そもそも世界遺産ってなに?佐渡金山登録なるか

 

 

佐渡金山世界文化遺産に推薦するかでもめている。2021年末に韓国の猛反発に遭い諦めムードだったが、岸田首相は自民党保守派の抗議に屈し、2022年に入って推薦の方向に舵を切った。

 

おみやげに付けるコピーライトのような

自然部門と文化部門がある『世界遺産』。この「おみやげのコピーライト」的な?希少価値アピールのキャッチフレーズを手に入れるにはどうしたらいいのか。

そもそも「世界遺産」というのは条約らしい。1972年「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」がユネスコで採択された。登録は抹消されたりして出入りがあるが、2021年末で1154件(167か国)。条約締結国は194もある。大抵の国際条約はお題目だけで終わるものだが、世界遺産は知名度抜群、集客能力抜群で人気・実力ナンバー1の国際条約と言われているらしい。

 

 

韓国大統領選、日本の参院選の影が

条約であるから内閣が締結して、あとで国会が批准する順番になった。今回絡むのは岸田文雄首相、条約なので林芳正外務大臣、文化庁が諮問した文化審議会が申請しているので、文化庁の親分である文部科学省の末松信介大臣辺りだろう。佐渡のある新潟県では登録は「四半世紀の悲願」となっている。

なぜ揉めているのか。ことし3月には韓国で大統領選があり、7月には日本で参院選がある。両国とも引くに引けないわけだ。

今回の「佐渡金山」、江戸時代の金鉱採掘の文化的価値をウリにしている。韓国側は戦中、徴用工を使ったとして異議を唱えている。江戸時代なら鎖国をしていたので問題ないような気もするが、国家間の感情はそう簡単ではない。

 

 

世界遺産委員会で採決。来夏登録か

最終的にはイコモス(ICOMOS=国際記念物遺跡会議)が調査して、世界遺産委員会で議決される。委員会では21の国が投票。3分の2以上(14票)で可決される。いま日本は委員会国であり、次回から日本に代わって韓国が入るようだ。

 

2023年5月に調査終了。その後、委員会の採決あり、正式に登録されるのは2023年夏になるとみられる。

 

※ユネスコでは「記憶遺産」(今は〈世界の記憶〉)部門の登録も行なっている。この部門で、中国が「南京事件」、韓国が「従軍慰安婦」を申請する動きを見せたため、2020年、関係国が反対する場所は申請しないよう日本が働きかけ決議された。この「関係国が反対する場所」に佐渡金山が当たるかも焦点。日本はそもそも部門が違うと主張している。

 

〇2022年2月1日 政府は佐渡金山の世界文化遺産推薦を閣議決定した。