故あってND ロードスター 335km、10時間30分の運転

 

ND ロードスターに乗っている方とドライブに行く約束をしていたのですが、コロナ禍でもあり、

中々実現しませんでしたが、ようやく行くことになりました。

車2台で行くと思っていましたが、ロードスターで出かけるとのこと。

まあ、それも良いか。

 

朝7時頃待ち合わせ、当日行き先を決定。

いきなり運転を任され、ドライバーとして出発。

今回NAVIもなく、気ままな旅になった。(橋振りに地図を見た)

 

ND ロードスターは相変わらず小さく、凝縮感があって格好良い。

スタイリング優先で作られたBodyはとても魅力的に映る。

ま、それが問題でもあるわけだが。

シートを合わせると、ぴたりとポジションが決まる。

シートは幅が狭く、シーバックがフレームで吊ってある構造であるため、腰辺りの張りが弱い感じ。

ちょっと不安。

クラッチは軽く、スムーズにつながる。

シフトストロークは短く、初期の硬さが消えていてとても操作性が良い。

乗るときに頭をぶつけたが、これはAピラーがドライバーから見て手前にあるため。

これまでのロードスターはこのようなことが無かった。

ロングノーズ採用の弊害ですね。

 

まずは首都高速。

「ん?」

エンジンが重い。

うるさい。

回らない。

シャープさが無い。

こんな感じだったかな?

5000回転以上、回りたがらず、また振動も伴い、回転フィールが悪い。

まあ、MAZDAのレシプロエンジンで感心したエンジンは今までなかった。

こんなものだったかもしれない。

 

Open Carのためにまあうるさいこと。

Closedにして乗るOpen Carは音、振動共にかなり心身ともに疲弊することを思い出させた。

そのため流れに合わせてゆっくり走る事にした。

Open Carは速度を上げなくても速さを感じるし、そのため“安全”も付いてくる。

良いことだ。

 

千葉県に入り、高速度を降りて一般道へ。

ここで幌を上げる。

日差しがまぶしいこと。

これでNVからかなり解放される。

暑いけど。

 

乗り心地はタイアが小さく、細いこともあり、中々よろしい。

時折突き上げがくるが、僕の車よりは優しいほど。

まあ、Bodyが適度にしなっていることもあるのでしょう。

 

ステアフィールは悪くないが、NBの方が素直で、反力もあり、Direct感があった。

電動パワステの制御自体に違和感は無いものの、もうちょっとしっかり感があっても良い。

ステアに対してちょっと過敏なぐらいヨーゲインが高い。

車重の軽さが影響しているはずだけど、そういった設定なのでしょう。

それ自体嫌いではないけど、車は動くのに、体が後からついていく感じ。

これは車のZ軸慣性モーメントよりも後ろに座っているため。

一度横に振られてから回り込んでいく感じ。

車のノーズは即時回頭しているのに、人が後からついていく。

このズレがロードスターらしくない。

歴代ロードスターが持っていたSports Carたる所以であるこの動的資質の一部が

NDでは失われている。

発表直後に乗った時も同じように感じたが、当然今回もそれを味わった。

 

それ以外、走りには文句なく、乗り始めてからすぐに自分の手足になったような印象があり、

本当に運転しやすい車だった。

何よりも軽快感が強く、軽さは武器だとつくづく感じさせられた。

ヒール&トゥも直ぐに決まるし、初心者にも最適な車ですね。

 

Powerは132PSであり、街中でも少し引っ張り気味になる。

その時のエンジン音も少し気になる。良い音、抜けた音であれば気にならないけど、うるさいな、

と思うような音で、ちょっと気になる。

シフトダウン時回転を合わせるため空吹かしをするけど、そのタコメーターの針の動きは普通の

車のそれで、少しもSportyさを感じられないのも残念。

Sports Carにとって一番大事なのはPackagingであり、エンジンは二の次であることは

間違いないけど、もう少しレスポンスが良いエンジンであって欲しい。

何とももさっとしてフィールはちょっと残念。

 

千葉は意外と大きく、海沿いを走って海や、神社仏閣を見て回って寄り道をしているとかなり

時間を食う。

渋滞が無いのは助かるけど、NAVIが無いためどの辺を今走っていて、どれぐらい時間が

かかるのか予想ができない。

NAVIが体に染みついているのだと実感した。

 

八幡岬公園は人もいなく、地球の丸さを感じることができるぐらい広大な景色を

見ることができた。

人もいないし、風もなく、素晴らしい場所でしたね。

 

 

須崎神社、館山城址公園などを回り、帰路へ。

奇跡的に登りの高速道路に渋滞が無く、順調に帰宅することができました。

 

7時に出て、20時に帰宅。

その間に運転を変わることなく(運転したかった)、距離にして335km、運転時間は10時間半。

意外と疲れは少なかったように感じたが、家に帰ると疲れがどっと出た。

やはり音と振動は効果てきめんだ。

首と腰は翌日猛烈に痛くなった。

特に腰の張りは酷く、あのシートは少し役不足なのかもしれない。

 

ND ロードスターの評価は悪いものではなく、この時代、あのような楽しく走ることできる車が

少ない故にその存在感は以前より大きいように感じる。

そろそろ次期モデルの噂も聞くが、強いて注文を上げるとすれば

1. 歴代ロードスターのような動的資質の回帰

2. エンジンの質感向上(回転感、振動、音)

3. 駆動系のフリクション低減

4. ステアフィールの向上

5. 室内の物入の増加。せめてダッシュトレイは付けて欲しい

6. トランク容量の増加

NDのスタイリングで影響があったのは上記1,5,6。

ロングノーズをやめれば少し改善されるはず。

残りに関してはもう少しCostをかけないと実現できないかもしれないが、これからの時代を

生き残るためにも何とか頑張って欲しい。

お世話になりました。

 

おまけ

自分の車(BMW G20 330i)と比較するものではないけど、ステアの重さ、反力、

エンジンの回転感、静かさ、振動のなさ、剛性感、高級感、重厚感、フリクションの

少なさで勝ります。

当然目指すものが異なるので、良し悪しの問題ではありません。

とは言え、もう少しロードスターには全体的に質感の向上が必要であり、それが達成されれば

文句のつけようのないSports Carになるのかなと思います。

特にエンジンに関して最近のBMWに対し“黒子のようだ”、と文句を言っていましたが、

ロードスターに乗った後では”一つの理想形”と言っても良いような印象がありました。

 

兎にも角にもジジィに10時間30分の運転はさすがに厳しかったです。

 

BMW B48B20Bエンジン
黒子、黒子と言って申し訳なかった。良いエンジンだと再認識しました。

インタークーラーが水冷式なのを最近確認できました。

何故空冷をやめたのか??

空冷の方が冷えは良いはずですが、水冷は安定している。

また空冷に戻したという噂も。。。