JR東日本は連結運転再開 嶮しい自民党「多数与党」復旧への道

 

3・15ダイヤ改正に間に合わせろ JR東日本の至上命題

東北新幹線で3月14日、連結運転が再開された。6日に「はやぶさ」と「こまち」連結が外れ、泣き別れになって8日ぶり。事故原因は電気系統の不具合しかわっていないが、金具でレバーを固定する措置をとるという。JR東日本にしては乱暴な話だ。それならいつも固定して置けばいいじゃないかと思うが、外すとき手間だそうだ。なぜ急いだかと言うと3月15日は「ダイヤ改正」だからという。この改正、鉄道会社にとっては収益率に直結する。新型車両をデビューさせるのもここだ。時刻表も変わる。車両、運転手、車掌のやり繰りをつけて「新ダイヤ」となるわけだが、それには前提条件がある。前日まで正常なダイヤで運転がなされているという前提だ。だから復旧を急いだわけだ。

 

再々修正、衆院に戻して予算審議は憲政史上初

政治に目を向けてみると、石破茂首相の迷走ぶりが鮮明となった。自民党議員からしたら、いままでの「多数与党」の前提条件が崩れてしまっているのだから、勝手が違う。衆院を傷だらけで通過した(3月4日)予算案が、参院でまた修正となった。「高額療養費制度」の限度額をめぐって首相の発言は二転三転。そこで衆院に戻して審議する。この事態は憲政史上初である。そもそも「高額療養費制度」の限度額引き上げは「筋が悪い」と言われてきた。命に直結する制度だからだ。それなら「ゾウに貼るほどくれる湿布薬を制限しろ」となってしまう。

 

石破内閣支持率36%、自民党は29・2% NHK世論調査

で、3月10日、NHK世論調査が出た。石破内閣支持率は2月から8%下がって36%。党の支持率は自民党29・2%、国民民主党8・4%、立憲民主党7・5%とつづく。「参院不要論」は説得力もあるが、現行体制はなかなか揺るぎそうもない。参院選は夏、任期は解散なしで6年。つまり参院で負けると6年は復旧しない。

 

堂々と石破首相退陣論 参院選で失職の危機感

参院・自民党の西田昌司議員が3月12日の参院議員総会で総裁選繰り上げを提案した。選挙を戦う身としては石破首相では勝てないと睨んだ。自民党大御所である故・大野伴睦(ばんぼく)曰く「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればただの人」。「ただの人」どころか議員経験者にサラリーマンは無理だろう。おまけに石破首相、新人議員に10万円の商品券配布ときた。このスキャンダルも痛い。

 

自民党もどこと連結するか考え時だろう。JR東日本のように金具で固定するわけにもいかないだろうが。