出版界 名言・迷言 特集 役に立たない格言に思う
暇ネタもここに極まるの企画である。いい話もあるのでよろしかったらお付き合いいだきたい。
【出版編】
本は左のページの方が右ページより格上
書籍に異動になって初めて知った。左ページから章の始まることを「改丁」(カイ・チョウ)、右ページならば「改頁」(カイ・ページ)という。つまり本は必ず左片から始まるわけだ。雑誌の特集も「片起こし」(左ページから始まること)の方が正統と言うわけだが、最近の週刊誌は「見開き起こし」(左右両ページで扉となっている)が主流となっている。これは見出しが大きく取れるからだろうと想像している。雑誌は「見出しで読ませる」というくらい大事なのだ。新聞も「社説」は左ページに持って来たいのだろうが、最近カラー化で「刷版」(印刷にかける際ハンコの役目をする合金の板)や印刷単価を抑えるため右ページにすることも珍しくないようだ。
紙は神様
ダジャレである。と思いきや昔から伝わる造本の鉄則だ。本も「製品」だから必ず原価計算をする。これを企画書に添付して社長決裁を受ける。社長は御前会議(大げさな言い方)で部数と定価を即決する。直接費の代表的なものは「紙代」「印刷代」「製本代」だが、紙代の占める割合が高いので、紙選びは重要なのだ。
【記者編】
ドアに貼ってあった「関係者以外立ち入り禁止」を見て、先輩記者「俺達には聞きたいことがあるんだから十分関係者だ」
このくらいの心臓がないと雑誌の記者などできない。思い切って開けてみるとどうにかなることが多かった。テレビ局は増築に増築を重ねたビルの奥深いところに秘密のプロジェクト部屋を作るので、開けさえすれば「特ダネ」になった。
川をのぼれ 海をわたれ
どこから手を付けていいのかわからないような壮大なテーマを与えられ弱り果てた記者に、編集長・デスクがいう言葉。「川をのぼれ」は、昔同じようなことが起きていないか調べてみよ。「海をわたれ」は海外でも同じようなことが起きていないか調べてみよ。ということだ。マスコミではよく知られた「格言」らしい。
グラビアで女性を扱うときは高2の夏休みに気分で取り組め
「高2の夏休み」という具体的な時期が実にいい。男性諸氏には身に覚えがあるのではないか。編集長が編集者たちを激励したときに言った言葉である。