新型セレナが街で目立つようになってきた。

e-POWERは相変わらず納車は遅い様だが、3,4ヶ月程度と言われる。

少しは改善したのか?

ちょっと気になったので、総括です。

LUXIONという豪華グレード。およそ480万円。セレナに500万円だせってか??

 

プラットフォーム使いまわし

やはり4代続けてルノーと共同開発だったCプラットフォームを使っていました。

2005年以来、ずっと同じ。

多少パッチを当てて剛性の強化を図っているようですが、基本変わらず。

どこをどう強化したのか不明。

普通、捻じり剛性、曲げ剛性xx%向上!と言いたくなるところですが、その数字は出ていない。

まあ、ほとんど旧型と変わっていないという事でしょう。

e-POWER採用故に遮音性を高めている。ここだけは外せなかった。

 

サスペンション使いまわし

当然サスペンションもフロントストラット、リアはTBA、4WDはマルチリンク。

但しフロントのサブフレームはエクストレイルの物を使用し、横剛性を高めているそうな。

剛結しているようで、乗り心地には不利だが、ステアにしっかり感が出る。

スタビライザーの取り付け位置を変えたようで、効率を高めている。

リアはそのまま使用。

鉄パイプを曲げてダンパー、バネ、ナックル等を取り付けている。懐かしい形式。

4WDはマルチリンクだ!と喜んではいけない。古いもので、横剛性低い。

基準車とハイウェイスターでバネ定数、ダンパーの減衰力は変えていない。

4代目まではちゃんと変えていたが、5代目から開発工数の削減のため、同一になった。

ハイウェイスターは走りの車でなく、格好だけSportyということです。

但しe-POWERは重いため、多少設定は変えているよう。

パワステはコラムアシスト式からラックアシストに変更。これは朗報。

ラックにモーターを置くことで正確性が増す。またステア剛性も上がったようだ。

 

スタイリング

フロントウィンドウ、フロント、リアのサイドウィンドウは先代からの使い回し。

基本的にスタイリングは変わりようがない。 リーフ、Zに続き、この悪しき習慣はCost Cutに

大きな効果があると日産は学んでしまったようだ。

細かい所でいうとドアノブも一緒。

新しいVモーションの解釈でヘッドライトがグリルに埋まった。

革命的発想と喜んでおり、今後も横展開するのだろうが、アリア系Vモーションと併存するようだ。

 

スペース

プラットフォーム、ウィンドウが一緒ならパッケージングは変わりようがない。

開発者曰く、”これ以上広くしても意味が無い”という事らしいが、広くて文句言う奴もいないだろう。

言い訳すんな。

よってフロアが高く、乗り降りのし易さに関してはボクシィ、ノア、Stepwgnに遠く及ばない。

上記3車はフロアとステップに段差は無いが、セレナには大きな段差がある。

ここが売りにできないのは辛いと思うのだが。

3列シート使用時のラゲッジルームの狭さもマイナス点。

室内のドア側を薄くして、見た目の広さを演出するという努力をしている。

ある意味、パッケージングに関して開発陣は諦めているのだと思う。

 

インテリア

少し金をかけて良いと言われたようだ。質感が高いとまでは言えないが、比較的見栄えは悪くない。

例のボタン式シフトについてはやはりウォークスルーがしやすいと開発者が言っていた。

クリニックで押し間違えが無かった!と鼻息荒く語っていたが、そんなの当然で見ながら押すのだから

そう間違えることもないだろう。

問題は押し間違えよりも、目視し、指で小さいボタンを肘が安定しない状態で押すと言う

不安定な操作が必要であること。

シフトノブの操作性よりも確実に劣る。

台数の出ない、特別な車ならどんな操作でも許容できるが、月に1万台近く売れる車にこんな

操作をさせるなんてのは論外だと思う。

 

Power Unit

MR20DDはこれまでのエンジンと同様。N/Aだが、直噴採用。大した変更なし。

CVTに関しても同様。Mild Hybridは廃止。まあ、もともと意味が無かった。

e-POWER専用のHR14DDeが登場。

型式から分かるようにHR系がベース。従来のe-Power用エンジンより排気量を上げ、吸排気に

可変バルブタイミングを採用している。また直噴化している。

発電用エンジンに必要ないとも思うが、熱効率を考えるとこのような機構も必要だそうな。

NVに配慮がされているようだ。

ちなみに熱効率は40%だそうで、ようやくTOYOTAに追いついた。

MR20DDは少しおっとりした加速感で、セレナに合った特性のように思う。

e-POWERにはぜひ乗ってみたいところ。

 

HR14DDeのカットモデル。 背が高いけどSUV系搭載なので問題なし。

 

総括

e-POWERをより良くして売る、というコンセプトから新しい専用エンジンの開発と静粛性に

重きを置いたため、他に回すお金が無くなった、という印象。

それでも見た目品質は高くなっており、旧型よりも洗練された印象を与える。

この手の車を買う人の目にどう映っているのか分からぬが、商品性の高さは程々だろう。

外皮をひん剥けば、ほぼ旧来のまんま車であり、日産の事情が透けて見えてしまうこともあり、

個人的にはすっきりしない車だ。

事情が許さないのは分かるが、せめてCMF(Common Module Family)を使用して

真っ新な状況からセレナを開発して欲しい。

今回6代目セレナが売れず、フロアの高さや使い勝手にコンプレインが出てくるようであれば、

日産も考え直してくれるかな。

ライバル車に劣っている点にお茶を濁すようなことで逃げないで、正面から取りくんで欲しい。

一番の足枷は"国内専用モデル”であること。要は、台数が出ないから金なんかかけるなと言うお決まり。

他のメーカーも事情は一緒なんだけどけどねえ。。

 

家族が快適に移動できるように、ロールの制御や、出力特性、シートでの体の動きなどを考慮した、

とのことだが、ある意味、もうそんな事ぐらいしかやる事がなくなったとも言える。

酔い止めの方策の一つとしてフロントシートの肩回りのホールドを落とし、体の振幅の一を低くして

頭部の揺れを抑えたと言う。

言い換えると体の動きが大きくなる、という事。

考え方の違いかもしれないが、本来は動きを抑える方向で制御すべきだと思うのだが。

メカニズムにCostがかけられないと、新しいことができず、こういった細かい方に目が向く。

やはり全面刷新は今更ながら必要だと思いますね。

 

仲良く登場していただこう。

まずC25。2005年に登場。この時からシュプールラインを採用。視界の良さはこの車から。

 

で、C26。2010年に登場。この時にMR20が直噴化された。

そしてC27。2016年に登場。売りはプロパイロット。でもフラフラして駄目でしたね。

エクストレイルに採用した時はかなり良くなっていました。これは制御がうまくなったとも言えますが、

プラットフォームの出来の違いが大きいと、日産も認めてました。

途中からe-POWERが出て、日産を救ったとも言われました。

最新モデルのC28はこれら歴代モデルと中身は一緒と言っても良いでしょう。

18年前の電化商品はどうだったか考えるとちと驚きますね。

日産よ、何とかしてくださいな。