車がでかくなってるよな。
ポルシェ タイカン 4963X1966X1378 2295㎏
ジャガー F-Pace 4737X2071X1670 20270㎏
ポルシェ 911 カレラ 4S 4520X1850X1300 1610㎏
BENZ EQC 400 4761X1884X1623 2495㎏
フェラーリ F8 4611X1979X1206 1330㎏
BMW 118i 4335X1800X1465 1410㎏
BMW M5 M 4938X2015X1748 2310㎏
HONDA FIT NESS 3995X1695X1515 1080㎏
BMW M235i 4470×1775×1410 1550㎏(自分の車)
 
さっと直ぐに分かる範囲で上げてみたが、全長、幅、車重共に皆大きく成長している。
これは何でだろうか?
以前メルセデスがどんどん大きくなっていった時に世界の人の平均身長が伸びているので、それに
合わせていると言い訳し、失笑を買ったが、今ではBMWも同じことを言って後ろ指を指されている。
どう考えても詭弁にしか聞こえないからだ。
全長、全幅が伸びてるのは当然スタイリングに自由度を持たせ、商品性を上げるための手段だ。
大きくなることで面を豊かに表現でき、個性も出しやすくなる。デザイナーは1センチでも自由にできる
余裕ができれば大いに喜ぶという。
特にサイドに関してはそれが発揮されやすい。
我々日本人は税制の問題から1700ミリ以下の車幅が殆どだった。
それ故に昔の国産車は1695ミリの範囲でどうやってサイドの面を豊かに見せるかが
デザイナー、クレイマーの腕の見せ所でもあった。
1700ミリの税制が取っ払われたことを境に、国産車も変わっていったが、その縛りはまだ存在する。
上記ではHonda Fitだ。頑なに1695ミリを守っている。
さて、こういった世界の潮流である拡大路線は中々止まるものではない。
Dセグメントまでは1900ミリは当たり前になってしまっている。とくにSUVに関しては1900ミリが
基準になっているとさえ感じる。
外国ではこの拡大路線についてどのようにとらえられているのか知らぬが、少なくとも
日本市場においては駐車場が問題になってくる。
少なくとも我が社の地下駐車場では1850ミリ以上の幅があると入庫できない。
M2 コンペが僅かにはみ出ているため、購入できないと自分に言い聞かせたが、マンションの
立体駐車場や、自宅の車庫に入らず、仕方なく下のクラスの車、所謂ダウンサイジングを行う例が
増えているとのことだ。
実際に巨大化したことでパッケージングは優れたものになっているのだろうか?
BMW 5シリーズで言えば、永島譲二のデザインのE39、クリスバングルのデザインしたE60までは
申し分ないパッケージングであったことを覚えている。
ところがそれ以降、F07からは明らかにそれは後退している。
勿論Bodyがどんどん大きくなる一方だが、それが全くパッケージングに寄与していない。
ホイールベースが伸びるため、膝周り空間は広がるのだが、頭上空間は狭くなり、シートの座面を
低くするため、腹が圧迫されるようなパッケージングになる。
 
これはG30でも一緒だ。
E60のような高い位置で座らせて、足が下にすとんと落ち、膝裏のサポート感あるようなものは
今は得られないものだ。
BMWだけでなく、BENZも同様だ。
W124、W210は素晴らしい後席の居住空間を持っていたが、W211からはとても無残なものになった。
シートの素材も変わったのも大きいが、あの完ぺきだった空間が見るも無残なものになった。
”寝かせて座らせる”のが欧州の潮流ではあるが、それはスタイリングを重視した結果に
過ぎないのではないか。
大きくなったのは乗る人のためでなく、ディーラーで格好良く見せるための手段なのだ。
もう一言いえば、大きいことが偉い、という古い価値観を持つ中国市場の影響である。
車重についてはある意味許容すべき面もある。
対衝突安全性、操安性、自動運転等考えれば車を丈夫に、剛性感高く作らなければならない。
ある時期、国産車の車重が重くなったのもそのためだ。
ところが最近は対衝突安全性に目途が立ってきた。BENZが直列6気筒を復活させたのもその理由だ。
また、解析能力が高まったことからどこを補強し、何をすれば操安性に影響があるか
見えてきた部分もある。
よって車は軽量化に進んでも良いと思う。
だが、状況はそうではない。
確かに車が大きくなっているのに先代と比較して大きく車重が増えていない、実質XX㎏重量が減ったと
良く書かれている。
が、実際はとんでもなく重い車が多い。
上記に挙げた車は2トンを超えているのだ。
 
