この人事をこう見る。旧統一教会騒動の中、内閣・党役員発表

 

第2次岸田改造内閣

首相

岸田文雄

広島1

岸田

総務

寺田稔(初)

広島5

岸田

法務

葉梨康弘(初)

茨城3

岸田

外務(留任)

林芳正

山口3

岸田

財務(留任)

鈴木俊一

岩手2

麻生

文部科学

永岡桂子(初)

茨城7

麻生

厚生労働

加藤勝信

岡山5

茂木

農林水産

野村哲郎(初)

参院・鹿児島

茂木

経済産業

西村康稔

兵庫9

安倍

国土交通(留任)

斉藤鉄夫

広島3

公明党

環境

西村明宏(初)

宮城3

安倍

防衛

浜田靖一

千葉12

官房(留任)

松野博一

千葉3

安倍

デジタル

河野太郎

神奈川15

麻生

復興

秋葉賢也(初)

比例東北

茂木

国家公安

谷公一(初)

兵庫5

二階

少子化

小倉将信(初)

東京23

二階

地方創生

岡田直樹(初)

参院・石川

安倍

経済再生(留任)

山際大志郎

神奈川18

麻生

経済安全保障

高市早苗

奈良2

 

自民党役員

副総裁(留任)

麻生太郎

福岡8

麻生

幹事長(留任)

茂木敏充

栃木5

茂木

総務会長

遠藤利明

山形1

宏池会(加藤派)

政調会長

萩生田光一

東京24

安倍

選挙対策委員長

森山裕

鹿児島4

森山

 

 

人事なのになぜこう洩れる?

8月10日、岸田首相は午前に役員人事、午後に内閣の人事を行なった。と言っても2,3日前から情報はダダ洩れでサプライズはなかった。こうしたことがなぜ起きるかというと、内定した人事を既成事実化したい派閥のリーク、本人がうれしくて溜まらず口の軽い仲間にしゃべってしまうケース、初入閣で礼服(モーニングが多い)が間に合わなくてはかわいそうだという思いやりリークなど様々らしい。政治部記者がローラー作戦で調べれば人事当日の朝刊(入稿は前日の夜半)に間に合う。

全く蓋を開けてみなければわからなかったのは小泉純一郎元首相の時。党内基盤が弱く国民の人気だけが命綱だった小泉元首相は却ってフリーハンドで人材を選べたともいえるだろう。

 

旧統一教会と政治家の親和性

今回は旧統一教会問題で政界が一色に染まった中での人事。旧統一教会は政治団体「国際共勝連合」を持っている。「共勝」というのは「共産主義に打ち勝つ」という意味で、故安倍晋三元首相のルーツとなる「清和会」とは特に親和性あったとみていいだろう。旧統一教会の信者は広報発表で60万人。信者を増やしたい教会、票を増やしたい政治家、利害関係が一致しても不思議ではない。

 

「閣内に取り込む」のはこうした理由

注目は昨年、岸田首相と総裁選で争った河野太郎氏と高市早苗氏の処遇。2人とも内閣入りした。これを「閣内に取り込む」という。大臣のクビは首相が握っている(第六十八条② 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる)からで、首相にあまりにも反発すると切って捨てられかねない。内閣は、なぜ全会一致が原則かというと日本国憲法六十六条③に「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」とあるから。「連帯して」がこの解釈を生んでいる。