恫喝疑惑の梁農水相、万事休すで予算委員会突入

 

 内閣最初の更迭はどうしても遅れがち

「自民党のルー大柴」こと梁和生農水大臣がピンチだ。例の道路予算カット恫喝騒動である。これだけ進退が注目されると、野党、マスコミは意地でも辞めさせたいし、本人は意地でも辞めるものかとなる。高市首相は前内閣時代、文科大臣の議員会館への愛人連れ込み疑惑、自身のネガティブ動画、サナエトークン問題を切り抜けた成功体験がある。だから辞任させることに迷いがあるのかもしれない。高市首相は「選挙に強い人」を第2次改造内閣の人選基準としたが、この梁大臣、高市完勝総選挙(2月)において栃木3区で落選、比例復活に甘んじた。首相自ら応援に入り「私の梁ちゃん」と持ち上げても、この結果。世間も「あの人のどこがいいのか」と思わないでもない。元NHK政治部記者の岩田明子氏によれば、「その首相にとって最初の更迭は遅れがちになる」という。最初の基準が後々の行動のメルクマールになるので慎重になるということだろう。元TBS政治部長の龍崎孝氏は「野党に責めるだけ責めさせガス抜きさせて、『辞めさせるので審議に応じてください』と反転攻勢の材料に使うのではないか亅と解説している。

 

 保身第一主義の役人は必ずメモを残す

道路予算カットについて簗氏が働きかけをしたのは総選挙直後の2月半。これは国交省の記者会見でも明らかだ。早々に役所が会見を開いたということは、「こちらに落ち度はない」と自信があるからだろう。ただ「メモは残っていない」の発言はウソだと官僚OBの多くが口を揃える。役人は保身第一主義者なので、なんでもメモしておくのだそうだ。「よく探したらありました」と今後の展開ではあり得る。政治家が予算の箇所付に興味があるのは当然だろう。地域の代表(選挙区制)なのだから。他所に回すくらいならうちにくださいとの気持ちは常にある筈だ。「あの橋は俺が架けた」「この道は私が通した」が選挙の口上となる。まあ「けしからんから予算を削った」の言い方も方便としてはあり得るのだろうが、聞いていてあまり品がいいものではない。音声が新潮・文春に同着で出回ったのは、極々内輪の会合の録音らしいから、選挙事務所にスパイはつきものということか。

 

 国交省の忖度と帳尻合わせテクニック

道路予算の箇所付の結果からみて、推察するとこうなる。選挙区内で首長が反対勢力側に回った2つの市と町の道路予算額を選挙直後に梁氏が国交省に問い合わせた。国交省はまだ決まってもいないものを答えるわけにいかないからと答えを保留する。ただ梁氏の意図するところは察した。4月の予算執行に際して、国交省は「ちゃんと削っておきました」と報告する。その一方で栃木県に対し「梁氏からの意向で那須烏山市と那珂川町の道路予算を削ったから、県の道路予算でカバーしてほしい」と頼んだのではなかろうか。数字で見る限り、この推論でいけそうな気がする。

 

3連休明け、いよいよ予算委員会スタート。今度は一問一答の丁々発止の場。高市首相の正念場となる。