遅くなりましたが、9月の対局を振り返ってみたいと思います。
サントリー杯の関東予選で対戸辺七段戦です。
初手から30秒将棋ということもあり、いつも以上に
開始から緊張感があります。
当日は将棋会館の対局ではなかった事もあり、独特の高揚感が
ありました。一斉対局だったので、小学生時代の大会を思い出しました。
先手となり、駆け引きの末に銀冠対振り飛車穴熊の戦いに。
うまく戦機を掴みリードしたものの、直前で判断ミスがあり迎えた第一図。
角の捕獲まであと一歩ですが、△5八歩成に▲1三竜には△2一桂(下図)の両取りがあります。
本譜は△5八歩成に▲6六馬と我慢しましたが、△5四桂で少しずつ嫌な局面になりました。
(▲6六馬では▲3五桂でした)
進んで下図。
八筋に駒が一列に並ぶ「駒柱」が完成。熱戦の証とされています。
下図の▲9八玉が△6六桂や△6六金を緩和する玉の早逃げ。「米長玉」と呼ばれる銀冠の切り札です。
相手の攻め駒から遠ざかるのが大きく、粘りが利く形です。
二回目の駒柱(対局中はこれが駒柱一回目と思っていました。)
戸辺七段は「戸辺攻め」と呼ばれる強烈な攻めが有名ですが、銀冠+馬に加えて、
▲3五角が攻防に利いており、手応えは悪くありませんでした。
40手進んだ下図。ごちゃごちゃしており、何がなんだか分からない局面です
▲7二歩が絶好の一手(△同金寄は▲5三角成、△同金上は▲7五香~▲8一銀が狙い)
ですが、二歩の為、打てません。
▲7五香△同歩▲5五歩としましたが、(▲7五香を入れず、単に▲5五歩なら激戦)
△9七歩成▲同香△9六香(下図)
▲8八馬と逃げますが、△9八香成で苦戦。
▲9八桂の価値が高く、取られたのが痛かったです。
大詰めの終盤。
自玉は受けなし。▲9三香成△同銀▲9一金から詰ましにいきましたが…。
「桂頭の玉寄せにくし」の典型的な形となり、万事休す。
182手にて敗戦となりました。
戸辺七段は二戦目以降も勝ち進み、見事優勝
おめでとうございます
模様の良さを生かせる局面もあっただけに残念ですが、初手から30秒将棋は
新鮮でとても良い経験となりました。