◆升田流、玉頭銀退治 (対大山名人)
昭和32年(第8期九段戦・第六局)
▲升田幸三 名人(当時) 対 △大山康晴 前名人(当時)
振り飛車の左銀を、5四~6五~7六とくり出し、居飛車陣の玉頭攪乱をはかる
”玉頭銀”は初心者泣かせの手法だ。
その升田流撃退策である。
△6五銀の防ぎとして▲6六歩と突けば無難だが、
角道を止めては攻め味をなくしてしまう。
▲6八金直として△6五銀に▲7七金と受けるのはあまりにも消極的。
▲3七桂と跳ねて攻め合うのは、△6五銀 ▲4五歩 △7六銀と
幸便に玉頭を迫られ、先手のヤラレ形。
ここは▲5五歩と突くのが強手。
上図以下の指し手
▲3五歩 △同 歩 ▲3八飛 (下図)
▲3五歩の突き捨てから△同歩に▲3八飛と回るのが、
玉頭銀に対する反撃の手筋。
△7六銀 ▲3五飛 △6五銀 (下図)
▲3五飛は、▲5四歩 △同歩 ▲7五飛の銀取りを狙っているので、
△6五銀の先逃げはやむを得ない。
ここから、第二段の攻撃策…
▲1五歩 △同 歩 ▲3四歩打 △2二角 ▲2四歩 (下図)
この▲2四歩は取れない。
もし△同歩なら、▲1五香 △1四歩 ▲2三歩 △3一角 ▲3三歩成で
後手壊滅!
先に突いた▲1五歩は、▲2三歩と打つ一歩を補充するための突き捨てだ。
ここで大山前名人は、△4三飛という軽妙な受けでピンチを脱する。
それは下の参考棋譜で…
将棋の棋譜でーたべーす 升田幸三 vs 大山康晴 1957-12-27 九段戦
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