こんにちは!
今日は午前中、年に一度の健康診断でした。
午後休を取り、先行で確保した
「ゴースト&レディ」にまたもや 行ってまいりました。
初の2階席からの観劇でした。
胃カメラ麻酔のフラフラに打ち勝ったよ「ゴースト&レディ」!
今日も素晴らしかった。
今までは物語や演出やギミックのネタばれ極力なしで書いてきましたが、そろそろ皆さまこの作品を観劇なさった頃かなと思いますので、今日からはネタばれ全開で感想を綴ります。
公式のintroductionより👇
劇団四季が新たに贈るのは、劇場のゴースト グレイと令嬢フローが深い絆で結ばれ、逆境に立ち向かって信念を貫こうとする姿を、史実を織り交ぜながら描いた大作です。
原作は「うしおととら」「からくりサーカス」で知られる人気漫画家 藤田和日郎氏の代表作「黒博物館 ゴーストアンドレディ」。
この日のキャスト
フロー 谷原志音
グレイ 萩原隆匡
ジョンホール 野中万寿夫
デオン 岡村美南
アレックス 寺元健一郎
エイミー 木村奏絵
ラッセル 長尾哲平
ボブ 平田了祐
【男性アンサンブル】
ハーバート戦時大臣 味方隆司
フィッツジェラルド 安田楓汰
フローの父 澁谷智也
メンジーズ 塚田拓也
計倉 亘
木内和真
渡部斗希也
緑川諒人
吉田功太郎
【女性アンサンブル】
ヴィクトリア女王/フローの母 近藤きらら
フローの姉 持田紗希
レディ・エリザベス 原田真理
シャーロット 町真理子
潮﨑亜耶
矢鳴優花
清水 智紗子
馬場 杏奈
黒柳 安奈
以下、あくまであくまで個人の感想です。
勘違い思い込みたくさんあると思います。
めちゃくちゃ私見、勝手なこと言ってるし、初ネタばれ感想で張り切ってしまい、やたら長いです!
これがあのフローの円グラフか!と初めて見る舞台の模様にしみじみ。
2階席からならではの光景。
最前列真正面ではないけれど、前方センターブロック。
舞台の幕が降りた後に灯され続ける小さな灯り「ゴーストライト」が運ばれ、青い炎となって登場するシアターゴースト、グレイ。
印象的にグレイを登場させるために、かなり模索されたことと思いますが、開幕を告げる爆音同様心に残る演出です、大成功です。
劇場のフラグメントのひとつゴーストライトから現れる神秘的なシアターゴースト、緞帳の効果もあり、時代感をも漂わせるゴシックなオープニング。
萩原さんグレイ、頬がどんどん細くなり、グレイ化がさらに進んでいました。
「俺が見えんのか?!」
観客を引き込むこの設定、掴みはOK。
グレイの歌う
「誰もが知ってるあの人の誰も知るはずのない秘密の話」
物語を集約したこのフレーズの素晴らしさ!
これから登場する人物の「秘密」を物語るために、グレイが紡ぎあげた芝居が、今開幕するという原作と違う構成。
グレイの物語の最初の観客となれる歓び、噛み締めます。
初回観劇時、冒頭ぼんやりと受け止めていましたが、このくだりと、途中で語られる芝居を書きたいというグレイの想いと、ラストのグレイの語りと捌けていくグレイが全て繋がった時、得も言われぬ感動がどっと押し寄せ、涙がさらに溢れ出ました。
原作の設定を大幅に変更、演劇的に味わい深く展開させたこの見事なフレームに大拍手です、高橋先生!
