今日は朝から安定しないお天気ですね…⛅
劇団四季「ノートルダムの鐘」
東京公演、千秋楽おめでとうございます!
5月14日の開幕から約3か月間、一度の休演もなく幕が開いての本日の千秋楽。
関係者各位、大変なご苦労があったことと思いますが、日々満席、特に後半はチケット難となるほどの大盛況、今期も素晴らしい公演でした!
劇団創立70周年の年ということもあり、浜松町にて...
四季劇場【春】
「アナと雪の女王」
今の四季の興行を牽引する大作ミュージカル。
四季劇場【秋】
「ノートルダムの鐘」
四季の演劇&ミュージカルのクオリティの証でもある名作。
【自由劇場】
「ジーザス・クライスト=スーパースター ジャポネスク・バージョン」
劇団としてのミュージカルの原点。
この3作品が同時に上演されているという、四季ファンには夢のような1か月が存在。
会社帰りにフラフラになって駆けつけた「JSC」ソワレ、
猛烈な陽ざし照りつける中の「鐘」→「アナ雪」のマチソワ、
「JSC」千秋楽の喪失感を「鐘」で埋めてもらった連日の浜松町詣でなどなど、個人的に忘れがたい夏となりました。
「ノートルダムの鐘」は今期7回観劇しました(1回感想書いてない突発日を含む)。
寺元くん&泰明くんカジモドから始まって、突然の達郎くんカジモドの登場、急なキャス変が続々敢行される中、初演キャストの田中彰孝くんカジモド&芝清道さんフロローが突如スタメン入りし鐘民騒然となる、などなど、この3か月間でもメモリー・オブ・「鐘」たくさん。
長い観劇人生の中でも昨日の東京「鐘」前楽は、未来ずっと記憶に刻まれるであろうワンステージでした。
以下、本当に個人の勝手な感想です。
思い込み、思い違いあるかもです、ご容赦を。
この日の席、苦手な上手寄りですが、必死のパッチで先行奪取した1階席中程席。
前の人の頭でフロローの出入り口は完全に遮断されるという切ない席ではありましたが、何だか不思議とセンターより音響がよかった!
それともミキシング変わった?アントラクトはいつも通り物足りなさあり。
まず、客席からの拍手の爆音にびっくり、想定以上の鳴り!
昨年の横浜KAAT公演初日を超えてくる圧でした。
コロナ明け初「鐘」ということもあり、あの日も凄かった。
高まるコーラスと達郎くんカジモドの両手を広げての鐘賛美からのあの決めポーズ、前のめりぎみの拍手のパッションが凄すぎて「ああ、やっぱり特別な回なんだ」とあらためて思い知らされました。
もちろんその後もナンバー毎に強力に熱を持った、怖いくらいの拍手が巻き起こり、その客席の反応に目頭がツーン。
突然ですが、いきなり時間飛んで、カテコの模様をお伝えします。
この回のカテコ、まじ凄まじかった!
とんでもない前楽であったことを裏付けるような、まさに割れんばかりの拍手と喝采!
クワイヤさんたちのお出ましで、打ち合わせしたかのように迷いのない即スタオベ。
お約束の長めカテコにも、どよめきも起こらず、拍手の圧もまったく変化なく。
最初から満面の笑みで白い歯キラン!でお手振りくださる白石さんクロパン、役がまだ抜けきらないようなクールな表情から徐々に微笑みを浮かべてくださる道口さんフロロー。
やまはるちゃんと達郎くんとの仲良しお喋りもこの回は控えめだったかな。
カジモドが抜けてフラフラに見える日もあった達郎くんだけど、この回は最初から柔和な笑顔を浮かべてた。
途中から客席より、何かはわからないけど、たくさんの歓声が響いてきて、東京達郎くん初回のソロカテコを思い出しました。
あの日も客席からの本気の喝采に胸がいっぱいになったんだった。
達郎くん、ソロカテコでもちろん、聖堂や薔薇窓に手を広げ感謝し、捌けるときは私上手寄りだったから涙拭ってるところが横から見えて、でも振り返った時には満面の笑みに戻っていて深々とお辞儀。
もうこちらが耐え切れず。
いったん閉まった大聖堂の扉ですが、拍手鳴りやまず強くなる一方で、まさかと思ったけれど、また扉開けて達郎くんが出て来てくれた!
