テレビ・新聞・雑誌を10倍楽しむ。官庁接待の基礎知識編
CS 、ケータイと来たら次は…
CS(通信衛星放送)を持っている「東北新社」につづき、ケータイを持っている「NTT」が総務省のお偉方を接待していたことが明らかになった。つぎは地上波、BS(衛星放送)を持っている「テレビ局」の番ということになろうが、新聞・テレビ系列はこれを報じる気配はない。接待は「国家公務員倫理法」(2000年施行)に照らして度をこえているかの行政罰。一方「贈収賄罪」の刑事罰適用もできるのではないかと思うが、検察が動くのは金品が100万円以上動いた場合に限られるらしい。飲み食いだけでは100万円はなかなか超えない。海外旅行、ゴルフ、女性が絡むと「一線を超える」わけだ。
「審議官」にもいろいろある
このところよく出てくる「審議官」だが、通常は「局次長級」の国家公務員に与えられる呼び名で、なんか聴こえがいいというだけ。ところが「総務審議官」「外務審議官」など、省名の下に審議官とつくと「省名審議官」と言われ事務次官に次ぐNumber2のポストになる。とてつもなく偉いひとなのだ。
「ノーパンしゃぶしゃぶ」で懲りた大蔵省
ではなぜ総務省に「ごっつぁん」気質が残っているのか。利権の総本山といわた大蔵省が「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件(1998年)で辛酸を味わった。「国家公務員倫理法」まで作る羽目に陥った過去を持つ。これを対岸の火事として傍観していたのが旧郵政省だったわけだ。
では、接待する側の人員をみてみる。旧大蔵省接待で活躍したのは「MOF担」(もふ・たん)といわれる民間金融機関のエリートたちだ。MOFは「Ministry of Finance」(大蔵省)の略。その大蔵省は、ノーパンしゃぶしゃぶ事件のあと、バブル景気の後始末とされた「軟着陸」にも失敗し、2001年の省庁再編で「財務省」と「金融庁」とに分離されてしまう。
さて、総務省を担当する接待要員のさまは次回にまわすことにする。
どの官庁の利権が大きい。ある説によると
今回の締めくくりは、各省の持っている利権の大きさの比較である。いろいろな研究がなされ論文もでているが、けっこう説得力があったのは「大臣に民間人が登用される省ほど利権が少ない」という説だった。政治家は利権大好きなので納得の推論である。
経済企画庁(のち通産省と合併)、法務省、文部省(のちの文部科学省)はこれまで民間大臣が多かった。2001年、経済企画庁も通産省と合わさって経済産業省になってから政治家がトップを務めるようになった。原発などのエネルギー利権があるからなのかもしれない。ちなみに財務省、総務省に民間大臣は皆無である。
次回は総務省接待にどのような人が当たっているのかを書きます。お楽しみに。