ウォーレシアと言われても何?と思われる方が大半ではないだろうか。インドネシア東部の島嶼地域である。これだけではピンとこなくてもコモドドラゴンが生息するコモド島が含まれると言えば「あーあ」と思われるかも。
新型コロナ禍の直前に私とカミさんが最後に訪れた外国はインドネシアのウォーレシアだった。カミさんがコモドドラゴンをどうしても生で見たいと言ったからだ。私も異論はなかった。死ぬ前に一度は世界最大の「コモドオオトカゲ」を見てみたかった。
東京からウォーレシアへの直行便は飛んでいないので同じインドネシアのバリ島を経由することになる。

バリ島に到着した。
インドネシアのジャワ島とバリ島は以前来たことがあったので今回は二度目となる。前回と同じく今回もクタの街に宿泊まる。
前もそうだったが、やっぱりバリは暑い。しかしクタの街は大変貌を遂げていた。30年ほど前のクタは道路の舗装率が低く、街なかの狭い道路を土埃を上げてバイクが走っていた。そして暑い空気はゴミ捨て場のような匂い(果物ドリアンの匂い)を漂わせていた。それが今では拡張された道路は舗装され、車が渋滞している。ドリアンの匂いもあまり感じられない。海岸近くには立派なショッピングモールを構え、中に入ると冷房が効いていて快適だ。すっかり現代的な観光地になっていた。

ホテルもすっかり様変わりしていて、今回泊まったホテルも大きな吹き抜けのある立派なエントランスを持っていた。バリならではの大きなガルーダ(バリ島の神様)の像も聳えている。海に面したホテルの中庭も芝生がよく整備されていて、まさに南の島のオシャレなリゾートホテルそのもの。昔を知る者としては隔世の感がある。
ウォーレシアへ飛ぶ飛行機は明日の出発なので、この夜はホテルで開けた窓から入ってくる潮騒を聞きながら眠りに付いた。