こんばんは!
 
今日「クレイジー・フォー・ユー」のお稽古写真が出ましたね!
後でじっくり引き伸ばして見るのが楽しみです ニコニコ
 
先日、開幕より2日目の
ジョン万次郎の夢」を観てまいりました。
 
この作品は過去にも何度か観てはいるのですが、とてもわかりやすいストーリーゆえ、セットや展開が頭に叩き込まれていることもあり、生意気にも「キャスト次第で観る」というのが最近のスタンスとなっています。
 
前回予定されていた2020年公演が中止になったため、実に9年ぶりの上演となりましたが、前回の2014年は大好きな田邊真也さんが40歳にして14歳の万次郎を演じてくださるということで、秋劇場にはせ参じました。
ご存知のように、一音も逃さず聞き取り可能な明瞭過ぎる、かつ力強い台詞力で、存在の際立つ万次郎でした。
 
土佐の漁師村の14歳の少年が漁で遭難、アメリカの捕鯨船に助けられ異国の街で8年も生活。
かの国の文明を故郷に伝えるため日本に帰国し、再び志を持ってアメリカに渡るまでを描いています。
 
教科書でおなじみの実在の人物という事もありますし、こんな冒険と希望に満ちた万次郎の生涯にロマンを感じてか、四季の男性俳優さんもこの作品に出演したいという方が多いとのこと。
 
今期の万次郎役の島村幸大くんも、「念願の万次郎役」と仰っていました。

シンバ以外の島村くんを拝見するの、本当に久しぶりだし、大好きな北澤祐輔さんがホイットフィールド船長&島津斉彬役!
加えて、しっかりお姿を舞台で拝見した記憶のない玉木隆寛さんがご出演、杉浦洸くんが勝海舟役という事で、ワクワクのMY初日でした。
 
客席に着くと、本当に今日はちびっこが、特に男の子が多いなという印象。
いいね!
日米ジャーナリスト、アリーとポリー、キンとギンのイントロダクションに続いて幕が上がるとそこは土佐の浜。
この序盤の、日本の原風景といった浜辺のシーンが大好きです。
それに土佐弁、これがまたいいんです。
のんびりとした空気の中で交わされる昔の市井の人々の会話、新派や民藝の時代ものを見ているような気持ちに。
引けをとらない丁寧な台詞運びが四季のファミリー・ミュージカルだなあと思います。

島村くんの万次郎は、いやほんと少年!
佇まいが違和感なき14歳。
発声とか少し緊張しているのかな?とも思ったのですが、この自然な感じが彼の万次郎なのかもしれません。
歌も真っすぐでピュア。
観に来ている子供達には本当に10代に映ったかもしれません。
青羽剛さんの親方、2014年にも青羽さんが親方でした。
漁に出るお兄ちゃんを心配してやって来る、妹のうめちゃんは生形里奈ちゃん。
お稽古写真にいたような気がしましたので、きっと6枠さんだろうなと思っていましたが案の定で、ヅラなしの地毛で「あっ!うぶちゃん」とすぐわかる。
お声も演技もスペシャルに愛らしくて、何だかニヤけてしまいました。
重助さんの鈴木周さんもさすがのペイソス溢れる台詞回し。
人力による、漁に出て早々の嵐のシーン、ここもやっぱり好きです。
波はよくある手法ですが、あの5人も乗った船を人力で揺らしているとは今でも信じがたくて。
2階からだとそれもよくわかるらしいのですが、私はいまだに2階から見たことがなく。
 
そしてお待ちかねの、土佐漁師meetsアメリカン漁師
 
金髪お髭や船長コスチュームがお似合いの北澤さん。
地毛の色とカールがもうアメリカンな玉木さんと、堂々とした体格と姿勢が既に異国情緒の佐々木玲旺くん、笑顔のフレンドリーさが日本人離れな杉浦くん。
無人島に上陸した4名の方々、キラキラが過ぎました。
怯える土佐の皆さまとの対比、本当に心躍るシーンです。
 
