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子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。
練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルグミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。
ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

ブルグミュラー 25の練習曲 作品100 2.アラベスク - L' Arabesque
1曲目ハ長調に対して平行調のイ短調。短調の曲が全体に程よく散りばめられているのもブルグミュラーの特徴です。
アラベスクの意味はアラビア風装飾模様を指すようです。音楽では装飾的、幻想的楽曲となっています。この曲が幻想的かどうか分かりませんが私が子供のころがピアノのある家からよく流れていました。楽譜見なくても知っている曲です。
イ短調の主和音が歯切れよく4回繰り返されると「あっ、始まったなぁ」と思わせられます。
テーマのラシドシラ、ラシドレミ、レミファソラ、ラシドレミは弾きやすい1、2、3の指を使いながら滑らかに弾く練習です。7小節目から応答でハ長調に転調し最後にスフォルツアンドのミのみでイ短調に戻ります。この音をどう弾くかはその人のセンスによりますがあまり強烈でないほうが良いと思います。一回繰り返された後、最後はドードとハ長調で終わります。この二音はレガートとスタッカートが掛かっていますのでターラッ、二音目を切って弾きます。
展開部からは右と左の掛け合いです。どちらがメロディーで主役ということはなく対位法的に書かれています。テーマは左に移ります。1・2・3、1・2・3・4・5の連続で弾きやすく書かれていますので左手の練習になりますし右手とも合わせやすいです。
17小節目でイ短調の属和音Eセブンスのセカンダリードミナントの音#Dが出てきます。この曲では黒鍵は#G、#Dの二つです。
後半はテーマの繰り返しで締めくくられます。ブルグミュラーの名曲の一つです。


渡辺修司(わたなべしゅうじ)
1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。
2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。
週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。
 

渡辺音楽教室HP
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