愛媛県松山市 裏千家茶道教室「晃々庵」こと島﨑宗昌です。教室の案内は⇒こちら 

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過日、ある会の水屋仕事を受け持ち、私が炉に下火を入れたところ、色々ご意見を頂き、その後も色々ご意見がありましたので、下火炭の入れ方を再考したく思います。

 

 

お家元のお側で修行中、月に一度総出で自分たちで使う炭切りを行いました。土嚢袋に入れられた約1メートル位の一本の炭に定規をあて糸鋸で切っていきます。木を窯に入れて炭を作りますので、当然、炭も根本が太く先端が細くなっています。根本の太い部分が胴炭になり、そこから順に毬打炭、先端の方が管炭になります。毬打炭はたくさん取るので太い物からだんだん細い物ができます。作業で難しいのは、毬打と管炭を半分に切って割毬打、割管炭を切る事です。いつも失敗して屑炭を沢山出してしまいました。(この屑炭は丸炉用に使うので無駄ではありません。)

 

炭手前の時躰さんから、炉中に一本の木を再現するように炭を継ぎなさいとご指導いただきました。

胴炭から、毬打、割毬打、毬打、管炭、割管炭、最後に木の梢の枝炭を継いで炉中に一本の木が再現されます。(ここまでは皆さんご存じのことと思います。)

 

では本題の下火については如何でしょう?同じ太さの毬打を探して入れたり、全く太さなど殆ど気にもしていない方が多いのでは。でも、自分で炭切をすると分かるのです。同じ太さの物など無いのです。一本の炭から毬打を切り出すと必ず大中小の毬打ができます。ですから、炉中に下火をいれるときも一本の木を再現し、大中小の下火を入れるよう意識します。(躰さんの受け売りですが。)

 

左に大、右に小、手前に中を置いています。下火を直して中を向うに移して右回りに大中小となります。

 

ここに書いた事は、私をご指導下さった躰さんと炭切体験をして理解した事を基に書いていますので、別の躰さんは違う考えを持っていたりしますので、絶対ではありません。でも、何かの参考またはお茶を理解するうえで考えるきっかけになれば幸いです。

 

追記、淡交社の「茶の湯の基本 灰と灰形」の表紙も大中小と下火を入れています。

 

※淡交社の「茶の湯の基本 灰と灰形」参照