新聞の政治部、経済部の境界線は? 雑誌の政治特集ネタ元を明かす

 

岸田文雄前首相が次期総裁選不出馬を発表したのが8月14日。自民党総裁選は告示(9・12)から投開票(9・27)まで15日間の選挙戦で行なわれた。石破茂総裁が選出され、10月1日臨時国会召集。初日に石破新内閣総理大臣が誕生した。所信表明演説、代表質問、党首討論(予定)を経て、10月9日衆院解散で10月27日投開票となるようだ。首相に就任した日を含め9日間で解散は戦後最短である。

 

政局の政治部、政策の経済部 記者の出世は担当次第?

政治部記者は書き入れ時というか、忙しい日々が続きそうだ。ちょっと社内セクションについて書きたい。政治部と経済部だが、「政治経済」と一括りで言うように、この境界線はかなり曖昧である。大まかに言って「政局」を書くのが政治部「政策」を扱うのが経済部ということだ。政策には必ずカネがかかるため経済部なのだろう。だから取材の重要ターゲットとなるのは、政治部が有力政治家、経済部が事務次官となる。政治部記者は担当政治家の出世と自分の出世がシンクロすることが多い。NHKで、政治部記者と解説委員を兼務され、退局してフリーとなった岩田明子氏がいい例で、故安倍晋三元首相との関係性は有名である。

 

雑誌は新聞記者に取材の間接型、細かいエピソードを狙え

雑誌記者の政治担当は、基本的に素人である。政治分野だけに専念させるほど記者の頭数がいないためだ。仮に専任になったとしても、いわゆる「記者クラブ」に入れないし、政治家も雑誌記者に会いたがらないので、仕事として成立しない。どうやって雑誌の政治記事ができあがるかというと、政治家に接触している新聞記者に取材する場合が多い。業界紙・誌の記者も政治家に食い込んでいるので、こちらも有力なネタ元である。雑誌が本質的なことでなく、細かいエピソードにこだわるのも新聞記事と被らないことを狙っているためだ。

政治ネタを取り上げたければ、編集会議でこういうことをしたいと自ら手をあげれば、「どうぞどうぞ」とダチョウ俱楽部なみに通る。「好きこそものの上手なれ」というか、意欲最優先はどこの出版社でも共通らしい。

 

20年前、私も週刊文春の取材を受けました

また蛇足だが、20年ほど前の話。私はNHK14階の記者溜りに13年くらい常駐していたので、NHK職員と寝食を共にしていたようなものだった。たまにスキャンダルが起きると、週刊文春から電話が編集部にかかってきた。お話を伺いたいということで、NHK東口から歩いて5分ほどの喫茶店でお会いした。30分くらいか。週刊文集記者は掲載紙を郵送してくれ、銀行口座に当時で1万5000円を振り込んでくれた。

業界誌の記者として私を指名してきたようだが、記者クラブの新聞記者にきいたら「文春からの取材を受けるようになったら一人前ですよ」といっていたので、記者の実力の目安にもなっているようだった。

 

いよいよ10月9日解散、27日総選挙投開票。けっこうブレる「石破政権」なのでどうなることやらである。