国体の本質とは天皇と国民の君民一体による君民共治 | しこうかいブログ

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 前回のブログで、皇位継承と皇族数確保について書きました。

 

 

 その中で、「国体」を護ることが最重要であると書きましたが、では、この「国体」って何?国民体育大会のこと?ではありません。聞き慣れない言葉だと思いますので、今日はそのことについて書いてみます。

 

 国体は国の体、言い換えるとすると、国家の基、基本的な国家の体制。と言えるかと思います。では、その「国家の基」、「国家の基本体制」とは何なのか?ということですが、これは日本書紀にある、「天壌無窮の神勅」と言われる神勅がそれを定めています。

 

 

天壌無窮の神勅
 

豊葦原(とよあしはら)の千五百秋(ちいほあき)の瑞穂(みずほ)の国(くに)は、是(これ)吾(あ)が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。宜(よろ)しく爾(いまし)皇孫(すめみま)就(ゆ)きて治(し)らせ。行矣(さきくませ)。宝祚(あまつひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、当(まさ)に天壌(あめつち)と窮(きはま)りなかるべし。(神代紀、第九段、一書第一)
 

日本はわたしの子孫が天皇となる国です。その皇位は天地とともに永遠に栄えることでしょう。
 

 太陽の女神・天照大御神がご自身の子孫こそ天皇として永遠に日本を治めるにふさわしいと示された大切な神勅です。令和元年(二〇一九)五月に新帝陛下はご即位され、秋の即位礼をもって皇位を受け継がれたことをご披露されました。天孫・瓊瓊杵尊に神勅が授けられてより今にいたるまで代々、大御神の子孫がその皇統を受け継いできました。

 

出典:御嶽山御嶽神明社(おんたけさん おんたけしんめいしゃ)WEBより

 

ここで重要なのは「赤字」にした部分。「治(し)らせ」とうことばです。

今の人には分かり難い言葉なので、WEBの訳では触れられていないので補足します。

 

日本はわたし(天照大御神)の子孫が天皇となる国です。行って治(し)らしめなさい
その皇位は天地とともに永遠に栄えることでしょう。
 

※治らす=シラス(知らす)とは、知るの尊敬語。
 天皇は大御宝である臣民のコトを知り治める。
 

 

知って治めるとはどういうことなのか。要するに臣民の事に思いを寄せ、臣民の幸せと発展を願い統治するということです。なぜか、「大御宝」とは、「天」の「御宝」。要するに「かみ」の宝物であり、天皇の赤子(子ども)というコトだからです。

 

日本は天照大御神のご子孫が、「しらす」国であるとうこと。これがわが国の「国体」です。

 

次に、神武天皇 建国の詔があります。

 

六合(くにのうち)を兼ねて以(もっ)て都を開き、八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いへ)と爲(せ)むこと、亦た可からすや。

 

 初代神武天皇は、即位前年(紀元前661年)に「民の幸せのために、範を示して教えることによって、家族のような国をつくる」という内容の詔(みことのり)を発し、建国理念や国是と考えられてきました。「八紘一宇の詔」ともいわれます。


※八紘一宇ということばは、日蓮主義者の田中智学によって1913(大正2)年3月に造語されたことばです。

 

この2つを合わせるとこんなイメージとなります。

 

だから、日本は「国」ではなく、「国家」なのです。

日本の領土をひとつの家として、国民みんなが家族のような国家。それが日本です。

平たく云うと、天皇陛下は父親、皇后陛下は母親。そして私たち国民は子どもということになります。家族ですから、当然ですが仕従関係ではありません。親は子を想い、子は親を想う。と同じ様に。

 

天皇は国家の安寧を祈り、大御宝(天皇の赤子)である臣民は大御心を心に留め、国家全体がひとつの家族である様に、心をひとつにして国の発展に努める。これがわが国体の本質です。

 

そして、皇位継承は「万世一系=男系男子」が繋ぐということです。なぜ、男系男子なのか。それは、父親を辿っていけば、必ず天照大御神のご子孫であり、日本を建国された神武天皇に繋がるからです。もしも、途中で違う男性の子どもが皇位を継いでしまったら、その子孫たちは神武天皇には辿り着けません。だから、この「万世一系」は絶対的なコトなのです。

 

ここで、天皇家の系図を見てみましょう。

 

宮内庁WEBより

 

126代今上天皇から先祖を遡れば、初代神武天皇に辿り着くこと。そして、紀元前660年から今年2024年まで、2684年に渡り「万世一系」を護り繋いできたコトが確認できます。

 

国史2684年は現存する国としては世界最長であり、もっとも古く長い歴史を持っているということです。二番目に長いデンマークが1100年くらいですから、特出しているといえます。

 

どうして、わが国はこれだけ長きに渡り存続できているのか。そのことを考えてみることは大切なコトです。

 

皇室の話をする中で、西欧の王侯貴族の話が持ち出されることがありますが、西欧と日本では、その基が全く異なりますので、比較することは良いとしても、同一に語ることはできません。

 

西欧に於ける「王国」イメージが下の絵です。

 

 先に述べたように、天皇と臣民に仕従関係は存在しません。天皇の命を受けた臣(官僚)いまで言えば政府が大御宝である国民の為の政治を行う。これが日本です。

 

 本来であればこの様な国家なのですが、今の政府は愚策の限りを尽くしている。これはどういうことなのでしょうね。その要因については後に書きたいと思います。

 

 大東亜戦争終戦後、日本の政体は変わってしまいましたが、それと同時に「教育」も変わってしまいました。その変化の中で日本国民は「国体」というコトを教えられなくなり、国体に対する意識と認識が希薄化してしまいました。

 

 昔はこのような「教科書」が存在していましたが、戦後は姿を消してしまいます。上に掲載したものは近年復刻されたモノです。さらに同時に「教育勅語」や「修身」も教えなくなってしまいました。 

 

 その国にとっての基となるモノを知らない。ということは、人間に例えるなら、自分の親を知らないと同義だと言えます。国史を知らない。建国について知らない。ということは、自分が誰から生まれたのか。自分は誰なのか分からない。ということと同じだと思います。

 

 あなたは誰の子どもですか?と聞かれた時、それを知らないというコトを想像してみてください。あなたはどこの国の人ですか?何人ですか?自信を持って答えられますか?

 

 そして、戦後の教育により、私たちの国史は歪めらました。神代の物語が削除され、日本を建国した神武天皇のコトさえ教科書に載らなくなりました。さらに、東京裁判史観により、自虐史観を刷り込まれています。

 

 出自を知らず、記憶もデタラメ。さて、私は誰でしょう?

 あなたは、自信を持って答えられますか?

 

次回はなぜ、こうなってしまったのか?

その原因について考察したいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。