BMW 420i グランクーペ

変わりたいのは分かるが。。。

 

見てきました。グランクーペ。

まあクーペと言ってもリアハッチがある車で、その影響をいろんな意味でこの車は受けている。

まずはSpec

全長4785㎜×全幅1850㎜×全高1450mm 車重1670kg。

Outputは420iで最高出力135kW(184ps)/5000rpm、最大トルク300Nm/1350~4000rpm。

基本的に4 Coupeに準ずる。違うのは車重。 BMWらしく、開口部が大きくなったことで

リア周りの剛性が落ちたため、手当てをしている。

下回りをのぞき込むと横剛性を高めるためのY字のブレースが追加されている。

旧グランクーペはさらにマスダンパーをぶら下げて共振を抑えていたが、今回の車には

それは見えなかった。

 

フロントは例の派手な中国市場を意識した大ナタぶった切りグリルが鎮座しており、見慣れてきたが、

決して良いデザインとは今になっても思えない。

全体的に2のグランクーペの親玉といった感じでスタイリング自体は綺麗にまとまっている。

2 グランクーペの寸詰まり感は消え、伸びやかに感じる。

まあ、4785mmもあれば当然か。

ハイライトはドアハンドルがBody面一になったこと。

ドイツ車は事故があった際に、救助隊の手では簡単にドアが開かない時に、機械をドアノブに

ひっかけてこじ開けるため、がっちりとでかいハンドルが採用されていたはず。

どんな事故が起こってもドアはすんなり人の手で開くもんだと保障したのか??

ドアノブ自体はしっかり作っており、剛性感は問題ないが、今更こんな処理をなんでするのかな?

理由は不明だが、

1つは見た目。Bodyに溶け込み、すっきり綺麗。

2つ目は空力かもしれない。

3つ目はCost面で安く上がったのだろう。

大きいドアノブがしっかり感を演出していたとも思うのだが、それよりもCoupeは繊細で、キレイに

仕上げたかったのかもしれない。

まあ、こんな車は買うことはないので、どうでも良いが、このドアハンドルがこれから

採用する方針なのかな。。

 

インテリアは4 Coupeそのまんま。

語るべき個所は無い。

 

Packagingはそんなに悪くなかった。

もちろんリアの頭上空間と、顔の横にピラーとルーフが迫っているが、そんなに醜くはない。

何とか4人乗れる空間だ。

但し、ガラスがスモークになっている事もあり、穴倉感、鬱陶しさは残る。

シート自体、サルーンと変わらないようで、これも問題なし。

 

総じてみると、サルーンではちょっと物足りないし、2Dr. Coupeは実用性ないので、、という方に

ピッタリ。お値段はM-Spoで660万円。サルーンの同じGradeと比較すると63万ぐらい高い。

で、問題は車重。140キロも重い。

Bodyが大きな事を差し引いてもリア周りはどうしても重くなってしまうのだろう。

僕の330iよりも40キロも重いのだ。

320iのOutputで140キロの差は大きい。

見た目でなく、走りを考えるなら320iの方が絶対におすすめ。

いくら補強していると言っても剛性感もサルーンには敵わない。

 

こういう車を作ること自体、BMWが市場迎合主義に転換したことを顕著に表しているのだが、

Mercedesがやったんだからこっちも指くわえて見ているわけにも行かないってことなんでしょう。

そうやって気が付いたら車種がべらぼうに多くなってしまい、出てくる車は熟成不足。

人手が足りないってことで、別会社に開発から生産まで丸投げなんてことが起きてくる。

もう何でもあり。

BMWだから良い車、なんて時代はとっくに終わっているんですね。

ミニベースの車(1,2シリーズ)の延長にあるのが3 Seriesだなんて事はあり得ません。

BMWを味わいたいなら3から。MercedesならCから。

いや、3 以下もれっきとした”BMW”と言うのであれば、以前ある高みに居たBMWが下野してきた、

という事になる。

問題はその値段。

下がったなりに価格へ反映させるってのが物事の道理だと思うのだが。

 

新しい価値観を生み出そうとするBMW。

古いものに固執する事の愚かさに気が付いたとでも言いたそうだが、古さと伝統を時には

はき違えることがある。

BMWはどう考えているのかな。

個人的にはどうでも良い。好きにしてくれって感じ。

このような車をBMWが作るとは思わなかった。

 

 

帰り際にX6を見ました。

ドノーマルらしく、綺麗な車だが、何となく高級感が足りない。

タイアはでかく、太いが、扁平率が50%のタイアを履いていたこともあり、精悍さは少し薄め。

黒いフェンダーのモールは塗装無しで、経年劣化で白くなるのは間違いない。

インテリアを見るとほぼ3シリーズのまんま。多少は変化を与えているが、大きな違いは感じられない。

シートの革も例のゴワゴワの固いシートだ。

馬鹿でかいグリルの内側の周囲にはLEDが光る。

夜になればあのでかいグリルの存在感が増すってわけ。

BMWキドニー・グリル・アイコニック・グローと立派なお名前が付いている。

幅は2メーター超え、車重は2240キログラム。

はっきり言って何もかも呆れる。何かがおかしいと言わざるを得ない。

これいくら?せいぜい800万円?と聞けばとなんと1000万もした。

調べてみるとX6 Xdrive35dが\9,970,000、そのM-Spoが\10,810,000

X6 M50iが¥14,020,000

Gradeはこれだけ。

結局のところ売る気があんまりないのだろう。

これからBEVだと言いながら、一方ではこんな大馬鹿車を作る。

これがヨーロッパのやり方である。

日本もHONDAの様に愚直にBEVまっしぐら!と言っているが、欧州メーカーは横目で見ながら

笑ってるに違いない。

これで1000万だってさ。何かがおかしいような気がする。

乗ればその重量からの高級感、重厚感で良い車と思わせるのだろうけど。

 

BMWキドニー・グリル・アイコニック・グロー!!!

こういうギミックを求めるのは日本人だけかと思っていたが、中国人も好きなんですね。

Mercedesはいつの間に吉利が筆頭株主になってしまったが、BMWもうかうかしておられん。

まあ、同族会社なので、裏切り者が出ない限り大丈夫だと思うが。。