Thunderbirds Are Go! | をもひでたなおろし

をもひでたなおろし

2024年に還暦を迎えた男のブログ

「国際救助隊」僕と同世代の男なら、この名前に胸ときめかせた事があるだろう。

 

 

1965年から1966年にイギリスで放送されていた「人形劇」(Supermarionation)による

特撮テレビ番組「サンダーバード」。本国での大人気を受けて日本でもNHKで1966年から

放送された。さすがに1964年生まれの僕は日本での最初の本放送は覚えていない。

僕の一番古い記憶はNHKの本放送が終了した1967年7月からのTBSの再放送で

その時は日本語のテーマソングが流れていた。大人になってから知ったが

オリジナルの本国版(つまりNHKの本放送時)には当然そんなものはなく

バリー・グレイの勇ましい「サンダーバードマーチ」が流れるオープニングだったそうだ。

僕が必死にテレビを見ていた頃は日本語のテーマソングだったので、TBSの再放送で

4歳ごろの記憶なのだろう。

 

「サンダーバード」のちの日本の特撮番組に多大なる影響、特にサンダーバードの

発進プロセスなどは円谷プロの「ウルトラセブン」などにその影響を見つけることが出来る。

日本の忍者屋敷のカラクリのようなプロセスでサンダーバードメカに乗り込む「人形」

(人間ではなくて)が本当にサンダーバードに乗って災害救助に向かう。という

妙な「リアリティ」を与えた。

 

 

僕はこの特撮番組に相当参ってしまい、今井科学(って今でもあるのかな?)から

発売されたサンダーバード2号のプラモデルを幾つも買ってもらった。何しろ4歳なので

自分で作ることが出来ず、オヤジに作ってもらうのだが、オヤジは根っからの不器用で

何とか形になったサンダーバード2号は僕が遊んでは壊し、また新しいキッドを買い求め

作ってもらう。自分で何とか組み立てられるようになったのは5歳くらいだったと

思うので、それまでオヤジは何度もサンダーバードのプラモデルを作らされる羽目になった。

不器用なオヤジからすればかなり苦痛だったのではないだろうか。

 

 

 

当時の子どもたちにはこのサンダーバード2号が大人気でいろんな玩具が発売された。

プラモデルもスタンダードサイズの250円から600円くらいの大型のモーターで動くものや

2号が救助メカを搭載して現場まで運ぶコンテナ(本国版ではPODと言うそうです)など

プラモだけでも結構な種類があった。中でも「秘密基地」(トレーシーアイランド)

を模した超大型プラモデル(子どもじゃ抱えられない)はデパートや模型店の一番

目立つ所に鎮座しており価格はなんと2200円だった。

 

 

忘れもしない。その秘密基地が欲しくて何度もねだったのだが

その外箱の大きさにオヤジはビビって「こんなものよう作らん」と思ったのだろう。

ついに最後まで買ってもらえなかった。ラーメン一杯が150円だった頃の

2200円は4歳の子どもがねだるには、かなり高いハードルだったのかもしれない。

 

「秘密基地」はさすがに買って貰えなかったが、バンダイ製の有線リモコンで動く

サンダーバード1号や2号、電池で回りながら動く5号、なりきり救助隊隊員のタスキなど

殆どの玩具は買って貰えた気がする。なにしろ初孫だ。欲しい。と言えば大抵のものは

買って貰えた。こうして僕は甘えたガキになっていくのであった。

 

5歳になり「サンダーバード」に続くSupermarionationで作られた次回作

「キャプテンスカーレット」(Captain Scarlet and The Mysterons)にも熱狂した僕は

やはり今井科学のプラモデルを買って貰っていたが、世間的には「サンダーバード」より

盛り上がりを欠いた「キャプテンスカーレット」は、その難解複雑な設定

(主人公が死んでも死なない。敵であるミステロンが見えない敵であるなど)が

当時の子どもたちには不評で僕の熱もあっさり覚めて、やがて円谷プロの

「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の再放送に興味をそそられるようになっていく。

 

 

余談だが、「サンダーバード」や「キャプテンスカーレット」を作り出した

ジェリー&シルビア・アンダーソンの作品はその後「ジョー90」や

Supermarionationから初めて実際の俳優で作った「謎の円盤UFO」は日本の特撮映画に

更に影響を与え、あの「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督には特にその影響が

多く見られて、彼の作品を観ていて思わずニヤッとしてしまうのは僕だけではないだろう。

 

 

そう、庵野氏だけでなく、「僕らの世代」はこういう世界で育ってきたのだ。