バブル超え 株価史上最高値!日本経済に死角ありや、なしや

 

経済記者歓喜の新記録、政治部の裏金より、経済部の表のカネ

「東証史上最高値」「終値3万9098円」「34年ぶり更新」2月23日の新聞朝刊はどこも同じような見出しが並んだ。派閥パーティーを巡る疑惑で、長らく1面トップの座を政治部に明け渡していた経済部にとって起死回生のネタだった。そもそも「株価が上がって困る人はいない」が定説で、「何年ぶり」とかいう見出しが大好きなマスコミがこぞってヒューチャーすることになった。

 

株の流動性の高さが好まれたか終値3万9098円

前記録のときは、いまでも覚えているが1989年のクリスマスのときだった。この時も大騒ぎした記憶がある。いわゆる「バブル」のときだ。その前年88年の6月18日、朝日新聞の社会面に川崎市の助役が、リクルート社から社屋用駅前土地取得の請託を受け、その見返りに同社の関連会社リクルートコスモス(現在コスモスイニシア)の未公開株を受け取ったと、報じた。多くの記者にとってバブルのキーワードは「土地」「株」「贈収賄」だった。一般の方にとって贈収賄はあまり関係ないので、バブルの象徴は土地と株になるかもしれない。今回、株か注目されているのは土地より流動性が高いからではないか。流動性とは「現金化のしやすさ」のことだ。

 

引っ張るのは半導体企業か。ハト派日銀に好感、外国人投資家

具体的にはダウ平均に象徴されるアメリカの株が絶好調である。。22日朝に発表された米半導体大手「エヌビディア」の4半期決算が予想を上回る仕上がりになった。これを受けて日経平均が上がった。といっても買っている人の約7割が外国人投資家であるという。日銀は利上げを匂わせているものの、マイナス金利脱出がエキセントリックな感じにはならないと前口上で散々言っているので安心感もある。円安で円の価値は2000年代初頭の半分から3分の2だ。日本株が半値から3、4割引で売られているのだからバーゲン状態である。新ニーサの減税政策もいいが、お得感から言ったら外国人投資家のメリットは圧倒的だ。

 

「これってバブルじゃないの」忌まわしい記憶再び?

ただ今回の株高はあの忌まわしい「バブル景気」と同じではないのか。それは歴史のみぞ知るのかもしれない。ちょっとバブル経済を振り返らなくてはならない。80年代初め日米自動車摩擦財政と貿易「双子の赤字」に見舞われたアメリカ。1985年米国のホテルで交わされた「プラザ合意」は、米国から日本への「円高誘導」要請だった。これを渋々飲んだ日本は、当時まだあった政策金利「公定歩合」を上げた。当たり前だが日本景気に急ブレーキがかかる。不景気は困る、これに焦った大蔵省と日銀は公定歩合を今度は下げる。この塩梅が上手く行かなかったのか、日本経済は勝手に暴走を始めるのだ。こうなるとジェームス・ディーン「理由なき反抗」のチキン・ランみたな結末を招いてしまった。

「バブル期」を知らない人も多いと思うので、このblogで当時何が起こっていたか書いてみたい気がする。