「計画運休」「日本原電」「たばこ税」から独占型ビジネスモデルをみる

 

各新幹線始発から計画運休、台風10号接近

台風10号である。九州の辺りをうろうろしていて動きが鈍い。暴風雨を伴いながら本州を縦断するかもしれない。いま9月29日午後7時過ぎだが、NHK「7時のニュース」で、30日始発からJR九州は全線、JR西日本・JR東海の新幹線は一部で「計画運休」するという。乗客の安全を確保するためと言われると、納得せざるを得ないのだが・・・。やっぱり「独占企業」ならではの発想だなあと思わざるを得ない。私鉄が並走している在来線では動いているのだから。

休んでいる間に客を取られる、この心配がない企業はほんとに羨ましい。

 

敦賀原発2号機再稼働ならず、日本原電の収入は?

で、独占企業がらみでつづける。原子力規制委員会は、日本原子力発電(略称=日本原電)の福井県にある敦賀原発2号機の再稼働申請を「不許可」とする見込みだ。地下に活断層があるという。日本原電は各地の電力会社がおカネを出し合ってつくった組織で、原発で作った電気を電力会社に売ってもうける(売電)ビジネスモデルとなっている。そうはいっても2011年3・11(東日本大震災)以降全面稼働停止で、日本原電は1キロワットの発電もしていない。職員はどこから給料をもらっているのかと余計なお世話で調べてみた。日本原電には年間約1・5兆円の収入がある。地域の電力会社の分担金が入ってくるのだそうだ。地域の電力会社はこれを電気料金に上乗せして利用者に請求している。「電気事業法」は、かかった費用に正当な利益をのせた形で料金を設定してよいと解釈できるので、日本原電への分担金は真っ当な「費用」となるのだろう。

 

たばこ税2兆円、階層的消費財といわれる喫煙者傾向

で、独占企業の話はまだまだつづく。JTである。昔の専売公社。民営化で外資系のたばこ企業も入ってきているらしいが、ほぼ独占企業といっていいだろう。私はたばこを20代で止めってしまったので、どんな銘柄があっていくらで売られているかも知らない。記者につきものといえばトレンチコートとたばこ、の時代があったものだ。まあ、編集長が「健康のため今日から煙草をやめます。君たちも一緒に止めませんか」と言ったのをきっかけに、大半が禁煙したのだから「宮仕え恐るべし」というべきか。

閑話休題。たばこは珍しい消費財のひとつで「階層的消費財」とも言うらしい。所得が低い人ほどよく買い求める。この半世紀ほど「たばこ税」による税収は約2兆円で安定している。喫煙者が劇的に減少しているなかで安定財源になっているのは、たばこの値段が急騰しているということだろう。ちなみに消費税1%が税収で約2・5兆円相当と言われるので、「たばこ税」はバカにできない。って財務省は思っている筈だ。

 

 

高所得者層、低所得者層、もっとも差がつく消費支出は

では反対に、高所得者がよく消費し、低所得者がカネを出さない決定的な「消費」とは何なのだろうか。賢明なみなさんならお察しだろうが「教育消費」(教育支出)なのである。では「教育」にこそ高税率をかけるべきなのか。そんなことをしたら日本の国力・生産性が落ちて、ひいては将来の税収が減ってしまう。って財務省は思っている筈だ。