2030万博に名乗りを挙げて、リヤド(サウジアラビア)に敗れた釜山。そのショックが尾を引く気配はない。開発にブレーキが掛かることはない、元気印の釜山である。

 釜山市が発行する日本語新聞「だから釜山」2月号を見ていたら、「釜山文学館、釜山コンサートホール、釜山オペラハウル建設推進 釜山市立美術館を大幅改装…2026年リニューアルオープン」という記事を見つけた。

 釜山を訪れた観光客が長期滞在できる「癒しの観光地」に変えていこうというシナリオで、市は施設拡充、新設を目指している。

 ①  釜山文学館は金井区、②釜山コンサートホールは西面、③釜山オペラハウスは釜山港北港に建設される。開館目標は、①2028年、②2025年、③2027年。

 

 釜山市民公園に造成中の釜山国際アートセンターの鳥観図を「だから釜山」に掲載していたが、斬新なデザインである。

 「韓国の面白さは、建築やデザインにある」といった釜山好きの友人がいっていたが、その通りであろう。高層ビルが林立する都市に、癒しの空間を作り出そうとするかのように,奇抜な形、ユニークなデザイン性ある建築が、釜山の新都市を歩くとみることができる。

 

 海雲台の新世界百貨店センタムシティ店、機張郡のオシリア観光団地内のテ-マパーク「ロッテワールドアドベンチャ釜山」

上記の地域には、観光客で行く人も限られるのではないか。

 「外国人観光客をとりこにした釜山の名所」として、観光旅行社「Trip.com」が挙げるのは、①甘川文化村、②海雲台海水浴場、③海東龍宮寺、④広安里海水浴場、⑤釜山アクアリウム(水族館)

 

 九州人並びに在日コリアンにとって、韓国旅行といえば、「釜山」という人が多く、行く目的としてはグルメ、ショッピング、温泉をあげる。「韓国といっても、私らには身近な釜山で十分」と声も聞く。

 これには、北部九州、とりわけ福岡にとって距離的に近い釜山には、ソウルの魅力に劣らないものがいっぱいあるということ。福岡には釜山ファンが多いということは、それだけ身近な都市である証明にもなろう。

「ソウルは疲れる。それに比べれば、気楽な釜山が年を重ねるにつれて、親しみが湧く」とは、福岡韓国教育院で韓国語を学ぶ、中高年の受講生である。

「学んだ韓国語を、釜山で使う。勉強した手応えを、釜山で実際に感じられるから、韓国語学習もやめられないし、釜山旅行もやめられない。この連動した運動が、精神的にもとてもいい」

 ある受講生の話に、納得したし、共感した。「釜山に何回行ったかな。100回は超えてるかも」という受講生がいることに、驚いてしまった。