ゾッとする〇〇

 

 

 

 

 

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「別に何もしないよ」

「ちょっと話したかっただけ」





「何を、ですか」

「お話することなんて、なにもないです」と、私。





「しましまちゃんの彼氏に話をつけに来た」と、男。






は?

何の話?





私の名前を知ってることも、

いまさら驚きもしませんでした。





ただ、気持ち悪い、とだけ。





警察に相談もしていましたが、

何の被害もないことから、

まともに取り合ってはもらえませんでした。

(今はどうかわかりません)







この男が変態だってことは、

もう分かってたけど。



私は無力でした。






「ここで大声出したら、彼氏が恥かくよ」


「問題起こしたら、

彼氏の仕事がヤバイんじゃない?」







そのとき。



夫からの着信だ、直感しました。

バッグの中で携帯のバイブが

鳴る音がしています。





どうしよう、電話に出たい。

でも、電話に出たら、

もっと酷いことをされるかもしれない。



汗が首筋を伝うのがわかりました。







どこに夫がいるのかわからないけど、

とにかく逃げなきゃ、と思い。




私は腹を決め、

力いっぱいバッグを男へ投げ付けると同時に

基地の方へと猛ダッシュしました。





叫ぼうと思ったけど、

喉が詰まって声が出なかった。




男が追いかけてきたかは分かりません。







私が走った方向に

夫がいるかはわからなかったけど、

とにかく基地の方面に走れば

守衛さんか誰かはいるはず、と思いました。






街灯もまばらな道、

もう辺りは暗くて、

ここで捕まったら終わりだと思い、

ただただ走りました。





そのうちに人影が見えたので、

「た、助けてください」と助けを求めて。





それは夫の知り合いの方でした。

ちなみに、インパ●スの板倉さんそっくり。




そのうち、

どうしたどうしたと夫の知り合いの人たちが

集まり始めて。






迎えに来たのは夫だけだと思っていたら、

このあと飲みに行こうと思っていたらしく、

知り合いの人たちも数人いたのです。





私がいないということで、

ほうぼうを探してくれていたみたい。








私のことを追いかけてきた男は、

こんなにも多くの自衛官がいるとは

思っていなかったのでしょう。




ヤバイと思ったのか、

急に方向転換して逃げようとします。





「ちょっとお話伺ってよろしいですか?」と、

男の退路を絶ちながら

有無を言わせぬ圧を掛けて

問いかける夫と夫の知り合いの人たち。




その間、

夫は男から私を隠してくれていました。







男は、

「しましまちゃんの彼氏と話をつけたい」と

言っていたわりには、

夫に何を聞かれても終始だんまりで。




結局のところ、

男の本当の狙いや何をしたかったのかは

男の口から語られることはありませんでした。





また、

男は自衛隊の作業服を着ていたので、

「どこのどいつか特定して警務に報告する」と

夫が身分証提示を求めたのですが。





男は自衛隊関係者では

ありませんでした。



ただ、

レプリカの作業服を着ていただけ。



夫の仕事上の知り合いだと

私に信じさせるためだったのかもしれません。






その後、警察に男を引き渡し、

状況を説明しました。





その日は飲み会どころの話では

なくなりましたが、

男が警察に引き渡されたことで

心の底から安堵したことを覚えています。






その後、すぐに官舎を出て、

官舎からは遠方のところに引っ越しました。




それからしばらくの間、

警察から安否確認の連絡が来ていましたが、

あの男を見ることはなくなりました。






別に何をしたわけでもないのに、

突然つきまとわれて。



果てしない恐怖を感じました。





それから私は護身のために

キックボクシングを始め。

(今はやってないよ)


身体つきや顔つき、雰囲気が変わったためか、

このように危険な目に合うことは、

今の今まで繰り返されていません。





変態ってほんと身近にいるんですよね。




みなさまもお気をつけて。