非公認にも同額支給発覚 「赤旗」スクープで自民「白旗」!?
まあ色々なことが起こる選挙戦である。自民党幹事長から非公認候補の政党支部へ2000万円が振込まれた騒動である。これは公認候補と同額で「裏公認」「ステルス公認」「偽装非公認」と野党は猛烈批判。格好のスキャンダル材料となった。自民党は不記載を単なる事務処理ミスとして非公認候補を形式犯的に扱い、金銭面でも「免罪符」を与えようとしたのか。
スクープ赤旗、初代編集長は産経新聞創業者だった
事の起こりは10月23日㈬刊「しんぶん赤旗」だった。日本で最高部数を誇る政党機関紙。発行元は共産党。よく知られているのは「日曜版」(月990円)だが、日刊紙で平日も出している。なんと初代編集長は水野成夫(みずの・しげお)氏(故人)。言わずと知れた、のちの「フジサンケイグループ」創業者である。極め付きの「転向」というべきか。公称100万部。
「党勢拡大」は詭弁か カネに色なし2000万円
事実関係だけさらうと10月10日に森山裕幹事長から政党支部(支部長=公認候補)に2000万円が振り込まれた。内訳は公認料500万円、活動費1500万円となっている。解散は9日である。こんなタイミングだろう。
さて、問題はこれからだ。16日に自民党が非公認とした8候補者にも同額の2000万円が振り込まれていたのだ。
これで公認と非公認の扱いの差は事実上、党幹部が応援に入るか入らないかだけになった。幹部以外の応援はOKである。石破総裁が言うように「党勢拡大のために使うおカネ」だったら、投票日以降でもよかったような気もするが・・・。
自民党関係者の言い分も紹介しておこう。例えば候補者を立ていない小選挙区・埼玉14区。ここは公明党候補者がいるので自民は立てていないわけだが、このような所でも、自民党政党支部は存在するわけで、同じ2000万円振り込んでいる。非公認を優遇しているわけではない、とのことだ。
非公認は表向き「当選したら公認」快諾の要請か
いちばん考えられるのは、この裏約束だ。「世間がうるさいから非公認としますが、おカネの面では公認候補と同じ扱いにします。晴れて当選したアカツキには,、こちらから追加公認のお誘いをしますので、四の五の言わずに石破自民党に復党してくださいね」
敵陣営のスパイか 泡沫候補恨みのリークか
「政党助成法」の趣旨からいうと違法にはならないらしい。ただこれ以上「政治とカネ」で野党から突っ込まれたくない自民党としては「李下(りか)に冠(かんむり)を正(ただ)さず」(怪しい行動はとらない)が大前提で動いている筈だった。まさかバレるとは思っていなかったのか。政治家に聞いたところによると、選挙事務所に敵陣営のスパイが紛れ込むことはたまにあるそうだ。カネの問題ではなく非公認になっただけで当選確率0%になった陣営もあるわけで、ヤケになって各方面にリークしまくった可能性もある。いまのSNS時代、個人でも呟けばネタによっては拡散される可能性を秘めている。
政策論争より自民党を信任するかの総選挙に
投票日4日前の「サプライズ・スキャンダル」。期日前投票が低迷しているだけに当日行こうと思っている方も多いはず。自公過半数割れの流れを後押ししそうな気配ではある。政権選択選挙として政策論争に持ち込みたい与党、自民党への信任投票にしたい野党、攻防もいよいよ終盤となった。
投開票日は10月27日。