内密、はいどうどう、えんけれせ、ちびっこ大爆笑!
ほっとして嬉しくなる保護者目線の私。
 
秋劇場に比べると、どうしても自由劇場はダンスもセットの配置もこじんまりした感はありますが、この劇場内いっぱいに広がる温かい雰囲気は自由劇場に軍配ですね。

そしてここまで、やっぱりこの作品も、あの四季の発声法と独特の台詞術は耳に薄く、かなりナチュラル。
(私見です)
 
フェアヘブンに着いてからの全員日本語への転換。
初見時、おお!英語で会話か!じゃアメリカ行ったらどうなるの?と心配したことを今でも思い出します。
 
あの土佐~船~無人島~素敵なアメリカの港町、のガラリと趣を変える場チェンジが何とも魅力的ですよね。
街での一大ダンスシークエンスにはやっぱりワクワク。
どうしても玉木さんと濱中湧大くんと田中宣宗くんに目が行ってしまい、肝心の踊る万次郎をまたもや見逃す。
 
そして久々の声楽テイストのザワ様の歌を聴いて、本当に泣きました。
敬虔なクリスチャンである船長らしい、確実で真摯な歌唱。

こんなに素敵な人が僕のお父さんとお母さん
私も憧れてしまうホイットフィールド夫妻、いろいろあっても愛されて、でも日本に帰る決意をする万次郎。
切ない...
この出会いと別れの部分、そしてフェアヘブンの街の旅情が作品をとてもセンチメンタルなものにしていますよね。
正直、1幕のラストがとても好きなので、2幕に物足りなさを感じます。
私だけ?

2幕はいきなり、玉木さん玲旺くんの凛々しいお役人姿を見ることが出来てテンションが上がります。
演技もあのスイートな笑顔からガラリと変わり、アメリカンと和の両方の俳優さんのお芝居を見られるのがお得。
斉彬公ザワ様、裃もちょんまげもお似合いで。
今までのキャストさんの中には、斉彬公になっても「え?船長だよね?」という方もいらっしゃいましたが、ザワ様は大丈夫でした。
あとやっぱり、初代筆頭ハンスでおなじみ杉浦洸くんの勝海舟姿。
何だかハンスよりもシュッとされていて、和装もお似合い、何より伸びやかな歌唱が素晴らしかった!
先代勝海舟、白倉一成さんの立ち姿もめちゃくちゃ大好きだったのですが、お声はもう杉浦勝先生、素晴らしかったです。

2幕の白眉はやはり「下着洗濯水兵事件」だと思うのですが、お稽古写真に宣宗くんがいた時点で「まさかの洗濯水兵?」と予感がありましたが、やっぱり!
何かやらかしそうな雰囲気がプンプン漂う宣宗くんにピッタリでした。
捕まって責められる時の目がアウトロー。
これしきの事であんな大審判に?と思われた皆さま、このエピソード実話。
だからクライマックス。
 
ラスト、いっつも思うのが、万次郎が船長夫妻と再会するとこまで見せて!なんですけど、今回もまた同じ気持ち。
カテコ、周りの大勢のちびっこが大喜びでスタンディング、大人も立ってるからぴょんぴょんジャンプしてカテコに反応してたの嬉しかったです。
きっと「内密」はそんな小さなハートにずっと笑いと共に残るはず。
 
私、玉木隆寛さんのエリックをいまだに拝見してなくて、今回初めてしっかり舞台でお姿拝見して、スマートなのに熱い演技に痺れました。
1幕ラストで玉木さん、ちょっと涙ぐみながらコーラスしてらして。
この作品に関わることが出来て本当に良かった」とつぶやいておられたのを思い出しました。
 
何年もこの役を持ち役にしている林香純ちゃんのきっぷの良いおギンちゃんにまた会えたのも嬉しかったし、東沙綾さんおキンちゃんのキレキレの台詞回しもナイスでした。
島村くんも回を重ねるごとにどんどんジョンマンが深まっていくんだろうなあと期待しかありません。
 
この日のジョン万観て、政所和行くんチーム、まったく違う雰囲気になるんだろうなあと確信できたので、あと高倉恵美さんがいらっしゃることも確定したので、次のジョン万観劇がまた楽しみです。