4月28日に歩いて以来、ご無沙汰していた報恩大師備前四十八ヶ寺を車で巡拝した。もう足掛け3年だ。近場だからついサボり気味である。いい加減、満願しなくてはなるまい。
今回は備前市内の4ヶ寺を訪ねた。まず始めに、正楽寺様である。家からブルーラインに乗り終点で降りて最初の信号を右折する。
広い駐車場がありその脇に熊沢蕃山(くまざわ ばんざん)のレリーフがある。
熊沢蕃山のレリーフ
蕃山は江戸時代の始め岡山藩主池田光政が招聘した陽明学者である。岡山藩の礎を築くことに尽力したが、やがて幕府から睨まれここに隠遁していた。故にこの地を備前市蕃山(しげやま)という。
木立に囲まれた山門がある。江戸時代後期に建てられた立派な山門で備前市指定文化財となっている。山門前には閑谷学校のミニ版の海鼠塀がある。
山門
本堂も備前市指定文化財だ。中国三十三観音霊場の一つだけに風格を備えた立派なお寺である。報恩大師の創建と伝わり古くは勝楽寺と号していたようだ。鎌倉時代末期の正安6年(1304年)に信賢上人によって現在の地に伽藍が造営されたというが、これが確たる開基ではないだろうか。
満開を過ぎてはいるがサルスベリの老木が美しい。
寺院紹介
名称 日光山 千手院 正楽寺(にっこうざん せんじゅいん しょうらくじ)
所在地 岡山県備前市蕃山1305
宗派 高野山真言宗 準別格本山
御本尊 十一面観音
創建 天平勝宝年間(749年 - 756年)
開基 報恩大師
札所 中国三十三観音3番
御詠歌 ながき世に 眠りもさめて 正しくも 楽しき寺に 詣るうれしさ
院号が千手院となっているので、本来の御本尊は千手観音様だったのかもしれない。本堂、大師堂と燈香読経し納経印を頂いた。