BMW G20 320i、330i試乗
車購入検討に当たり、改めて乗ってきました。
乗った車はどちらもM-Spo。
以前細かく書いたので、今回は改めて気が付いたことを。。
SPEC
320i
4715×1825×1440mm、1560㎏
最高出力 184ps/5000rpm 最大トルク 30.6kg・m/4000rpm
330i
4715×1825×1440mm、1630㎏
最高出力 258ps/5000rpm 最大トルク 40.8kg・m/4400rpm
330iが重いのは装備と走りの強化による違いだ。
 
320iの試乗
軽快感が強い。鼻の軽さを感じる。ステアフィールは以前の油圧には敵わないが、特にM235iのような
違和感はない。ここは良い点だ。
ステアレスポンスも良く、やはりBMWらしく、キレがある。
インフォメーションも適度にあり、G20はこの辺りの制御と伝え方をF30からだいぶ修正したようだ。
エンジンは特別回るわけではないが、中々元気で、しっかりタコメーターチューンされており、
とても元気に針が動く。何とも気持ち良い演出だ。
エンジン音は以前、吸排気系をいじっていい音を出していると説明されたが、今回の試乗では
スピーカーから出していると説明された。
確かに窓を閉め切っているのにこんな良い音する訳がないな。
絶対的な力はないが、やはりエンジンを回す事を楽しませてくれるエンジンだと思った。
今回の乗って改めて感じたのは剛性感の高さ。
これは驚くぐらい強固で、少しびっくりした。
M235iよりもしっかり感があり、Benz C200よりも高いと思われた。流石に新しい車だ。
気になったのは19インチのタイア。
硬いだけなら体が慣れているが、芯のある硬さで、少しの段差でもかなり不快な突き上げがある。
ガン!と衝撃があっても角が丸ければ良いが、かなりキツイ突き上げがある。
突き上げは1回で収束されるのだが、ちょっと看過できないものだった。
19インチは見栄えが良いが、こりゃあ駄目かも。
なお、昨今作られた車の足回りは多少改善されたようであるが、試乗車の関係で
新しい車には乗れなかった。
 
330i
こっちは18インチの標準タイアだった。
走り出すとやはり力が違う。回り方もよりスムーズで、6500回転までしっかりと回る。
Speakerからの音は更にたくましくなり、何となく高性能なエンジンを回している気分になる。
M235iより良い音が作られている。
ステアフィールは基本的に320iと同様だが、こちらの方が何故かしっかり感がある。
おそらくハブが強化されているのだろう。適度にクイックであり、車が動きたがるような印象がある。
これを落ち着きないと感じるか、楽しいと感じるかでこの車の評価は分かれる。
乗り心地は18インチのためか、製造年月日の違いか分からぬが、角がある突き上げは影を潜め、
十分に納得のいく乗り心地であった。
ランフラットゆえにどうしても突き上げは強いのだが、モデルが変わる毎に洗練されて行っていると思う。
エンジン、重量が異なるためか分からぬが、330iには重厚感があり、まるで6気筒エンジンが
搭載されているように感じる。
営業さんも同意見で、高級感も感じられた。
A/Tは常にManualで、モードはSportsで走ったが、シフトチェンジの際のショックが少し気になった。
個体の問題なのか分からぬ。
以前の試乗車にはこのようなショックは見られなかった。
 
総評
強烈なBody剛性。
おそらく捻じり剛性だと思うが、全体で25%、局部剛性では50%向上している部分があるらしい。
特にフロントサスのストラットタワーがアルミダイキャストになったことで50%向上している。
これはフロントの乗り心地や応答性に効く。
足を固められたのはこの高剛性Bodyによるところが大きい。
その結果、ステアに対する動きが俊敏になり、遅滞なく動く。
そしてモジュラーエンジンの改良と制御のうまさ。
BMWとしては絶望エンジンと思ったB48B20Bだったが、レスポンスと回転の滑らかさ、
キレがかなり改善されたように思う。
これなら「良い、楽しいエンジン」と言えるぐらいになった。
BMWの基準として考えると今までのB48は熟成不足だったと思う。
 
インパネの造形や使い勝手など明らかに後退しているが、乗っていて「新しい車」を感じられる。
実は購入にあたってとても重要な事である。
 
運転していて刺激があり、やはりこいつもBMWなんだなと実感できる走り味だった。
先代F30は違和感が先に来て、良いところを探すどころではなかったのだ。
基本的に「こういった車なんだろう」と予想して試乗するものだが、F30はその期待を下回った。
特に走りに関しては全てが緩い方向で、BMWらしくない走りの仕立ては一体どうなったんだ?
と思わせるものだった。
それは現行5シリーズが出てきた時も同様に感じたものだったので、今回の3シリーズには期待は
できなかった。
が、それを裏切る出来の良さだった。
なんとかBMWもこの車で踏みとどまったと思える。
 
320iと330iの違いは過給圧の違いとAudioなどの装備の違いに留まる。あくまでもカタログ上では。
走るとしっかり感、しっとり感、重厚感が330iにはあり、走りの強化(サスペンション、ハブ、Bodyの強化等)
によってかなり異なる車になっている。
勿論、エンジンの吹きあがりも違うようで、比較すればその差は明確だ。
但し単体で乗れば、320iでも十分な速さと質感があり、BMW Japanが320i推しなのも理解できる。
実は330iはフロントブレーキのキャリパーが対抗ピストン式になる。320iではフローティングだ。
320iと330iのエクステリアに差異はないが、ここだけ大きく異なる。
走り好きには重要な差だ。
 
3シリーズは車好きとしてはやはり魅力ある車であるし、この車との生活は楽しくなると思わせる。
BMWらしい車になって戻ってきた事を評価したい。
 
ディーラーにて
こいつは320i 19インチタイアを履く。
横にある5シリーズに負けないくらい立派な車になった。
特に顔が大きい。もう少しコンパクトなら良いのに。
とりあえず走りはBMWらしい車になっていたのでホッとした。