幕が上がると現れるドルリーレーン劇場の内部、印象的な赤い客席にまず心躍ります。
舞台正面の2階席と両脇に設えられたロイヤルボックス席は、様々に表情を変えて、物語が進んでもシンボル的にほぼ全編そこに残ります。
フローとグレイの出会い、原作よりもさっぱりと描かれていますが、ここでのフローからグレイへの懇願のナンバー、私の願い♪があまりにも力強く切実なので、いきなりフローに持っていかれてしまいます。
歌唱と演技の力がいきなり全開、志音ちゃんも真瀬さんも素晴らしかった。
その後、グレイとフローが馬車で移動する途中の、俺は違う♪なるナンバーのゴーストたちの舞い、ここは初回観劇時から何だか違和感あって、もっと違う描き方はなかったかなと内心思っています。
グレイが当時の戯曲に触れつつ自分語りをするというコンセプトは好きなのですが、仮面やコスチュームへの既視感だったり、ゴーストがユーモラスに踊るダンスも然り、さっきまでのゴシックな雰囲気と引き離されてしまうの何か残念でして。
ダンスが入るのならば、せっかくのオリジナル新作、踊りのスキルの高いキャストが揃っているので、もっと新鮮なゴーストダンスが見たかったかな。
グレイの飛翔のチープ感もあって、もう少し馬車件、短くてもいいのかなと。
2幕のフライングもですが、ゴーストとはいえ、舞台版ではもうグレイもデオンも飛ぶ概念無くしてもいいのでは、と個人的には思います。
一転、フロー一家とグレイの対面は密度濃くてとても好きです。
原作で度肝抜かれた家族の生霊も、ソフトではありますが、ちゃんと出てきてホッとしました。
持田紗季さん姉さまの苺パクリとか「わがままね...」とか可愛かった。
アレックスによって「サムシング・フォー」の存在が印象づけられるのも、ラストのグレイのリプライズに活きるわけで、アレックス、このための新キャラ?と思いきや、後半のスグタリ登場にびっくりした初回観劇。
懐に偲ばせたお花をエイミーに渡すのも見逃しませんでした。
ミュージカル化にあたって、グレイとフローの愛の要素が強くなっているのは、誰も知らないフローの秘密「グレイとの絆」をさらにわかりやすく強いものにする狙いだと思っています。
登場人物が足されたり減らされたりキャラが変わってたり、様々端折られていたり、舞台化するうえで原作をある程度変えなければ成り立たないのは重々承知ですが、原作ではあまりにも強靭だったフロー、そこが大好きなのに、四季版では脆さが散見されたのは私の中で少しモヤモヤでした。
一方、舞台ならではの秀逸な設定に各所で唸ります。
瀕死のボブにフローが、あなただけのハッピーエンディングをと歌うあなたの物語♪
ラストのフロー臨終時のボブの台詞に繋がるこのシークエンス、気づいた時、胸のすく思いでした。
また、平田さんボブが巧くて、グレイの指差し方とかセンス抜群。
1幕ラストの不思議な絆♪の歌唱、大好きです。
萩原さんと志音ちゃんの声の重なりと、星が降るような眩い照明と湧き出るスモーク、ここは2階席からの眺めが最高でした。
でもって、その後のデオン様登場、この1幕ラストはやはりテンション上がります!
「鐘」もですが、2幕へ続く、の1幕締めパターン大好き。
不思議な絆♪がやはり作品の代表曲になるのかな。
アクがなくて誰にでもスッと受け入れられる曲調が作曲の富貴さんの魅力だと思いますが、全曲胸震える美しいメロディライン、何回か聴くうちに今はもうしっかり胸に刻み込まれています。
ランプを持ったレディ♪は名場面だらけの2幕の中でも私的に白眉、フローの高潔を象徴するランプを手にした立ち姿、優しさの中にも凛とした表情、患者たちのおごそかなコーラス。
あのナイチンゲールがこんなにも清らかに舞台で蘇っている、そう思うと胸がいっぱいに。
余談ですが、あの蛇腹式のランプは実際にフローが使っていたランプと同じ形なんですね。
2幕はその後も名場面が続々。
呪いと栄光♪岡村美南ちゃんデオン様、迫力日々増し増しじゃないですか?!
もう表情が!台詞が!美ヴィランここに極まれり。
取り憑いているのか!?ふはははは!!の外連!
