退陣ほのめかし⁉の噂も 高市首相ご機嫌ナナメの本当の理由
記者のアルバイト原稿専門誌『選択』に載った変な噂
「辞めればいいんでしょ」と高市早苗首相が言ったとか、言わなかったとか、で、永田町は異常な盛り上がりを見せた。『選択』最新号の記事の話だ。『選択』は新聞・雑誌記者が匿名でアルバイト原稿を書いているため、ネタを見つけたい玄人筋には人気がある。自分のメディアでは書けないヤバネタを書くので、センセーショナルではあるが、ペンネーム記事なので信頼性はイマイチだ。書店の店頭で売るわけではなく、定期購読というサブスク制をとっている。それでやっていけるのだから、まあ根強いファンがいるのだろう。
高市首相、ホルムズ海峡自衛隊派遣を本気で考えた!?
記事の内容は、日米首脳会談(3月19日)を前に、高市首相はトランプ大統領の求めに応じて、ホルムズ海峡に自衛隊を派遣したい意向だった。これを察知した今井尚哉(いまい・たかや)総理補佐官が「あんた何考えているんだ」と怒鳴り込んだというのだ。そのとき高市首相が冒頭のセリフを吐いたという。
「現実は小説よりも奇なり」というから真実はわからないが、「火のない所に煙は立たぬ」で、これに近いやり取りがあったのではないかと思う。首相を「あんた」呼ばわりするのは、いかにも今井氏らしいそうだ。安倍晋三政権で「陰の総理」と言われた実力者。経産省出身で安倍首相筆頭秘書官だった人物である。
年度内成立ならず 荷崩れ法案でも不満の矛先は
記事の信頼度はともかく、なにしろこのところの高市首相が機嫌が悪いのは確からしい。思うように国会が進まないからだ。とくに参院の石井順一幹事長(茂木派)にはキツイという。26年度予算が年度内に成立しなかったことを根に持っているということだろう。石井幹事長が「3月13日までに衆院を通過させてくれれば、参院はどうにかします」と大見得を張ったのは事実。だが3月13日に通過したことはしたが、国民民主党は反対に回り、職権採決9回を経た「ボコボコ荷崩れ」法案がやってくるとは石井氏は思いもしなかったのだろう。「高市首相は国会対策が何たるかを知らなすぎる」との不満も聞かれる。国会対策委員長とか根回し系を経験せずいきなり官邸入りしたので当たり前であるが。
なかなかコントロールが難しい「参院」の特殊性
それと「衆院」「参院」、「一つの会社の2つの部署と首相は思っているのではないか」との感想もある。参院は当選議員の互選で議員会長を選び、その会長が幹事長を指名するシステムで、人事に首相は関与できない。派閥を束ねた「自民党ホールディングス」的「衆院」とは、近くて遠い存在が「参院」なのだ。高市首相が直接「おいコラ」とやると波風が立つ。石井氏は会合で「年度内成立とならずごめんなさい」と謝ったが、高市首相はそっぽを向いていたらしい。
どっちみち4月11日で、予算は自然成立する。このあと皇室典範改正、旧姓使用法制化と難しい論戦がつづく。延長がなければ7月17日で通常国会は閉会。お楽しみは、そのあとにやってくる人事の嵐なのである。