ここで声出し喝采がピークを迎え、もういつも四季の劇場ではなく、ライブ会場と化していました。
なんか私でさえも、フー!言うていいような空気、うねりがもう「声出せ!」だったのですが、連れがいたので辛うじて自粛。
(ムーラン・ルージュ!でさえこうはならなかった私をも巻き込んできた)
恐るべし、達郎くん渦。
そんな中、もう一度全員お出まし、最後キャスト皆で手繋ぎガッツポーズくださった。
熱い喝采は続くよ。
最後の最後、ブンブンお手振り後、一人でまた深いお辞儀とともにゆっくりと扉が閉まり、消えていった達郎くん。
ここで拍手はさすがに終わったけれど、なぜかいつもの追い出しアナウンスは流れなかったような。
事と次第によってはもう1回出て来てくれたね、あれは。
こうして、想像をはるかに越える熱量の、ステージと客席混然一体となった今期「ノートルダムの鐘」前楽回が終わったのでした。
淋しいけど、淋しいけど、ずっと「鐘」が近くで上演されていたら幸せだけど、何だろう、そんな気持ちをちょっとわけわかんなくしてくれるくらい感情揺さぶられた前楽でした。
そして、ちょっとキャストさんに感じたことを、続けます。
【達郎くんカジモド】
登場時から、ラウルを経てさらにシュッとされ見慣れた細面の達郎くん、本当に絞ったね。
フロローが赤ん坊をほどき、それを着て、かがんで体がぐにゃってなるところから、胸をギュッと掴まれてしまうのはいつも通り。
達郎くんカジ、苺をもらった後にしばらくモグモグ食べながらご主人様と会話するなど、初めて見つけた技も多々。
トプシー♪時のあどけない歓びの表情、フロローやエスメに見せるいつもの可愛さも何もかも、とにかくずっと見ていたい。
前半、歌唱が完璧で音程も確実、天国の光♪のロングトーンでは中途半端ではない本気の拍手が自然発生。
後半の奇跡求めて♪では、半端ない涙の量でそれを拭いながら、ほとんど墨が落ちかけている顔で、エスメに向かって手を伸ばしては戒めるというアクション、上手席から対角線上によく見えて思う存分泣けました。
エジプトへの逃避行♪「いつまでも~」が最高にきれいにまとまってた!
石になろう♪歌唱の達郎アレンジは控えめには思えましたが、感情が解き放たれて荒ぶる感じが歌唱に乗ってて、結果最後震えました。
そしてクライマックスのエスメ救出では、達郎くんカジモドとアンサンブルさんたちのアクションがキッチリと符合して、得も言われぬ一体感、何だかパズルがピターッとはまった時の爽快感というか鳥肌立つような美しい段取りが繰り広げられていて、またもや震えたんです。
何だ?あの感覚。
どなたかご覧になった方、いらっしゃったらご一報ください!
あったよね?その瞬間。
最後のいつか♪でジェアン&フロリカとの呼応も凄かったな。
対角線上によく見えたのでもうワナワナしちゃったんですけど、手島さんジェアン墨塗のタイミングとかあさみさんフロリカの切なすぎる表情とか、もう何だろう、全員神がかってたとしか。
見てるこちらの感情も大いに関係してるとは思いますが。
加えて、着ていたおくるみをクロパンに返す時の愛おしそうなあの前楽感ポンポンの破壊力ね。
いつも全力破顔で歌う「鐘よ!ノートルダム!」のコーラスも、この回は噛み締めるようにじっくりと歌ってらっしゃるように見えた。
そこからのあのカテコ...凄かった。
【道口さんフロロー】
2か月ぶりの道口さん、めちゃくちゃ前回と変わっていて驚きました。
6月に拝見した時は、芝居の細かさや表面に見える道口さん独自のフロローを舌鼓をうちながら味わっておったのですが、今回ね、初めて。
初めて、フロローで泣きました!!
台詞1ミリも変わってないはずなのに、相変わらず激昂型の怖いフロローなのに、道口さんフロローの内包する哀しみとか欲望とか弱さとかそんなものがヒシヒシと伝わってきて、あらゆる場面で切なくなってしまいました。
お祭りの時にエスメ見て打たれた時から始まって、スカーフの匂い嗅いでうっとりはデフォルトで好きなんですけど、大聖堂でのエスメに対してのフラジャイルな接し方とか、振られた後カジにすがっているようにさえ見える哀れさ、バスティーユでエスメに対してはほとんど懇願、エスメ死後の抜け殻っぷり、最期の表情、いや~もう何があった?レベルで心情吐露の体現化が凄まじかった。
正直、いつもカジばかり見てしまうフロローの死のシーンを、この回に限っては道口さんに目を奪われてしまって、達カジの顔を見損なった。
ちょっと芝フロロー再臨で、フロロー像が芝化してしまってたこところを引き戻された道口さんフロロー。
そうそう私はかなり道口さんフロローが好きだったんだと思い出させてくれた上に、超えて、やっぱりめっちゃ好きやねん!
怒りで前髪がファサーってなるところもいっそう愛おしく。
いや、もう1回会わせて!明日見に行っていいですか?と叶わぬ思いを抱くほど、魅せられてしまった道口さんフロロー。
カテコの、黒い祭服&抜け切れてないクールな面持ちもいいのよ~。
当分、拝見できないの、辛いな...
