ローダウンについて
以前アルファードを購入した後輩のお話しの続き。
アルファードをローダウン化したいけど、どうか?と聞かれた。
昔で言うシャコタンのことだ。
昔も今も車好きのメンタリティは一緒。
シャコタンの車の方が格好良く見える。
まあ、時代を超えた価値観とも言える。
単純にメリット、デメリットを上げた。
メリット
・格好が良くなる。
・走りを感じさせる。
・低速域で、荷重がかからないような状況ではタイアのグリップによりステアレスポンスが良くなる。
・重心が低くなる。
デメリット
・サスペンションが固くなることで乗り心地の悪化。
・サスペンションが動きにくくなり、ブッシュ、Bodyへの入力が大きくなる。そのため車の経年劣化が早い。
・Bodyの変位が大きくなり、サスペンションが想定通り動かないためタイアの接地性変化が大きい。
その結果、中・高速域(荷重が大きい時)ではオーバーステアになる可能性が高くなる。
また、変位の結果、内装の軋みが出やすくなる。
・サスペンションストロークが短くなるため、直進性の悪化、バンプラバーに当たり易くなり、
段差などでは大きなショックが発生する。当然Bodyへの攻撃性も強くなる。
・Bodyを地面に擦るRiskが増える。
・車高を下げるとリンクが内下がりになり仮想ロールの中心点が大きく下がる。その結果、同じ荷重がかかっても
ロールモーメントの増加となる。よってより硬いばねを使用してロールを止める必要が出てくる。
(更なる乗り心地悪化)
と言ったことを簡単に話した。
車の走行性能を考えるのであれば絶対にNG。
僕ならローダウンは絶対にやらない。
とは言え、車の楽しみはその車の性能を味わうだけではない。
所有する事の喜びもあるし、同じ車種でも他車との違い、個性を出すことによる喜びもある。
自分が格好良いと思った車に乗れることの喜びは大きい。
よって致命的な、極端なローダウンでなければ僕は特に否定はしない。
ドノーマルより、絶対格好良くなるもん。
ましてアルファードなのだから走りについては初めから期待していない訳であり、いじって楽しむ事は
十分にアリだと思う。
常識範囲内、公序良俗に反しない、法律を犯さない程度にやればいいじゃん。
僕はそう答えた。
後輩は恐る恐る聞いたと思うが、僕の意外な答えに驚いていたようだった。
ローダウンは特に古い車でやると格好が良いと思う。
90年代以前の車は皆ノーマルではタイア細く、フェンダーとのタイアの隙間が大きく、腰高な印象があったが、
少しローダウンして太いタイアを履かせると、今見るととても魅力的に映る。
こんなにしては車が可哀想、と思いながらもその佇まいを見ると容認してしまう。
先にあげたデメリットは確かに存在するが、それさえも目を瞑ってしまうぐらい格好良い。
年齢による懐古趣味なだけかもしれないけど。
全くのNormalのKPGC10 ハコスカ GT-R
いじらないでそのまま維持する、という事はとても大変であり、時代を超えてきた車は大変貴重です。
但し、希少性が高い車(台数が少ない、歴史的な価値が高い等)こそそのように扱うべきであり、量販車ではそのように
考えなくても良いと思う。このKPGC10 GT-Rは殆どがいじられており、このように発表当時のままで残っていることが
かえって希少性があると思いますね。
ただ、どう贔屓目に見ても、こちらがカッコ良い。
古い車の扱いについての考え方の違いではあるが、いずれにしろ僕にとってはどちらも「いいなぁ」と思わせるものがあります。
GC210 SKYLINE 通称Japan
開発主査であった櫻井曰く、「ケンメリが商売に偏った車になったので、この車ではハコスカに少し戻した」そう。
排ガス規制対応の中、SkylineにはもっとPowerが必要だ、といつも言っていたようです。
少し脂肪を削ぎ落した感じかな。
素直にね、もうたまらんぐらい好きです。
こういう感情ってなんだろ?
見ているだけでワクワクしちゃいます。
このGC210は後にTurboが出ましたが、"GT-R"はこいつで一旦途切れたわけです。
よってこうしてオーバーフェンダーを付けて、GT-Rっぽく仕上げています。
痺れちゃいますよ。
大事に乗って~。
おまけ
昔は今程車の設計に対する知識、設計技術、生産技術は高くなく、法制度は滅茶苦茶だった。
その中から生まれた車は購入後も人の手が入る余地がたくさんあった。
むしろ、後で手を入れた方が、走りは良くなることもあった。
しかしながら今の時代、迂闊に手を入れることはできなくなった。
バッテリー外すだけで走ることができなくなる時代だ。
綿密に計算され、設計され、製造され出来上がった車に素人が手を入れる余地は無い。
微妙なバランスで作られた車はタイア一つ太く、大きくしただけでバランスが崩れてしまう。
想定された性能が発揮できなくなるのだ。
交換する部品はMaker Optionであるなら良いが、Dealer Optionは気をつけた方が良い。
しっかりTestが行われて効果、もしくは悪さをしない事が保証されているもの以外はNGだと思う。
一部に特化したチューニングは可能だが、それを求めるには多くのRiskが存在するのが現代の車だ。