ウィークリージャンプの「BORUTO」が盛り上がっています。「BORUTO」はご存知「NARUTO」の続編です。やっぱりあらゆる意味で上手いですね。2019年春には岸本斉史さんの新作も連載開始となるようです。期待大です。

写輪眼と言えば「NARUTO」で登場する「うちは一族」にだけ出現する特殊な能力です。「写輪眼」→「万華鏡写輪眼」→「輪廻眼」と進化していくにしたがって新しい能力が覚醒しそれまで読めなかった文字が読めるようになったりと凄い力を発揮するようになります。

音楽にも写輪眼と似たようなところがあるな、と思っています。すなわち読譜です。(すごいこじつけ)

楽譜は読むものじゃない、と誰かが言っているのを聞いたこともありました。でも楽譜は読むものなんです。不思議ですよね。言葉で書かれてないものを読むなんて。

一口に「楽譜を読む」と言ってもレベルがあります。楽譜は一応読めるけど読むのに結構、時間がかかる人からどんな難曲でも初見でたちどころに弾いて暗譜までしてしまう伝説的な人までいます。

中公文庫

ピアニストは指先で考える

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784122054134

(ポリーニはどんな曲でも初見で弾いて覚えてしまうそうです。ブーレーズの第3ソナタだけは覚えるまで3回弾かなければならなかった。青柳いづみこさんの著書「ピアニストは指先で考える」から)

ところで生まれてから目の見えなかった人が角膜移植を行って目が見えるようになる時、どのように見えるか知っていますか?テレビドラマで見るように包帯を解かれた患者が「あなたはの顔が見える」ということにはならないそうです。見えるのは光と物の輪郭がおぼろげにちょっと形づくっているだけ。脳の出先機関の目が見えるようになるためには、しっかり経験と学習をつまなければならないということです。

よく音符の多い難しい楽譜を見て「楽譜が真っ黒に見える」という表現を聞くことがあります。楽譜を読む目を養う、黒い塊から音楽が見えるようになるためには学習が必要となります。

ドの位置を覚えることから始まって音部記号、音価、リズム、ダイナミズムなどを学ぶ楽譜を一応読めるようになります。しかしこの状態では音の位置とかリズムが何となく分かるだけです。

これ以上になるためには、音階を24調覚えて自由に弾けるようになる(調号が全てっ分かる)、アルペジオが弾けるカデンツアが弾ける、練習曲や曲をこなしそれまで弾けなかった曲を弾けるようになるなどの過程をある程度こなす必要があります。

また楽典やソルフェージュなども学ぶと一層理解が深まります。

これぐらいになってくると楽器の音を数えきれないぐらい聞いているのである程度の絶対音感、相対音感がついていると思われます。このレベルで楽譜を読むと頭の中で読んだものが音楽となって鳴ってくるのでただ音の高さを位置として把握するだけの譜読みとは一線を画すほどの違いが出てきます。

和声学や対位法などを学ぶとさらに専門性が出てきます。この段階になれば写輪眼覚醒と言っても良いかもしれません。楽譜を読むと音楽が聴こえてくる、次の展開が予測できる、音楽の意味や感情、場面が読み取れる、譜読みで練習が出来る、など同じ読譜でも読み取れるものが全く違います。小説を読むように楽譜を読むことができる訳です。

上にはさらに上があります。ドビュッシーやラヴェルなどで出てくる近代和声、プロコフィエフ~メシアン、ブーレーズなどの現代音楽理論、ジャズ和声、ポピュラーコード進行、曲集を一日で初見で弾ける読譜力と技術、まで来ると万華鏡覚醒と言ってよいかも知れません。スサノオは出せませんが。

輪廻眼は、ポリーニやギーゼキングなどのレベルでしょうか。どんな訓練をすれば一回弾いたものを暗譜したり読譜だけで暗譜して弾ける能力を手に入れることができるのでしょうか。

万が一、その能力があったとしたら忘れるの大変じゃないですか?

「楽譜を読む力」

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784276101517

2019年1月29日作成 志木市中宗岡 渡辺修司

 

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