、
総合戦略上は「新しいひとの流れをつくる」という
施策群に位置づけられたIJUターンの促進のための
事業の一つです。

市の総合戦略を読むと分かるのですが、
この事業、総合戦略に書いてある内容だけでは、
それほど特徴のある施策には見えません。



ですが、このプロジェクトのHPで
大野ポスター展 と
楽曲プロジェクト 
の動画を観て、

これが地方創生だよな~

って、心が動きました。


大野へかえろうプロジェクトHP
http://www.return-to-ono.jp/




地方創生では、
地域の人口減少対策の一つとして、
如何に若い世代にその地域を選んでもらうか
ということが施策のテーマになりがちです。


働く場所や住環境、子育て環境で
住民を呼び込みたい、
若者に残ってもらいたい

というのは、もちろん間違いではないのですが、

どれくらい稼げるのか
どれくらい便利なのか
どれくらい育てやすいのか


そういった質の高い低いでの比較において
他の地域に勝とうとする戦略です。


もちろん戦略ですから、
それが有効に働く地域もあると思います。



しかし、この大野市の
大野へかえろうプロジェクト は
同じ戦略を選びません。



対象は、高校生。

進学するにせよ、就職するにせよ
その多くが卒業を機に街を離れる彼ら。


その彼らに、
仕事も喧騒も出会いもある都会と
生まれ育った地元とを
比べさせ、選ばせるのではなく、


広い世界に出るといい
いつでも大野は待っているから

※『大野へかえろう』(作詞:日下慶太 作曲:松司馬拓)より引用


そう言って、若者の背中を押す
地元の大人たちの大きな手。

その温もりは、
都会の生活で少しシンドさを感じた若者に
きっと地元の空を思い出させるはず。



地方創生は

他の地域と優劣を競って、競り勝つことで
多くの人に居住地として選んでもらうこと

では、無いんだと、私は考えています。



人口減少対策なので、
住む人を増やさなければならない
どうしたら住みたいと思ってもらえるか
と考えるのは素直であり、必然。


しかし、

地方創生というのは、誤解を恐れずに言えば、

他よりも魅力的なココを選び住んでもらうことではなく、
どこでも無い唯一のココを自分の故郷だと思ってもらうこと。


モノではなくてコト
所有ではなくて共有
強さではなくて個性
お金ではなくて経験
成長ではなくて成熟
みんな同じではなくて一人ひとり


そんな社会の中で


東京ではなく地元


そこで暮らしたいと思うこと
そこを好きになることは

政策で誘導することというよりも、
本当はみんながそうありたいと願っていること。


でも、何らかの要因でそれが叶わないとしたら、
その阻害している何かをそっと除くことが、
政策にできること。



もちろん、
生まれ育った街が地元になる人もいれば、
東京こそが地元だという人もいて当然、

何らかの事情で生まれた街ではない街が
その人の地元になることもあるはずです。

私も今住んでいる埼玉県上尾市は
中学3年生から住んでいますが
ずっと私にとっての地元ではありませんでした。

しかし、長女が小学校に入ったことで
私はここを地元だと思えるようになりました。



そういうものなのかもしれません。



ただ単に住んでいる街だった場所を
自分の地元だと思えるようになり、
親しみを持ち故郷だと思えるようになる。

住み続けたくなる
応援したくなる
そこで暮らす人たちのために何かしたくなる



そんな自然な気持ちが育まれるよう
人の気持ちと地域を繋ぐこと

微力ながら、いや、微力なくらいがちょうどいい

その役割を担うのが地方創生という政策であり、
そこに携わる地方公務員や
地域で頑張る様々な主体であったらいいな。

2年間、国のスタッフとして働いてみて、
市役所への帰任を前に、
私なりに思う、地方創生です。



皆さんには、
そこで暮らす人たちのために何かしたい
そんな風に思える街がありますか?