入試に必ず出るぞ「パレスチナ」 知っていて損はない中東基礎知識

 

今回は雑談である。中東問題について思ったことがある。時間がある方はお付き合い願いたい。

 

「世界史」選択の諸君 いまから学ぶと合格率アップ

いまは大学の先生が、来年春の入試問題を作っている時期である。「世界史」受けられる方はもうご存じだろうが、「中東」は例年、出題が多い。まさに旬な話題で、時事性十分。パレスチナ問題の出る可能性が高くなった。第一次世界大戦のときの英国「三枚舌外交」などはもう一度確認しておくべきだろう。

 

10月7日、プーチン大統領誕生日って知っていました?

「ハマス」がイスラエルに侵攻したのは、10月7日のことだった。この日はロシアのプーチン大統領の誕生日である。私は一瞬「ロシアが仕掛けたかな」と思った。メリットはある。ウクライナに目線がいっている米国に、イスラエルの方向を向かせる。軍事的タブーと言われる「二正面作戦」を米国にとらせる狙いがあるとみたのだ。真偽はまだわからない。

 

ユダヤ系有権者に米国大統領候補が異常に気を使うわけ

米国のバイデン大統領(民主党)はすぐイスラエルに飛んだ。なぜそこまで肩入れするのか。米国に住むユダヤ人(有権者)は700万人くらいのもの。大した数ではない。どうもユダヤに対する思い入れがあるらしい。宗教的迫害を2000年も受けつづけた悲劇の民に、英国で迫害を受けメイフラワー号「新世界」を目指したプルグリム・ファーザーズ重なるのかもしれない。

米国民主党の最大スポンサーはウォール街の金融資本だが、ここのトップのほとんどがユダヤ系である。このblogで何回か触れたが、キリスト教では「金貸し」は最低の職業とされてきた。利子は時間が生むものだが、教えでは「時間をつかさどるのは神のみ」なのだから。神を冒涜する行為なのだ。そこで差別を受け職業選択の余地のないユダヤ人が参入することになった。シェイクスピア『ベニスの商人』に登場するシャイロックの扱われ方が、当時のユダヤ人差別をよく物語っている。ただ、これで一部のユダヤ人が大金持ちになっていくので歴史はややこしい。

 

民主党ばかりじゃない、共和党トランプ氏の娘婿もユダヤ人 

一方の共和党の最大スポンサーは軍需産業である。共和党系大統領のとき、やたら戦争を始めるのはこのためだ。だからといってウォール街を無視して政治ができるはずもなく、敵に回さないようにしている。来年の大統領選に出馬するだろうトランプ元大統領には美人の娘イバンカさんがいるが、その旦那はユダヤ人である。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」もここからきている

米国大統領選で影響力を持つのはキリスト教福音派と呼ばれる保守的な考えを持つ有権者である。『福音派』の「福音」は「よい知らせ」という意味で、この勢力は英語で「エバンジェリスト」という。どこかで聴いた語感だろう。そうなのだ「新世紀エヴァンゲリオン」のタイトルもここからきている。正確には「エヴァンゲリオン」はギリシャ語読み。英語で「福音」には「ゴスペル」という言い方もあるが、日本では宗教音楽の意味でつかわれることが多い。

ユダヤ教は「旧約聖書」、キリスト教は「新約聖書」と教わったと思うが、「福音編」は新約聖書の冒頭にあり、物語をつなげている。両者のシンパシーの源はこのあたりかもしれない。

ともあれ、来年の米国大統領選挙に向け、中東問題処理が一大のテーマとなりそうだ。