【加藤迪くんフィーバス】
いや、驚いた!君の変わりっぷり。
かなり前回と印象が違~う!
前回までは真面目なのに無理くり遊ぼうとしてる優等生リーダーだったのに、無理くり感がなくなって割と自然なプレイボーイになってた!
特に登場時~息抜き♪の女の子たちへのアピール、酒場来る前のフレデリックとのこなれ感、エスメを口説く時もナチュラル!
何があった?
もちろん戦場回想ではしっかり闇出し、奇跡求めて♪ではエスメに真摯だし、好感度は変わらずで、歌唱に至っては京都で初めて拝見した時のような不安定さは皆無、何もかも安心して見ていられる隊長に。
歌唱はともかく、このライトな感じ、最近いつもそう?
【山崎遥香さんエスメラルダ】
こんなやまはるちゃん、初めて!
こちらもなんです、やまはるちゃんも今まで拝見したエスメとは違っていたのです。
もちろん美貌、ダンスのあでやかさはいつも通り、最近は台詞もすっかり自分のものにされて会話の自然さに磨きがかかっている印象。
歌唱も格段に素晴らしくなっており、歌い上げの音程がブレなくなって、その上での爆声なので迫力増し増し。
「ねえ肉屋さ~ん!」の声が驚くほど大きくて、この時から乗ってるなと感じていました。
割とドライなエスメでカジモドにも対等に人間として相対しているイメージ、基本的にはそこは変わっていないのですが、この回はその中にもカジモドに対する親身な思いやりを感じました。
驚いたのは、いつか♪で、いつも目を潤ませているくらいだったと思うのですが、涙をぽろぽろと大量に流しながらほとんど滂沱の状態だったこと。
わ、歌えるのかな?というくらい泣いてらっしゃったけど、歌唱はしっかり美しくこなしてらして、でもその涙にはとても心を打たれました。
そして、臨終の場でも、鼻をすすり上げるほどの涙でした。
「あなたは大事な友達よ」で声がかすれ、涙で詰まってらした。
いやはや、こんなに感情たっぷりに泣きながら演技をされるやまはるちゃんエスメ、初めてでした。
思わずこちらも泣いてしまいますよね、とても素敵でした。
マチネもそうだったのかな?
【白石拓也さんクロパン】
大好きなクロパンです。
ソフトなのに強靭な歌声、キレあるダンス、変幻自在の表情、ジプシーのリーダーとしての存在感、さすがとしか言いようがなく、見るたびに自由な表現が増えていくのが嬉しかった。
こういう艶のある風、もっと「鐘」に欲しかったんだ、と。
本当に演技者として力のある俳優さんだなと思いますし、カテコで見せてくれる、心から舞台をお客様を愛していることがわかる佇まいに毎回観劇する歓びをもらっています。
前楽での笑顔と全方位お手振りと目線、忘れません。
また違う役でガッツリお目にかかりたい方です。
アンサンブルさん、いつも本当に息の合ったアクション、動線確保、お芝居で楽しませていただいていますが、この日は前述したように、要所要所で神がかってピタリと決まる段取りの連続だったように思います。
トプシー♪の熱気、臨場感、最高でした。
松本菜緒さんと川原信弘さんの肉屋夫婦ミニ劇場も健在でした。
2枠梅津亮さんルイ11世、フロローの突然の訪問に 「アヴァ?!」って驚いてて、 笑いの取れ高。
かなりウケてました。
1枠野村数幾さんの人当たりのよいフレデリックも大好きで、醸し出す何か面白い事が起こりそうなオーラが楽しかったです。
奇跡御殿に向かうダミーカジモド時の指先使いが達カジでグッジョブでした!
8枠吉田功太郎くんの酒場のダンスも見納めとばかりに目に焼き付けました。
3枠今村綱利くん、酒場のダンスほか軽やかな身のこなしがとても心に残りました。
4枠町兼さん、連投お疲れさまでした!
町兼さんの酒場の歌い出し、大好きです!
「鐘」のアンサンブルさんたちの個性とスキル、全員好き過ぎて今後も目が離せません。
今日も千秋楽で皆さま、全力で「鐘」の世界を生きてらっしゃるんだろうな、お客様と今期最後の濃密な時間を共有し、もの凄い多方面からの感動が供与されているんだろうなと思うと感無量です。
いったん次回公演地のアナウンスなく、今期終わってしまうわけですが、きっと今次の地を検討してるに違いないです。
すぐに「準備できたわよ!」と発表してくださるに決まっています。
ここまで深まったキャストの皆さまをどんどん次のゾーンへ、そしてあのカジやらあのエスメの復活やら、大好きなフィー再びやら、新フロロー(兄様希望)や新クロパン(日浦さん希望)やらどんどん送り出してください!
震えてお待ちしております!