学活や学級・学年便りのネタになりそうな話題を・・・。
「日常生活」に関するお話です。
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見知らぬ子の善意 (神奈川県 無職 92歳)
相変わらず30度を超す暑さだった9月のある夕方。運動をしない私は、もうすぐ93歳になる身体のためにも散歩がてら近くのポストまで趣味の俳句を書いた手紙を入れてこようと思い定め、外出することにした。
家からポストまでは下り坂が続く。心して、決してころばぬよう慎重に下りはじめた。坂道を3分の2ほど過ぎたところで、白いシャツに黒いズボン姿の高校生くらいの子が目の前に現れ、私に声をかけた。
「その手紙、僕がポストに入れてきてあげます」
見知らぬ子のさわやかな声と予期せぬ言葉。こんな子が近くの団地に住んでいたかなと思いをめぐらせながら、「お願いします」と手紙を渡した。
立ち止まって様子を見ていると、ポストに手紙を入れて戻ってきた彼が「入れましたよ」と伝えてくれた。思わず「ありがとう」と2回もお礼を言うと、そのまま去っていった。
彼が登っていった坂を見上げながら、きっと良きご両親に育てられた子なのだろうと感慨に浸った。このような子が日本の将来を支えてくれるのだから、未来の日本は明るいと思った。戦争を経験した過去を思い出しながら。
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未来の日本は明るいと感慨に浸る戦争を経験したおばあさん。思いやりある高校生のふるまいが印象的でした。