こんばんは!

今日は暑かったですね〜!
真夏日晴れ

こんな暑い日ですが、
ぶれんだ秋の観劇祭りを勝手に始めていますイチョウ

第一弾は…

九月大歌舞伎第三部

「東海道四谷怪談」
暑いけど気持ち良く銀座までお出かけしてきました!
2月以来の歌舞伎座です。
友達とのごはんも久しぶり〜。

皆さまご存知「四谷怪談」を、
片岡仁左衛門さんの伊右衛門、
坂東玉三郎さんのお岩という38年ぶりの神キャストで上演…
季節外れの感はありますが、
観劇友に誘われ、これは観なければ!と、
いつものように3階A席5000円のお気に入り席を確保してもらい、
ワクワクで銀座まで馳せ参じました 音譜


ぶれんだ、恥ずかしながら、ポピュラーにして有名どころの演目しか観ていない、とっても浅い歌舞伎ファンです。
お気楽だからこそ足取り軽やかに出かけられるので、このスタンスで楽しんでいます。

仁左衛門さん&玉三郎さんのコンビは何回か拝見していますが、さすがの人間国宝お二人、
その道を知り尽くした最上級のパフォーマンス、演技、艶、存在感。

今作も👇この佇まい。

父の仇をとってくれるという言葉を信じて、伊右衛門と結婚したお岩。
 四谷の伊右衛門の家で、産後のひだちが悪く苦しむ。
しかし、伊右衛門はそんなお岩と赤ん坊をうとみ始める。
隣家の伊藤家から届いた薬を感謝しながら飲むお岩、しかしその薬は顔面を醜くただれさせる毒薬。
伊藤家の孫娘のお梅が伊右衛門に横恋慕したため、お岩を亡きものにしようという伊藤家当主の企みだった。
それを知った伊右衛門はお岩を裏切り、お梅との縁談を受け入れる。
顔が崩れ弱るお岩は、企みと伊右衛門の酷薄を知り、恨みながら死ぬ。
しかし、その後伊右衛門はお岩の恨みによって狂乱させられ、惨劇が…

何となく知っていたけれど、うろ覚えだった物語、やっとこの演目を観るにあたり公式サイトで確認。
とにかくゾッとするような酷い話なのですが、演者の力でぐんぐん引き込まれ、目が離せなくなる流れです。

ただれた顔で寝所から出てきた時の妖気ときたら、これは玉三郎さんだけが醸し出すただならぬ空気。
さらに自らを醜く変えるお岩、
抜け落ちる髪をとき、鉄漿(おはぐろ)をつけ、
舞台上でお岩を完成させる玉三郎さんの情念はあまりにも凄まじく、
身じろぎもせずそれを見つめ静まりかえった観客は、変わり果てたお岩の誕生後、やっと我に返って拍手を送るしかありませんでした。
気高ささえ感じさせる、ある意味美しいお岩さんでした。
玉三郎さん、素敵、やはり別格…
わかっていたけれど。

一方、稀代の悪党伊右衛門を演じる片岡仁左衛門さんは、年齢とは思えない立ち姿と振る舞いが美しく、声はさすがに掠れる部分が多かったものの、持って生まれた上品さで、極悪を極悪と思わせない爽やかな伊右衛門に感じられました。
にざさま、大好きです…

伊右衛門とお岩の間で、人間関係に悩む按摩の宅悦を演じた片岡松之助さんもまた巧みで、この舞台のキーパーソンとして心に残る名演技を見せてくれました。

2幕目の「隠亡堀の場」、
逃亡中の伊右衛門、片岡仁左衛門さんに加え、尾上松緑さんが満を持して登場。
さすがの存在感で場を沸かせてくれます。
そこに、中村橋之助さん、別役の玉三郎さんが登場。
いわゆるカーテンコール?のような見得締めくくられ、暗い物語に華やかさを添えて幕を閉じるという構成。

多少、咀嚼できていない部分もありますが、何とも凄い、本当にゾクゾクするような舞台を観ることができました。
いまだ興奮醒めやらない状態です。

幕前、幕間は撮影OKです👇

歌舞伎座の感染対策はほぼ万全で、いまだに全演目1席飛ばし。
売店も最小限で歌舞伎座の中はひっそりしています。
そして、ちょっとヒソヒソ話していても、スタッフが飛んできて注意されちゃうくらい、会話禁止が徹底しています。

歌舞伎には「大向う」という掛け声をする方が客席にいらっしゃって、
「中村屋!」とか「大和屋!」とか、要所で掛け声を入れて盛り上げて下さり、私はそれが大好きなのですが、感染対策で大向うも禁止中 しょぼん
淋しい状態の今、今日はこらえきれずなのか「大和屋!」(玉三郎さんの屋号)の声がかかったんですショック!
びっくりしましたし、ルール違反、いけないんでしょうけど、何だかちょっと嬉しかった私…
我慢できなかったのかなあ、大向う。