活学としての東洋思想 人はいかに生きるべきか(PHP文庫)
安岡 正篤
本書については、以前ブログ(リンクはこちら)に書いたことがあります。
2002年8月以来、6回目を読み終わりました。
氏の本は中国の古典がたくさん引用されているのですが、
さすがに書き下し文が”だんだん”読めるようになってきました。
氏は東洋思想を基にして人のあるべき姿を説いています。
ただ、難しい言葉や内容が多いため、何度も読むことになっています。。。
私が何度も読むのは氏の論調が好きだからのようです。
今回、スピリチュアル的な発言が多いと気づきました。
本書から少しだけ書き出します。
- 肉体は無限の生命の一少部分の限定に過ぎないのであります。
- 徳とは宇宙生命より得たるものを言うので、人間は勿論一切のものは徳のためにある。
・・・
われわれの徳の発生する本源、己を包括し超越している大生命を道と言う。
だから要するに道とは、これによって宇宙・人生が存在し、
活動している所以(ゆえん)のもの、
これなくして宇宙も人生も存在する事が出来ない、
その本質的なものが道で、それが人間に発して徳となる。
- われわれが本当に意識を統一し、精神を集中すれば、
非情な精神能力、知覚力、直観力というものが出る。
むしろ神秘的と言えるくらいの洞察力、適応力が出るものです。
- 所謂(いわゆる)抽象的思惟だとか、
概念的論理などというものは専らこれに依るのでありますが、
しかし、これは脳の働きとしては極めて機械的な働きである。
これがもっと練られて性命(せいめい)的になって来るとMeditationとなる。
この方がはるかに深い知力である。
肉体は無限の生命の一部分、宇宙生命に存在する徳、直観力、瞑想状態での知力
のようなことを言っています(と思います)。
なお氏は東洋思想専門ではなく、西洋思想の研究もしていて、
比較のため詳細に引用しています。
さらに科学的新発見のニュースは把握しているとのこと。
生きた学問でなければならないと主張しているとおりです。
続いて7回目を読むので、違う観点での感想が出てきたら、またご紹介します。