永田町忠臣蔵12月14日、東京地検が安倍派幹部に仇討ち?
「裏金」の使い道をさぐる検察と守る自民党
思わぬ方向に進んでいる。自民党派閥パーティーでの政治資金規正法違反容疑である。「コロナ禍でバタバタしていました。次から名寄せもちゃんとします。ごめんなさい」で済む話かと思ったら大間違い。未記載どころか、派閥側も、キックバックしてもらった議員も「裏金」にして良からぬことに使っていたらしいのだ。政治資金規正法の主旨からいって「表金」でも特段の不都合はないような気もするが、「裏金」の方が使い勝手いいのだろう。だいたいこの「裏金」、税務処理なんてされているわけがないのだ。
検事総長人事「黒川定年延長」騒動で渦巻く検察の怨念
自民党の中でも狙われているのが安倍派と二階派だそうだ。動いているのは東京地検特捜部。安倍派と検察の確執といえば「検事総長」人事をめぐる「黒川氏定年延長」騒動があった(2020年)。黒川氏が賭けマージャンをしていたのがバレて変なオチがついた。卓を囲んでいたのが新聞関係者で、記者が普段どうやってネタ元に食い込いんでいるか周知となってしまった。「ジャン友になる」は、かつて取材の王道だった。私も記者だったのでそんな同僚も見てきた。話がずれたが、検察は人事に首を突っ込んできた安倍派に怨念がある筈だ。
検察はエース級、地方に応援要請。江東区騒動は新人研修の場
国会議員には「不逮捕特権」なる、国会会期中に逮捕されないという「身分保障」がある。戦前、政権側が批判を繰り返す野党議員を、片っ端から捕まえて牢屋にぶち込むことが頻発し、この特権ができた。で、この臨時国会の会期末は12月13日。東京地検特捜部が動くとしたら翌14日から。人呼んで「永田町忠臣蔵」だそうだ。入ってきた情報によると、江東区長選でYouTube有料広告を指南した柿沢未途衆院議員の公職選挙法違反・贈賄容疑事件は若手の検察官の手に委ねられた。こちらの政治資金パーティーでの「裏金」の使い道を調べているのはエース級と言う。そればかりか地方の検察官に応援要請をしているらしい。こうなると組織の論理から言って、事務方を挙げて終わりというわけにはいかないだろう。大物政治家がターゲットになっている可能性が高い。
政党助成法と政治資金規正法ってそもそも両立するの?
リクルート事件があって政治にカネがかかり過ぎるからと政党助成法ができた(1994年公布、95年1月1日施行)。「ひとり、コーヒー1杯の金額で政治参加を」なんて謳い文句で250円を払う羽目になった。これが政党交付金だ。「政治サブスクリプション方式」も当時は一理あると思ったが、これと政治資金規正法(政治資金パーティー開催規定など)が併存していているわけで、意味不明だ。ちなみに日本共産党は政党交付金を拒否していることを高らかに謳っているが、これは国庫に返納されるわけではなく、ほかの政党に按分されている。受け取っておいて恵まれない人にあげればいいのにと思ったりもしている。
さて、検察は「義士」としての立場だろうが、じつは結構「浪士」だったりして。12月14日は雪かもしれない。