日銀「為替介入」「国債減少」、日米金利格差につける薬は?

 

国会、政治資金規正法「条文」が出てこないわけ

政治資金規正法改正案ができるまでブログを書くのを待とうと思っていたが、自公の与党合意ができただけで具体案が出てこない。大枠で「やってる感」を出そうというのが見え見え。そもそも条文がまだ存在しない。それもそのはずで、6月半ばの通常国会会期末までまだ1カ月もある。条文を提示してしまうと、国会議員やマスコミには法律の専門家がウジャウジャいるので、一字一句サンドバック状態になりそうだからだ。ぎりぎりまで待って、数の力を使って強行採決というところか。ネタがネタだけに荒行時は避けたいところなのだろうが。

 

介入の有無、バレてもしらを切るのが財務官の仕事

で、話は円安である。あまりに日米の金利差がつきすぎた。約5%である。4月28日、5月2日の2回、対1㌦160円台を前に、財務省が「為替介入」を行なったようだ。神田眞人(かんだ・まさと)財務官は「ノーコメント」で押し通した。ではあるが日銀のホームページで確認してみると、日銀当座預金残高が「財政等要因」で4兆3600億円減っている。いずれ外国為替資金特別会計(外為特会)から補填するだろうから、隠してもわかる。口を割らないのは、政府の仕業であると、はっきり原因がわっかってしまうとまずいのだ。市場が疑心暗鬼になり、もしや「需給の風向きが変わったかな」と思わせることに意義がある。こういうとき具体的な作業は日銀が行なう。どのみち月明けにはオペレーションの具体的説明がなされる。そりゃそうだ。もともとは国民の払った税金なのだ。説明責任と言うやつである。だが為替介入はあくまで対処療法にすぎず円安の根本的な治療にはならないそうだ。

 

 

有限なドル建て国債、円安是正「為替介入」が厄介な理由

円安是正の為替介入はけっこう厄介だという。「円」札は刷ればいくらでも増やせるので円高是正の方が、気が楽なのだそうだ。今回の場合、手持ちの「ドル」(外貨準備特別会計の財布にある米国国債)を売って「円」を買う操作。日本国が持っているドルは、いまのレートで160兆円分くらい。上限がある。これまで為替介入をみてみると5兆から20兆円くらいの規模で行なわれている。この伝で行くと為替介入は7、8回が限度だろう。残高スッカラカンはあり得ないからだ。万が一、貿易決済でドルがショートしたらデフォルト(債務不履行)になってしまう。為替介入は相手があることなので「同盟国・米国」だから許されるわけで、何回もやるとイエレン財務長官もさすがに嫌がるだろう。

 

日銀、国債買付ペースダウン発表、ジワリ上がる住宅ローン

5月13日、日銀が国債の買い付けペースを落とすと発表した。そもそも政府発行の国債を日銀が直接引き受けることは「財政法」「日銀法」で禁じられている。これを「国債の市中消化の原則」と言う。とはいっても、市中銀行は日銀が買ってくれるとわかっているのでホイホイ引き受けているのが実情である。日銀が買ってくれないと、市場で国債がダブつく。これで国債の価格が下がる。これは国債の金利が上がる、と同じ意味だ。1年後1万円で売れる国債がいま9000円で取引されていると利子は1000円。いま8000円で取引されていると利子は2000円。「価格と利子は逆の方向に動く」関係にある。

で10年物国債の利子が1%に近づいてきた。これで固定型住宅ローンの金利はあがるだろう。日銀は短期金利を抑えているが、これも時間の問題と言う人もいる。変動金利の住宅ローンも上がるかもしれない。