タンゴパートのチェロと真紅の照明、美南ちゃんから放たれる退廃のムードで凄いことに...これ、本当に四季のミュージカルよな?と毎度頬っぺたつねりたくなるほどの陰ゴージャスに泣く。
オリジナルキャラのエイミーとアレックスの恋を盛り込んだのは、フローのように強い信念で突き進む女性もいれば、エイミーのように挫折して愛を選ぶ人生もあり、生き方はフレキシブル、を盛り込む意図かな、と個人的には解釈。
決してフロー挫折のトリガーではなく、シスターのコレラ感染とか、自分への批判とか、かわいがっていたエイミーの離脱など、一気にいろいろ押し寄せて心折れてしまったと思いたい。
グレイの過去を引き出すためにも必要な展開ではあるのですが、原作ではこんなに弱くないけどね、と思いつつも、ここで確実に涙をこぼす志音ちゃんがさすが過ぎて愛。
しかし、今日の寺元さんのアレックス、明らかにフローに未練ありの台詞と去り方に見えちゃった。
芝居が細かい寺元さん、優しさが滲んでいました。
ジェヨンさんアレックスはかなりさっぱりとフローを思い切った印象でした、違いが面白い。
裏切りの人生♪今日はちゃんと大きな影絵幕が張られてホッとしました。
ヤングジャックの渡部斗希也さん、政所さんと雰囲気通じる気品と新人らしからぬ落ち着きがあり好感。
恋とジン♪のアイリッシュダンスっぽい振り付け、やっぱり心弾みます。
ジャックもこの時、最愛の推しと飲んで踊って楽しそうで、見ていて嬉しくなるシークエンスです。
レディにはお目汚し、の時の志音ちゃんの表情、皆さま見てください、めちゃくちゃ可愛いから。
ここでの前世男装デオン美南ちゃん、黒髪ヅラと中世のお衣装もお似合い。
ジャック様ですね?もトレヴィアン!も艶々が過ぎてときめくしかない。
ジャック仕留め時の踏みつけも、捌けていくときの剣あしらいも超クール。
緞帳をガッと引きはがして息絶える萩原さんジャックの死にざまも鮮やかでした。
フロー瀕死からの復活、深まるグレイとの絆、万寿夫さんホールの追い込み、2幕の怒涛。
万寿夫さん、メイクがゴルゴ並みにキレキレ、余裕で演じてる感の大御所。
心の羅針盤~からの志音ちゃんは今日も凄かったです。
この絶唱が志音ちゃんの真骨頂なの、魂が歌唱に乗ってるからもう心を打たれないわけなくて。
その後の絶叫、あんなに美しい顔で、あんなに本気で叫べるってどういうことだろう。
からの、一転90歳のフローの天使っぷり。
グレイとの再会の無垢な笑顔...泣く。
ボブの台詞「美しいハッピーエンドを」
この言葉を引き出すためにもやっぱりエイミーとアレックスは必要だったね。
「やつを待たせちゃダメだろ」グレイのこの台詞も序盤のドルリーレーンの出会いの会話と繋がってるのも震える。
「やることが残ってる」と言いつつも絶対にもう会えないと知っているグレイ、今まで触れ合えなかった二人のキス。
フローが去った後の不思議な絆♪の萩原さんの表情の切なさったら!
いろんな表情を見せてくれた萩原さんグレイの集大成のようなラストのこの顔、フローと反対側の道へ去っていくグレイ、見つめるフローの笑顔。
何だ?このラストシーン。
「鐘」と同じくらい好きだよ。
琴線かき鳴らされ過ぎて、毎回浄化、有難うございます。
フローが吸い込まれる光の輝きが半端なかった2階席センター席。
照明、音響、最後の無数のランプ、最高でした。
今日のお客さま、笑ったり拍手だったり、感度が高くて嬉しかったです。
キャストの皆さまのカテコの誇らし気な美しいお顔を見るのが大好きです。
長尾さんのカテコの笑顔が可愛くて白い歯がキラキラでした。
グレイとフローのハグで毎回ヒューヒュー沸くの楽しい。
あの美しい真瀬さんフローもまた、まだ見ぬ泰潤さんグレイも早く拝見したい。
毎日通いたいです、ドルリーレーン。