世の中の自分の理解を超える物事に対して男と女では次のアプローチが異なる。(もちろん先にも述べたように男すべて、女すべてというわけではない。あくまで一般論としてである。)

 

まずはUFОについて。あ、ちなみにこの読み方はユーフォーではなくユー・エフ・オーである。日本ではピンクレディーの曲の大ヒットによってユーフォーという読み方があまりにも一般化してしまったが、UFОという用語が生まれたアメリカでは誰もそんな呼び方はしない。これはVIPをヴィップと呼んでしまう日本オンリーの話。

あ!ついでに言っておきたいが日本のマスコミってなんて雑なんだろう。映画「STAR WARS」を今でこそ「スターウォーズ」と呼ぶが、映画が最初に公開された年から相当の期間「スターワーズ」と呼んでいた。これはマスコミの誰かがよく確かめもせずに「スターワーズ」と呼んでしまったのがいろんなマスコミで広まってしまったものと思われる。一度広まってしまうと、それを訂正するのはとても難しい。かなり長いこと「スターワーズ」と聞くたびに耳障りで気持ち悪い思いがしていた。今だに同じ事が起きていて、賞を意味する「AWARD」を「アウォード」と呼ばずに「アワード」と呼ぶ。国内でよく英語圏のハーフの人が賞の司会をしていて、本人は当然正しい呼び方を知っているはずなのに「アワード」と呼んでいるのは痛々しい。
 

話をUFОに戻そう。私の少年時代に「コズモ」というUFО研究専門誌があった。A4のぺらぺらの小冊子で一般の書店では販売されてなく通信販売のみだった。のちに「UFОと宇宙」と誌名が変更されたが、きわめてまじめにUFОの検証をしていた専門誌で、その後に出版された有名な「ムー」のような半分トンデモ本とは異なり日本を含めた世界各地での目撃例やその写真を掲載していた。その当時、まだそれほど世間に知られていなかったUFОの情報や、今ではちょっとマユツバなアダムスキー型円盤の写真などにいつかは自分もUFОと遭遇したいと胸躍らせていた。「ムー」以降に出現した呪文を唱えてユーフォーを呼ぶとか、金星人と友達だとかいう人達がまだいなかった時代の話だ。
 

閑話休題、もう一度話を戻すと、自分の理解を超えたものに対して男は何とか理屈で説明して納得しようとする。女はそのままで受け入れようとする。

UFО(未確認飛行物体)の場合、男はそれが何なのか一生懸命に探り、考える。慣性の法則を無視したようなジグザグな飛び方をするものはいったい何なのか?地球上の科学では造りえないからきっと宇宙人の乗り物に違いない。または球形を成すプラズマが何らかの気象条件で発生したに違いない…とか何かの光が反射して作り出した虚像だとか説明がつく理由を何とか探して自分が納得しようとする。

女には目に見えたのものがそのままUFОとして存在する。あるいはそんな物あるわけないから目の錯覚でしょう

…か宇宙人の乗り物?バカバカしい!で納得できる。

女にとって、そんなことより現実的な身の回りの問題…会社での仕事をどうこなすか?家事をどう工夫したら楽になるか?お金をできるだけ使わず貯金を増やすにはどうしたらいいのか?などのほうが重要なのだ。男にとって他にも雪男=ビッグフットはミッシングリンクなのか?やミステリーサークルは宇宙人が作ったのか?やオーパーツは古代に宇宙人がもたらした物か?超能力はあるのか?などの問題がある。
 

女にとって理解を超えたものとして特に人気が高いのが霊、超能力、魔法だ。

 

男にとって霊の問題とは人間の側の肉体面、精神面の疲労、または異常に高い磁場などの外的要因が人の感覚を狂わせているのではないか?といった存在しない理由を探るもの。

超能力?△あるかも。現代の科学ではまだ解明できないが否定まではできない。

魔法?何の合理性もなく、願ったように事が運ぶ?そんな都合のいいものあるわけない。

 

そして女にとって霊とはあって当たり前のもの。そこに存在するのに物理学はいらない。体感的にその存在を感じているから何も証明する必要はない。ユーフォーなんていないけど霊はいる…ということになる。

 

女の社会では昔からたいていクラスに1人くらいは霊感が強いと云われる子がいる。そういう子はクラスの隅で友達の手相を見てあげたり、タロットカードで占ったりしている。そういう子は幽霊が出るといわれる場所に行ったりすると霊の存在を強く感じたりするらしい。

男の目で見ると、それはそういう場所だと聞かされれば気持ちの上でまず構える。そして強い緊張と高まるだけ高まった集中力で、普段とは比べ物にならないくらいに五感を働かせるために普段では感じることのないちょっとした違和感を感じ取ってしまうという事ではないかと思う。

だから何でもない場所でも同じように緊張して意識を五感に集中させていると同様のモノを感じるのではないか。

よくあるケースで壁に付いたシミ・汚れなどが怨みがましい顔に見える場合。

壁のシミなどほんとにちょくちょく顔のように見える。人間は進化の過程で人の顔を判別することにはとても敏感になってきた。サルの時代からボスの顔が笑っているのか、怒っているのか、悲しんでいるのか瞬時に見極めないと生き延びていけないからだ。だから少しでも顔らしい要素があれば瞬間的に顔と判断してその表情を正確に見極めなければならない。壁のシミなんかあっちでもこっちでもいくらでも顔に見えてくる。

上にふたつ、下にひとつの黒い点が在りさえすれば長きに渡って進化してきた人の脳の働きで目と鼻に変換されて、顔と認識されてしまうのだ。ただ、こんな分析は女の頭には入っていかない。それこそ男が何だかんだ理屈をこじつけて否定しているだけとしか思わないのだ。

 

さて、女は魔法も大好きだ。実際アメリカ、ヨーロッパ、アフリカと世界各地に現在でも魔女と呼ばれる女達はたくさんいる。姿かたちは様々だがそれぞれ女の社会では存在感があるようだ。

全身黒ずくめ、三角帽子でほうきにちょこんと座って空を飛ぶ魔女の姿にあこがれない女の子はまずいないだろう。どんなに難しい望みも呪文を唱えて魔法の杖を一振りすれば叶ってしまう、莫大なお金もいらず、巨大な機械や大量の電力もいらない…とっても便利。

だから女性をターゲットにしたさまざまな商品名にはやたらと「魔法」が使われる。いわく「魔法のフライパン」・「魔法のシミ消し」・「魔法のぞうきん」・「魔法の爪切り」・「魔法の包丁」・「魔法のコルセット」等々…

女にとってどうやら「便利」と「魔法」は同義語のようだ。