岸田首相バカ息子騒動で解散は?10増10減で自公連立「地に落ちた」関係

 

公邸は2・26の「事故物件」   妖怪、オバケいろいろ出ます

岸田政権の支持率が富士急ハイランドのジェットコースターなみに乱高下している。5・19G7広島サミットで男を上げたかと思いきや、秘書官・息子のお祭り騒ぎで「バカ親」代表となってしまった。ちょっと同情しているのだが、首相公邸は、言うなれば「社宅」である。寝起きする場だ。酒を飲んだり、友達を呼んだりするのは一向にかまわない筈だ。「官邸」はさすがにマズイだろうが。それも従業員が我先にと争う人気の「社宅」ではない。2・26事件の舞台となり、そこで人が殺されている。不動産業者のいう「事故物件」というやつだ。入居を躊躇するのが普通だろう。オバケが出るというから政治記者も気味が悪いらしい。歴代の妖怪が棲んだ公邸(昔は官邸として使われていた)に、どんなオバケが出るか見てみたいものではあるが。

 

地方議席減少は自民直撃、都市部で選挙協力する余裕がない

この案件で「解散」時期がまったく見えなくなった。今度の総選挙は新しい公職選挙法が適用されるので、区割りが変わる。世に言う「10増10減」である。2020年の国勢調査で「都市への集中」「地方の過疎化」が進んだことがわかったため、「1票の格差」を小さくする方策だ。農村部で議員が減り、都市部の議員が増える。地方で強い自民党が割を食うのは目に見えている。自民党は議席の増える都市部で数合わせをせざるを得ない。

 

平和志向・公明党の存在意義に陰り?「下駄の雪」だって

そこで東京でもめたわけだ。連立を組む自民党と公明党の話である。このところ公明党は支持母体の創価学会の高齢化が進み、若い入信者が減少気味で、選挙での総得票数もじりじりと減っている。平和志向の公明党が「安保法制」「専守防衛」「防衛費増強」問題で自民党に譲歩したため存在感が薄れてきたのではないかという政治記者もいる。別の自民党番記者によると、公明党を「下駄の雪」(重いので振りほどこうとするがくっついて取れない)呼ばわりする政治家もいるらしい。

 

連立は「地に落ちた」、戦後政治史を変えるひと言となるかも

公明党は東京の足立区、新宿区、練馬区辺りで圧倒的に強いため、手堅く勝てる選挙区もあるのだが、自民党に下手に譲歩すると、取りこぼすことになりかねない。

石井啓一公明党幹事長が「連立を組んできた自民党と公明党の関係は地に落ちた」と記者会見で言い放った。それにしても「地に落ちた」は穏やかではない。私的な解釈だが「いま解散するのは止めてくれ」というメッセージのような気もする。公明党は、このところ勢いを増している日本維新の会と関西地方で全面対決しなくてはならず時間が必要なのだ。あとで「あくまで東京だけの話で、全体的な連立関係は維持する」と、くどいほどフォローしていたから、当たらずと言えども遠からず、だろう。

じり貧の公明党とは言え、東京の小選挙区で各約1・5万票の基礎票があると言われる。この票がなくなると東京の6小選挙区で自民候補者が危なくなるそうだ。「小選挙区は自民党の〇〇、比例区は公明党とお書きください」で選挙協力してきた両党だが、どうなるのだろうか。

夫婦でも一度口を衝いて出た言葉が、相手を傷つけ、離婚の決定的理由になる時があるという。「綸言(りんげん)汗のごとし」という言葉が『漢書』にある。天子が一旦放った言葉は汗と同じで元には戻らないという意味である。

「口は禍の元」と言うのもありましたね。