テレビ・新聞・雑誌を10倍楽しむ。バイデン米大統領誕生編

 

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1月20日バイデン大統領誕生

ここに来てトランプ大統領の往生際の悪さだけが目立ちました。Twitterのアカウントを没収されるなんて聞いたことがありません。Twitter社もトランプ氏のおかげで業績を伸ばした一面もあるので難しい判断だったようです。思いもよらぬことが起こるものですね。

何はともあれ1月7日未明(日本時間)、ジョー・バイデン氏(民主党)が第46代アメリカ大統領になることが確定しました。1月20日に就任式が行われ、聖書に手を載せて宣誓をします。聖書といえばバイデン氏はカトリック教徒、J・F・ケネディ大統領についで2人目。珍しいケースです。ほかの大統領は全員プロテスタントでした。

 

 

世界の4分の1、20兆ドルを扱う権力者

バイデン氏が米国の、もっと言えば世界の権力者の地位に就くのです。世界のGDP(国内総生産)の合計が80兆$(単位は米国ドル)。上から順に米国20兆$中国12兆$日本6兆$と続いています。中国は米国の後ろ姿をとらえました。一方、日本は両国に水を空けられたようです。バイデン氏は世界の4分の1の付加価値を動かすわけです。

 

 

トリプル・ブルーの行末は

バイデン氏が政策を遂行するには議会の協力が不可欠です。下院はトランプ大統領のときから民主党が多数派で、大統領選と同時に行われた議会選挙でも大勢は変わりませんでした。一方の上院は大接戦で共和党50対民主党48となり、年明けジョージア州の決戦投票までもつれ込みました。結果は2議席とも民主党が獲り50対50。アメリカ政治史上2回目の珍事となりました。こうした場合は副大統領がキャスティングボートを握ることになっています。カマラ・ハリス氏(民主党)が就任するので勝負あった、ですね。大統領・下院・上院揃って民主党で、党のイメージカラーから「トリプル・ブルー」と呼ばれます。民主党は資本家(経営者)に冷たいところがあるので株価が、もしかすると下がるかもしれません。

 

 

多様性の閣僚人事

民主党はリベラルを標榜しているのでダイバーシティ(多様性)がウリです。閣僚の任命にもそれがでています。閣僚人事には上院の承認が必要になります。

運輸長官はピート・ブティジェッジ氏(38歳)。アナウンサー泣かせの名前。ぱりぃきゃむきゃむ級です。この方、民主党の大統領予備選に出ました。同性愛者であることをカミングアウトしています。結婚して夫がいます。

国防長官はロイド・オースティン氏(67歳)。アフリカ系の国防長官は初めて。元中央軍司令官という軍人。退官してから7年しないと閣僚になれない規定がありますが、上院がどう判断するか注目です。日本にも大臣は「文民」でなければならないと憲法(66条)にあります。シビリアンコントロールの原則です。小泉純一郎内閣で中谷元(なかたに・げん)氏が防衛庁長官に指名されたとき、自衛隊出身であることが国会で問題になったことがありました。現役でないのでOKになりました。

財務長官はジャレット・イエレン氏(74歳)。女性初。前FRB(連邦準備制度理事会)議長です。FRBは日本の日本銀行に当たりますが、日銀総裁が財務大臣になったようなものです。日本ではちょっと考えられない人事ですね。