重くなる理由はいくつかある。
エンジンの過給機だったり、豪華な装備だったり、NHVを抑えるための防音、吸音材。
EBVは蓄電池が重い。
更に大きく、重くなった車をちゃんと走らせるための様々な電子デバイスだ。
大きくなった車をまともに走らせるためにはBody剛性を上げる必要があり、また電子デバイスが更に
必要となる。重くなれば燃費が悪くなるのでエンジンには更なるデバイスが加えられる。
正に重量増加のスパイラルだ。
確かに軽くするためにはお金がかかる。
でも重くしたことによるマイナス要因をリカバリーするためのデバイスは同じくらいお金がかかるはずだ。
本当にECOを考えているのであれば、どちらを選択すれば良いか誰だってわかることだ。
結局のところ、メーカーはECOなんてのはどうでも良く、車が少しでも高い値で売れるかどうかが
重要であり、その商品性を上げる事しか考えていない。
500、600PSの出力を持つ車がどんどん出てくるのは主たる現象だろう。
ヨーロッパの奴ら何て結局2枚舌なんだよ。
 
BMWX5をまじかで見るとグリルの馬鹿でかさに呆れながらもその躯体の大きさに圧倒される。
こんな車を運動させるエネルギーは相当なもんだなと誰でも直観的に分かる。
が、実際に走らせると重さを感じさせないくらい快適で速い。
素晴らしい技術だと思うが、こんなに軽快に走らせるためのCostはどれほどのものだろうか。
そして地球環境を考えれば明らかに無駄なものだ。
 
真面目にECOを考えるならばCO2の排出量も大事だが、重量規制をメーカーへ課せば
良いのではないか。
全生産数の平均車重を例えば1200キロの設定し、それを超えるようであればメーカーの違反金を
支払わせる。
これをやると自ずから車が小さくなり、エンジンも小さくなる。機械はシンプルになり、軽量化技術が
進み、対衝突安全性も高まり、自動運転の開発も楽になる。燃費だって勝手に良くなる、
ECOにもつながり、良いこと尽くめだと思うのだが。
まあ、EUは絶対やらんだろうけど、
 
僕が以前乗っていたR30 Skyline 2000GT-X TURBOは、 4595X1675X1360 1185㎏ といった
Specだった。小さく軽い。
この車の剛性はそれはもう酷いもんだった。
しかし使用するにあたって何も不満は無かった。パッケージングについてもだ。
今の技術でこのサイズのFR セダンを作ればさぞ良い車ができるに違いない。
変な電子デバイスを避け、素直に、シンプルに、そして強い作り手の意思があればそれはできる。
問題は売れるかどうかだ。
車の本質の良さだけでは売れる時代ではない。
商品性の向上の名のもとでは恐らく難しいだろう。
大きく肥大してしまった車が小さい車に方向転換するのはまだ先である。
そしてかなり難しい。
 
少なくとも中国市場に変化が起き、気候変化が目に見えて変わらない限り、今の路線は終息しない。
武漢肺炎がその契機になるかはちょっと不明だが、何かしら変化がある事を期待したい。
 
今乗っているM235iは前車の135iより10センチ長く、2.2センチ広くなっている。
全高1410、車重は1550㎏で一緒。
大きくなっているが、車重は変わっていない。
と言うことは軽量化の技術が使われてると思われる。
が、直列6気筒 TURBOがフロントに乗っているとは言え、やはりこれは重い。
M235iより大きいR30 Skylineは同じ直列6気筒 Turboで1185㎏。
365㎏の違いは大きい。
単純に比較するものではないが、一つの指標になるように思う。
もしM235iが今の性能を保ちながら1200㎏だったらどんなに素晴らしい車になるだろうか。
値段は1000万超えるだろうけど。
 
おまけ
BMW M850i xDriveグランクーペ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5085×1930×1405mm
ホイールベース:3025mm
車重:2090kg
駆動方式:4WD
エンジン:4.4リッターV8 DOHC 32バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:530PS(390kW)/5500rpm
最大トルク:750N・m(76.5kgf・m)/1800-4400rpm
8シリーズは世界的に売れていないらしい。
4WDにするのはこのPower、トルクを後輪だけでは受け止めるのは難しいからしい。
で、4WDにして重くなる。
重くなれば遅くなるので更にPowerを上げる。
阿保の極み。
中国だけに売れればよいとでも思っているんかな?
実質燃費は市街地、高速含め7キロ前後。
頼むから金の使う方向を改めてくださいね。
 
長いのう。
BENZ CLSが出た時はだれもが馬鹿にしたが、世界的なヒットを横目にBMWも
我慢できなくてこんなのを出した。
6シリーズ グランクーペはこけたにもかかわらず。。。
ある記事で、「足元の空間は広くてびっくり、足も組めそうだ」と。
「驚くのは上下方向の広さで、広々としていないが、狭くもない」と書いている。
この記者、車の大きさを忘れている。
実は狭くても快適な空間はできるのだが、それはシート、視界も含まれて評価できる。
この車はシートは座面を落とし、クッションも削っている。
そこまで加えて評価して欲しい。 広いなー、なんて子供の感想だ。
 
いつの間にかカタログ落ちの6 グランクーペ
そう言えばホテルの発表会に呼ばれて見に行ったっけ。
金持ちばっかりで嫌になった記憶がある。 この車のリアもまともに乗れなかった。
シートの出来は良かったが、スペース的に厳しかった。
売れなくてよかった。